2001年6月28日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】76話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里の恋に一役買おうと、おばぁが一風館にやってきました。恵里の勤める病院を訪れ、文也と恋敵の遥に会ったおばぁは、恵里の恋の厳しさを悟ります。おばぁの上京は恵里のためだけでなく、自分の初恋の人を探すためでした。長男・恵尚の奔走もむなしく、その人はすでに亡くなっていました。「恵里は自分が傷つくのが恐くて逃げてるんじゃないか。自分の思いをぶつけてごらん」とおばぁは言って沖縄に帰りました。
76話ネタバレ
連続テレビ小説「ちゅらさん」76話「おばぁの秘密」ネタバレ
ゆがふ
店内
恵里「兄い兄い!」
恵尚「ハイサイ! 久しぶり!」
恵尚「おばぁ?! すみません! 間違えました!」
店の前
恵尚「びっくりした!」
容子「あれ? あれ! 恵尚君!」
恵尚「わ~! ん? 何で俺は 逃げてるわけ? 何も悪い事してないさ 俺は?」
容子「は?」
恵尚「してないさ ねえ?」
容子「はあ?」
店内
恵里「兄い兄い どうしたんだろ?」
ハナ「ほっときな 戻ってくるさ。」
(戸が開く)
容子「こんばんは!」
恵里「容子さん!」
兼城「座って!」
容子「は~い。 あれ?」
恵尚「ハイサイ! 皆 元気ね!」
恵里「何やってるの?」
恵達「そうだよ!」
恵尚「別に。 ハハハ…。」
ハナ「恵尚!」
恵尚「はい おばぁ。」
ハナ「そこに座りなさい。」
恵尚「はい。 ごめんなさい。」
ハナ「何が?」
恵尚「『何が』?」
ハナ「『そこに座って 早く飲みなさい』と 言ってるんだよ。」
恵尚「え? そうなの!」
ハナ「座んなさい!」
恵尚「はい。」
恵達「何をやってるんだろう 全く。」
恵里「そうだよ。」
恵尚「何だか 条件反射みたいなもんさ。」
恵里「兄い兄いは 悪い事してないさ。 それどころか 私は感謝してるよ。」
恵尚「え? 何で感謝してるの?」
恵里「兄い兄いが送ってくれた お金で 看護大学へ入れたの。」
恵達「そうだよね。」
恵尚「そうなの? 俺の? そうか」
恵里「そうだよ。 ありがとう。」
恵尚「なんの。 あれ 役に立った? そう ハハハ…。」
ハナ「『初めて役に立った』と 皆で。」
恵尚「あ! 本当に! ハハハ…。『初めて』?」
恵里「そんな事ないよ。 もっと 胸 張って!」
恵尚「そうか? ん!」
ハナ「胸 張りすぎ!」
容子「面白いね 古波蔵家は!」
兼城「飽きないね。」
柴田「ですね!」
恵尚「あ! 店長 久しぶり。 つぶれてなかったね? 相変わらず 小さい商売してるね。」
兼城「お陰さまでね。」
柴田「お久しぶりです。」
恵尚「あい~! 名前 なんだった?」
ハナ「柴田さん おばぁの今の恋人。」
恵尚「何? ウチの おばぁに手をだしたのか?」
柴田「今のは そう意味ではなくて。」
恵尚「びっくりした! あんたの事を おじぃと呼ぶのかと思ったよ。」
恵里「兄い兄い 何やってたの?」
恵尚「俺?」
恵達「あのさ!」
恵尚「ん?」
恵達「久しぶりに帰ってきた兄い兄いに悪いんだけどさ。」
恵尚「何? 弟よ 何でも この兄い兄いに 言ってみなさい。」
恵達「兄い兄いの事は 後でいいかね?」
恵尚「は?」
恵達「今ね おばぁの話を聞いて訳 すごく大事な話なんだよ。 別に 兄い兄いが大切じゃないと 言ってる訳では。」
恵尚「何で 東京に おばぁがいるんの?」
ハナ「悪いか?」
恵尚「悪くは ないけど。 恵里 さっき 看護婦と言ってたけど 恵里は 看護婦さんなの?」
恵里「うん そうだよ。」
恵達「そこから話すと 長くなって たどりつかなくなる。 疑問には 後で 俺が答えてあげる。」
恵里「それがいい おばぁの話 聞きたい。」
恵尚「あれ? ん?」
柴田「忘れましょう。 この兄い兄いの事は。」
恵尚「忘れる? 4年ぶりなのに?」
恵里「兄い兄い 頼むからさ。」
恵尚「いいよ 別に俺は。」
ハナ「どうするね?」
容子「おばぁの話。」
恵尚「そうね! 別に 俺は いいよ。」
容子「恵尚君。」
恵尚「はい。」
容子「ちょっと 黙ってて!」
恵尚「はい。」
ハナ「おばぁは 19歳の時に 一度 東京に来た事があるさ。」
恵尚「へえ!」
容子「へえ! そうなんだ。」
