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連続テレビ小説「ちゅらさん」71話「恋しくて肝(ちむ)どんどん」ネタバレ

2001年6月22日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】71話のネタバレです。

現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

4年後、恵里は看護大学を卒業し、一風館に戻ってきました。聡子が看護師長を務める総合病院に就職しますが、そこには研修医として文也も勤務していました。看護師研修で失敗続きの恵里を文也が慰め、担当の少年の死を嘆く文也を恵里が元気づける日々でした。心優しい恵里に、文也は医者をめざした理由を話します。文也には彼女がいると知りながら、子どもの頃以上に思いを募らせ、心では泣きながらも笑顔を絶やさない恵里でした。

71話ネタバレ

連続テレビ小説「ちゅらさん」71話「恋しくて肝(ちむ)どんどん」ネタバレ

文也「俺さ…。」

恵里「ん?」

文也「兄貴 小浜で死んで 石垣に帰る船の中で…。 決めたんだ。『医者になろう』って。」

恵里「え?」

文也「それだけを考えて 生きてきた。 恵里は どんな事を考えて 生きてきたのかな?」

恵里「私…。」

文也「ん?」

恵里「私は…。」

恵里は 言いたかった。『文也君と同じように あの小浜で 一緒に過ごした日々を 忘れたことは なかった』と 恵里は そう言いたかったのです

文也「あ ごめん。」

恵里「え?」

文也「何を考えて生きてきたかなんて 急に聞かれても 答えられないね。 なんか 言う事が おじさんくさいね 俺も。」

恵里「あのね 文也君。 文也君みたいに まっすぐじゃなかったけど… なんか 回り道 いっぱいしたけど…。 私を看護婦にしてくれたのは やっぱり 和也君だと思ってる。」

文也「そっか… そうなんだ。」

恵里「うん。」

文也「ありがとう。」

恵里「え?」

文也「でも 兄貴も すごい影響力だよな。」

恵里「うん。」

文也「頑張らないとなぁ。」

恵里「うん。」

文也「あ さっきの もう一回 見せて。」

恵里「ゴーヤーマン?」

文也「うん。 うわぁ やっぱ 何とも言えないね。」

恵里「そう?」

文也「うん。」

恵里「あげる。」

文也「本当?」

恵里「うん。」

文也「サンキュー。 小浜にはさ いつまで いたの?」

恵里「私が中学に入る時に 引っ越した。」

文也「ふ~ん 那覇だっけ?」

恵里「うん いい所だよ。」

文也「どこでも いい所だから 恵里は。」

恵里「そんなことないよ。」

文也「そうか?」

恵里「うん。」

文也「那覇でも 民宿やってたの?」

恵里「ううん 文也君たちが最後。 最後の お客さんだった。 お父さんは 那覇で タクシーの運転手してるけど もう 全然ダメ。 仕事しないで 寝てばっかり。 車とめて。」

文也「ハハハ なんか 目に浮かぶな。」

恵里「でしょう?」

文也「相変わらず あれ弾いてんの?」

恵里「うん そればっかり。」

文也「やっぱり?」

恵里「うん。 お母さんはね 那覇の農連市場で 朝 働いて その近くの市場で 午後は お惣菜 売ってる。」

恵里「おいしいんだよ そこで売ってる 天ぷらとか そういうの。 それで 恵達は… こないだ 話したよね。」

文也「ロックでしょう? 想像できないよな。」

恵里「そう? で おばぁは…。 おばぁは… やっぱり おばぁ。」

文也「ハハハハ。 恵里は どんな中学生と 高校生だったの?」

恵里「私? どんなだったかなぁ。 高校の時は 野球部のマネージャー。 すごかったんだよ。」

恵里「うちの高校 那覇北高っていうんだけど それまで 甲子園の予選 県大会の 1回戦も 勝った事なかったのに 私達の時 決勝まで 行ったんだから…。」

文也「へえ すごいね それ。」

恵里「すごいでしょう。 でも 決勝で ボロ負けさ。」

文也「そっか…。」

恵里「でも 一番すごかったのは 3回戦かな。 13対13で 9回裏 ツーアウト キャプテンの誠っていうのがいるけど その誠が ファーストゴロだったわけ。 ところが ファーストの前で こう ビョ~ンと イレギュラーして」

恵里「ライトのファウルグランドの方まで 転がっていってしまって それを取ろうとしたライトが すべってしまってさ。 それで あせって ファーストに 中継の返球したけど 悪送球。」

文也「え?」

恵里「で その間に 誠は走って ホームまで来て ファーストがバックホームして クロスプレー! それで サヨナラランニングホームラン。」

恵里「それでさ 一緒にマネージャーやってた 琉美子っていうきれいな子がいた。 その子と一緒に 東京の大学 受験したわけ。」

恵里は しゃべり続けました。 大学を受けたけど 落ちた事。 それでも 東京に出て来た事。 一風館の人たちの事 『ゆがふ』で ランチタイムを任され 一度は テレビにも出た事… 話し続けました。

