2001年7月3日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】80話のネタバレです。
現在は(2021年1月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里の勤める内科病棟に文也と恋敵の遥が配属され、動揺した恵里はミスばかりしてしまいます。一方、弟・恵達は音楽プロデューサーの申し出を受け、ソロデビューすることを決意します。そんな恵達の姿や周りの励ましに勇気を得て、恵里はついに思いを文也に伝えますが、突然の告白に文也は戸惑うばかり。傷心の恵里を真理亜が小浜島への旅に誘います。その頃、文也の手もとに恵里がなくした思い出のスーパーボールが偶然戻ります。
80話ネタバレ
連続テレビ小説「ちゅらさん」80話「ガジュマルの樹の下で」ネタバレ
一風館
ダイニング
恵里「おいしい。」
みづえ「そう? おばぁは どうしてるかしらね。」
恵里「いろいろ お騒がせしまして。」
みづえ「大好きよ 恵里ちゃんの おばぁ。」
恵里「はい 私もです。」
みづえ「そう。 すてきな顔をしてる。 沖縄で 大変な時代を生き抜いた 自信が ちゃんと 顔に出てるのね。 すてきだと思うな。」
恵里「はい。」
みづえ「それにね 恵里ちゃんの おばぁは いい恋をした女の顔をしてる。」
恵里「え?」
みづえ「私には 分かるの。 いい恋をしてきた女性の顔…。」
回想
ハナ「嫌な思いをする事から 逃げていては 幸せになれない ちゃんと ぶつかってごらん」
回想終了
みづえ「恵里ちゃんも そうなるといいね。 私も いい恋をしてきた女の顔?」
恵里「え? あ はい。」
みづえ「うん。」
スタジオ
一方 恵達はというと 恵達より 一足先に 決意したのでございます
猛「座れ! で?」
恵達「はい。 我那覇さんのお誘い 受けさせて もらおうかなと思って。」
我那覇「そうか!」
恵達「よろしくお願いします。」
我那覇「うれしいよ 俺を信じてくれて。 俺はさ 恵達。」
恵達「はい。」
我那覇「物をみる目だけは 自信が あるんだ。 自分で何かをやるのは ダメだったけどな。 俺の兄貴は かっこいいだろ? 何やるにも ロックって感じで。 何をしててもさ。」
恵達「はい。」
我那覇「俺はずっと あこがれてた 兄貴に。」
恵達「そうなんですか?」
我那覇「ああ あこがれてた。 あの兄貴が 俺に紹介してくれたのは 初めて。 それは 恵達 お前の中に 何かを感じたのかもしれないな。」
恵達「ありがとうございます。 自分じゃ 全然 分からないし 自信がある訳じゃないんですが。」
我那覇「大丈夫! 俺に まかせておけ。」
恵達「はい。 ただ一つだけ お願いがあります。」
我那覇「『お願い』?」
恵達「あの曲 置いてきたんです。」
恵達「俺 作りましたが 皆に アドバイスを もらったり いろいろした曲です。 皆で完成させたっていうか…。 だから だから 置いてきました…。 それじゃ ダメですか?」
我那覇「OKさ!」
恵達「あ よかった!」
我那覇「お前は いい男だ。」
恵達「いえ そんな。 よろしくお願いします。」
我那覇「兄貴には どう教わった?」
恵達「え? よろしく!」
我那覇「あいよ!」
一風館
玄関
恵里「恵達? どうした? 背中が 寂しそうだったよ。」
恵達「そう?」
恵里「何か つらい事でも あるの?」
恵達「『つらい事』ね 両方なんだよ。」
恵里「『両方』? 何ね 両方って?」
恵達「つらい事と うれしい事さ。」
恵里「分からないよ それじゃ。」
ダイニング
恵里「そう そんな事あったわけ。」
恵達「なんか複雑でさ やっぱり。」
恵里「そうだよね? うん。 そうだよね。 ごめん 恵達。」
恵達「何が?」
恵里「気の利いた事 言いたいけど 何て言っていいか 分からないさ。」