ハナ「初恋の人に 会いに来たさ。」
恵里「初恋の人?」
ハナ「石垣島で出会った人で測候所で 働いていた人さ。 名前は 佐藤 進さんといって 東京の人。 スラッとした いい男よ。」
恵里「へえ…。」
恵達「それで?」
ハナ「時々 デートしてさ。 今の人と違って 時々 浜で会うくらいさ。 その人は いろんな所へ転勤で 行った事があって。」
ハナ「だから いろんな所の話を してくれた訳。 でも その人 転勤で 東京に戻る事に なったさ。 おばぁは 毎日 泣いてくらしたよ。 悲しくて 泣いて暮らしたさ。」
恵達「で 東京に?」
ハナ「どうしても その人に会いたくて。 東京に行ったさ。 東京は 遠くてね。 船で行ったさ。 何日 乗ったかねぇ。 船酔いしてね。 でも その人に会えると思ったら 全然 つらくなかったさ。」
恵里「それで? 会えたの?」
ハナ「会えたさ。」
恵達「よかった!」
恵里「うん。」
ハナ「会えたけどね その人 結婚していたさ。」
恵里「え?」
ハナ「親が決めた相手と 結婚していたさ。」
恵里「そんなぁ。」
恵達「あきらめた訳 それで?」
ハナ「その人は おばぁに わびてくれた。 それで 東京で デートしたさ。 2人で 歌舞伎 見に行ったさ。 じ~っと見て お弁当 食べてさ。 おいしかったよ。」
柴田「それで 歌舞伎 何度も?」
ハナ「そして 黙って 港まで 送ってくれたさ。 おばぁの東京での思い出は それだけさ。 でも 帰りの船の中で おじぃと出会ったさ。」
ハナ「分からんもんだね。 人の運命というものは。 おばぁは 後悔していいないよ おじぃと結婚して 幸せだったさ。」
恵尚「おばぁ!」
ハナ「何で お前が泣くか?」
恵達「その人に 会いに来たわけ?」
ハナ「うん 必ず いつか会おうと 決めていたさ。」
恵達「捜せるのせるの? その人。」
ハナ「さぁ どうかね? ここから 捜し出せるのでは?」
恵達「大変だね? それは。」
柴田「そうですね 大変でしょうね。」
恵尚「俺が やるよ!」
恵里「え? 兄い兄いが?」
恵尚「うん 俺がやる。 必ず この人 捜し出してみせるさ。」
ハナ「恵尚?」
恵尚「俺さ おばぁの役に立ちたいさ。 俺に まかせなさい。」
ハナ「ありがとうね 恵尚。」
恵尚「おう!」
ハナ「暇なのは お前だけだからね。」
恵尚「おばぁ!」
恵里「よかったね おばぁ。」
ハナ「おばぁの物語 青春篇さぁ。」
兼城「今日は飲もうね 皆!」
一風館
マンデリン
恵達「どうやって捜すの? これ。」
恵尚「これ? 全然 分からん。」
恵達「まったく! ダメだと思ったさ。」
恵尚「これから考えるさ!」
恵達「まず この住所に 行ってみたら。」
恵尚「はい。」
恵達「古い住所だから それで見つかることは まず ないだろうけど。 近所に古くからある家の人に 尋ねてみたり。」
恵尚「ほうほう。」
恵達「区役所でも調べてみてさ。」
恵尚「なるほど!」
恵達「おばぁ 測候所って言ってたろ? 今の気象庁さ そこでも 調べられるかもしれんよ。 退職者同志 連絡とり合ってる人いるかもしれんしさ。」
恵尚「なるほど!」
恵達「大丈夫かよ 安請け合いして。」
恵尚「大丈夫さ! 恵達は 暇 ないの?」
恵達「ないね。」
恵尚「あ そう。 うん…。 あ! 1階の男は暇じゃないかね?」
恵達「ダメ『俺が何とかする』と言った。」
恵尚「そうでした。」
恵達「よろしく頼むね。」
恵尚「はい。」
恵達「うん。」
グアテマラ
ハナ「楽しかったね? 今日は。」
容子「本当に 楽しかった!」
恵里「おばぁ?」
ハナ「何ね?」
恵里「会えるといいいね。」
ハナ「そうね。 どう? おばぁ 今 会っても あの頃と変わらず いい女かね?」
恵里「いい女さ おばぁは。」
ハナ「そう? やっぱし!」
真理亜「あの?」
恵里「はい。」
真理亜「何の話ですか?」
容子「『ゆがふ』に来ないから悪いのよ。」
恵里「そうですよ。」
ハナ「そうよ。」
真理亜「そんな事 言ったって… 何よ。」
容子「初恋かぁ!」
真理亜「『初恋』?」
容子「来ないから悪いのよ。」
真理亜「分かったわよ! 悪かったわよ 私が。」
容子「そうよ。」
恵里「会えるといいね おばぁ。」
恵里「会えるといいねぇ。」
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