止まりませんでした。 この時間が 永遠に続けばいいのに ずっと 続けばいいのに… そう 恵里は 思っていました。 だから 話しつづけたのです

恵里「そんなことないよ。」

文也「そんなことあるよ。 ね そのビデオかなんか ある? 見せてよ。」

恵里「絶対 ヤダ!」

文也「何で? 見たいよ 見せてよ。」

恵里「ヤダ~!」

文也「見せてよ。 何で… 見せろよ。」

恵里「ヤダ~!」

文也「見せろよ。」

遥「上村先生!」

文也「あ ごめん ごめん。」

遥「ううん。」

文也「あ 彼女… 古波蔵恵里さん。 こないだ話した 沖縄の…。」

遥「うん。 こんばんは。」

恵里「こんばんは。」

遥「ここの 看護婦さんだったんだ?」

恵里「はい。」

遥「へえ…。」

文也「西宮 遥さん。」

遥「よろしく。」

恵里「よろしくお願いします。」

文也「じゃ 行こうか。」

遥「うん いいの?」

文也「じゃ… 恵里 また。」

恵里「うん。」

文也「ありがとう。」

遥「お疲れさま。」

恵里「お疲れさまでした。」

遥「面白いもの 見せてもらったなあ 今日は。」

文也「何が?」

遥「私が知らない 上村を2種類も。」

文也「え?」

遥「取り乱した上村と 子供みたいな笑顔の上村。」

文也「何だ それ。」

遥「あの上村の初恋の人ってさ。 上村の事 追ってきたの?」

文也「え? 何 言ってんだよ そんな訳 ないだろ。」

遥「そう? お酒… 飲みたいなあ。」

文也「え?」

遥「断んないで。」

文也「断ってないだろ。」

遥「そっか…。」

一風館

恵里「ただいま。」

古波蔵家

ハナ「あ 鳴るよ~。」

勝子「え?」

恵文「恵里かね?」

ハナ「そうさあ。」

(電話の呼び鈴)

恵文「あ 痛っ!」

勝子「もしもし? 恵里?」

一風館

恵里「お母さん…。」

勝子☎「どうしたの?」

恵里「うん…。」

古波蔵家

勝子「そうかぁ… 文也君は それで お医者様になろうと思ったの? そう…。」

一風館

容子「ああ 酔っぱらった!」

真理亜「飲みすぎなのよ 全く!」

容子「あんた 酔わなすぎなのよ つまんないなぁ。」

真理亜「しょうがないでしょ。 あ?」

容子「何?」

恵里「(すすり泣き)」

容子「あら~ また 何かあったのかな。」

真理亜「さあ あったんでしょ。」

容子「なんか 入りづらいねぇ。」

真理亜「そうね…。」

古波蔵家

ハナ「恵里も まだ 子供だねぇ 20歳過ぎて 親に電話して 泣いたりしないさ 普通は。」

恵文「そうだねぇ。」

勝子「そうですね。」

恵文「いい子さ 本当に。」

勝子「ええ。」

恵文「あんないい子が 何で失恋する訳? え?」

ハナ「さあ! ついに 来たかねぇ おばぁの出番が…。」

恵文「え?」

勝子「おかあさん?」

ハナ「お待ちどおさまでした。」

一風館

真理亜「わっ!」

容子「あ 痛っ!」

恵里「何やってるんですか? こんなとこで。」

容子「あれ?」

真理亜「何がって あんたが…。」

恵里「あ 今 意地悪な事 言わない方が いいですよ。」

真理亜「は?」

恵里「私 泣きますからね。 思いっきり 泣きますよ。 知りませんからね。」

真理亜「何なのよ。 その訳の分からない 脅しは?」

容子「何か あったの?」

恵里「ありましたよ 行きましょう。」

グアテマラ

恵里「なんか 私 我慢してるけど 文也君の顔 見るたびに どんどん好きになってしまって どうしていいか分からないんです。」

容子「そっか… つらいねぇ それは…。 近くにいるっていうのが またね。」

恵里「はい。」

真理亜「分かってて 行ったんでしょ?」

恵里「それは そうですけど…。」

容子「でもさ もう 思いきって スパッと言っちゃえば 自分の気持をさ。 …ねえ。」

真理亜「そうそう スバ~ッとさ。 そうすりゃ あきらめつくわよ。」

恵里「ひとごとだと思って…。」

真理亜「当たり前だっつううの。」

容子「うん でもさ そんなふうに 思いを 胸に秘めるってのも あまり はやらないよ 恵里ちゃん。」

恵里「え? そんな はやりとか あるの?」

容子「いや そうれはさ…。」

真理亜「そういうさ『私 好きなんですけど 言えません』みたいな女ってさ 向こうから言ってくるの 期待して 待ってんのよ。」

真理亜「『私は いいんです』とか言ってさ 全然 よくないのよ。 あれでしょ? 安い恋愛ドラマの 気分とかに なってるんでしょ? どうなのよ? その辺は。」

容子「あ 涙腺のスイッチが入っちゃった。」

真理亜「え?」

真理亜「分かったわよ やめなさいよ その 泣くっていう脅しは…。 分かったわよ 優しくするわよ。」

恵里「そうして下さい。」

容子「そうか… 言えないか…。」

恵里「はい… あの…。」

容子「なあに?」

恵里「やっぱり 泣いてもいいですか?」

真理亜「は?」

恵里「泣きますね…。」

真理亜「泣いてんじゃないのよ もう…。」

北栄総合病院

恵里は 職場では 決して 涙は 見せませんでした。

以前の 容子さんに言われた『仕事に プライベートを持ち込む女は嫌いだ』という言葉を ちゃんと 守っていたのです

一風館
グアテマラ

なので 真理亜さんと 容子さんは 毎日のように つきあわされて しまうのでした。

恵里「聞いてます?」

2人「はい!」

さて 恵達は…

恵達「あ!」

そして そして 皆様 お待ちどおさまでしたねぇ。

ついに… ついに…

ハナ「東京行き 1枚 もらおうね おばぁ割引で。」

恵里! いま 行くからねぇ

72話

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