恵達「いいよ そんなの。」
恵里「うん。」
恵達「姉え姉えは それでいいよ。 人の話を聞く時に その人と同じ 気持になってしまう 姉え姉えは。 そういのって 悪くないと思うよ 俺は。」
恵里「それだけじゃ 看護婦としてはね。」
恵達「そうなの?」
恵里「そうなの!」
恵達「ま 頑張って。」
恵里「ありがとう。」
恵達「うん。」
恵里「うん?」
恵達「ん?」
恵里「何で あんたが私を励ましてる訳?」
恵達「は? 逆か?」
恵里「そうさ!」
恵達「ごめん。」
恵里「いや 謝らなくてもいいんですけど ていうか 私が ごめん。」
恵達「訳 分からなくなってきたな もう!」
恵里「でも すごいね。 あんたは つらい 気持を 勇気出して乗り越えてる。 あんた 弟でしょう? 姉え姉えの事 追い越して 成長ばかりしないで! かわいくないよ!」
恵達「は?」
恵里「子供の頃あんたの頭を ひっぱたいてた頃は よかったな。」
恵達「よくないよ よく泣かされてたさ。」
恵里「よく泣いたね あんたね。」
恵達「うるさいね。」
恵里「何で人は 大人になってしまうんだろうね? 何でだろ?」
恵達「小浜の頃のままで 文也君と 会いたかった?」
恵達「そうだ 姉え姉え。」
恵里「ん?」
恵達「聴いてくれる?」
恵里「え? 何を?」
恵達「歌なんだけどさ 俺と バンドの人達と 作った曲。」
恵里「うん。」
恵達「歌うのは これで最後にしようと思ってさ。」
恵里「え?」
恵達「だからさ 聴いてくれる?」
恵里「うん。」
恵達「じゃ いきます。」
恵里「はい。」
恵達♪『ロバの乳を飲んで チーズを食べて行こう ロバが疲れたなら 降りて引いて行こう もしもロバがダメで動けなくなったら」
恵達♪『空の見える丘に 骨を埋めていこう ありがとうを言って さよなら言って きっと探すからね 僕らの住める場所 ロバを連れて行こう どこでも行こう 僕らはひとつだよ ずっと ずっと行こう」
古波蔵家
勝子「静かに!」
(電話の呼び鈴)
勝子「もしもし 恵里? どうしたの?」
北栄総合病院
恵里「お母さん 何も聞かないでさ。」
勝子☎『うん。』
恵里「何も聞かないで『頑張れ』って 言って? 怖いの。」
古波蔵家
勝子「うん 分かったよ。 頑張れ 恵里!」
北栄総合病院
恵里「うん。」
古波蔵家
勝子「お父さんに代わろうね。 文ちゃん。」
恵文「どうしたの?」
勝子「何も聞かないで『頑張れ』って 言ってあげて。」
恵文「あい 分かった。 もしもし 恵里!」
恵里☎「お父さん?」
恵文「頑張れ! 恵里! 頑張れ!」
北栄総合病院
恵文☎「頑張れ!」
恵里「うん…。 ありがとう お父さん。」
ハナ☎「恵里 おばぁだよ!」
古波蔵家
ハナ「頑張れよ! 恵里は おばぁの孫だから 大丈夫さ!
北栄総合病院
恵里「うん ありがとう おばぁ!」
ハナ☎「もう いないね?」
恵尚☎「ちょっと待って おばぁ!」
ハナ☎「あ 忘れていたさ。」
古波蔵家
ハナ「お前 いつもいないから。」
恵尚「忘れんでよ! もしもし恵里の大好きな兄い兄い。 頑張れ! 恵里! 兄い兄いも 頑張るからさ な!」
北栄総合病院
恵里「うん… ありがとう 兄い兄い。 あ そうだ。 誠と琉美子に しゃべったでしょ
兄い兄い。 おしゃべりだね 男のくせに。」
古波蔵家
恵尚「あ! あれ? ごめんなさい。 はい。 すみません。 はい すみません。 じゃ 失礼します。 はい!」
恵尚「何で俺だけ怒られるの?」
恵文「どうしてかね?」
勝子「本当に いつまでたっても 子供だねぇ 恵里は。」
恵文「いいさ ずっと子供でいいさ。」
勝子「うん。」
恵尚「そうだよね。」
北栄総合病院
文也「ああ 恵里 どうしたの?」
恵里「文也君…。 私…。 私さ…。 私さ…。」
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