ドラマダイジェスト

月曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん3」3話「太陽(てぃだ)を心に」

今回の「ちゅらさん」のテーマは「親子」。一風館の何組かの夫婦に子どもが誕生、沖縄では、恵文が定年退職の日を迎え、そして訪問看護師として成長した恵里と、患者となった母子との交流を通じて「親子」を見つめます。

3話ネタバレ

月曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん3」3話ネタバレ

ハイサイ! 1週間ぶりの ごぶさたでございます

恵理「全然 問題ないですね 大丈夫ですね」

恵理は 訪問看護先で 新しい患者さんと出会いました

愛子「あんたなんて 仕事で やってるだけじゃん」

恵理の新しい患者さんには 複雑な事情があるようだねえ

美帆子「あの子 駄目になっちゃう」

娘の愛子ちゃんは お母さんが 心配で しかたがないんだねえ

恵理「どうですかねえ…?」

美帆子「いいの?」

恵理「はい」

美帆子「恵理ちゃん だって 恵理ちゃんの 仕事の範囲を越えてるよ」

恵理「いいんです そんなの…」

恵理… 何を思いついたかねえ

恵理「行くよ」

愛子「はぁ?」

恵理「…う~ん」

今週も『ちゅらさん3』が始まるよ!

愛子「ねえ どこへ行くの?」

恵理「あのね『一風館』っていうとこ 私の住んでるアパートなんだけど」

愛子「は? なに それって… ちょっと 離してよ!」

恵理「お母さんには ちゃんと 話してあるから 大丈夫さ」

愛子「え…?」

恵理「さ… 行こう」

辻内家

恵理「いいと思うんですよね 一風館で 暮らしてみるっていうのも… ただ いきなり『今日から ここで 暮らしなさい』って言われても 反発すると思うので とりあえず 一度 遊びに行ってみて みんな 楽しい人たちだから 愛子ちゃん きっと 好きになってくれると思うんですよ で そうなったらということで…」

美帆子「恵理ちゃん… なんで そこまで?」

恵理「あ… 私 お気持ちが 分かるんですよ」

美帆子「私の?」

恵理「はい 私も 母親だから… それに 私… こう見えて 一度 大きな病気をしたことがあって 手術しないと 命に かかわるかもっていう… ただですね」

恵理「その時 和也が… あ 子供の名前なんですけど 心の病気にかかっていて もう… その事が心配で 心配で 自分の事なんか どうでも よくなって 和也のために 島に行っていたことがあるんです」

美帆子「『島に』…? 小浜島?」

恵理「ええ 和也の病気 よくなるかなと思って… あ… ですから 全然 違うとは 思うし 気持が分かるとか 言っては いけないのも 分かるんですけど… やっぱり 分かるんです 親は 子供のためだったら 何でも 出来るっていうか 命だって 投げ出せるし… とにかく 子供の事が一番で…」

美帆子「恵理ちゃん ありがとう」

恵理「あ いえ そんな…」

美帆子「ありがとう よろしく お願いします」

道中

恵理「もうすぐだからねえ」

一風館

容子「さあ 真理亜ちゃん 並べちゃって」

真理亜「はい」

容子「恵理ちゃんたら 急に言うんだもんねえ」

真理亜「いつも そうよ あいつ」

容子「そうだけどさ  大丈夫? みづえさん あ… でも『あまり ごちそうしなくても いい』って言ってたんでしょ?『ふだんの一風館を見せたいから』って…」

みづえ「そう そうなのよね だけど そこが 難しいのよね ごちそうのほうが かえって 簡単」

柴田「そうなんですか?」

みづえ「そうよ でも そこが 腕の見せどころってところよ 今日は だから オムライスにしたの…」

容子「なるほどねえ さすが みづえさん」

柴田「あ しまった 忘れて あの~『歓迎 愛子ちゃん』… 愛子ちゃんでしたっけ? 歓迎じゃなくて『いらっしゃいませ 愛子ちゃん』のほうが いい感じかな…」

真理亜「だから そういうの『要らない』って 言ってるでしょ 人の話 聞いてないの?」

柴田「すみません」

容子「あんた 恵理ちゃんの気持 よく分かるんだねえ」

島田「う~ん…」

みづえ「島田さん どうか なすったの?」

島田「いや… あ~っ ああ… 似ている…!」

柴田「えっ!」

容子「わっ?」

真理亜「ウソ!」

島田「似ている… 似ている~ けど… けど~ 何が似ているのか… それが 思い出せないんだな」

柴田「何なんですか? それは」

容子「島田さん…」

真理亜「いつから そんな おちゃめな 性格に なっちゃったのよ」

島田「ええっ?」

容子「あんたと同じだねぇ 恵理ちゃんが 来てからだもんねえ」

真理亜「どこが 同じなのよ」

みづえ「ねえ ねえ 真理亜ちゃん 早く手伝ってちょうだい…」

柴田「怒られましたね フ~フフフ」

文也「ただいま!」

柴田「お帰りなさい」

文也「なんか すみません 恵理が 突然…」

真理亜「ほんとよ もう… もう少し 文也君に びしっと してもらわないとさ」

文也「はあ すみません」

容子「いいのよ 気にしないで この人 とっても 楽しんでるから とってもね」

真理亜「あのさあ…」

文也「いや でも ほんと すみません ちょっと どうなのかなって 心配してるんですよ 仕事の範囲を越えてると思うし それに 僕 この間 恵理に 珍しく どなったじゃないですか『聞けよ!』って そしたらね 言ったんです『ありがとう』って」

容子「なんでも プラスに解釈するんだね 恵理ちゃんって…」

文也「ええ まあ… でもね なんか それは たくらんでる 顔だったんですよね もしかして 今日の事じゃ ないのかなと思って…」

容子「なるほどね 確信犯だわ」

文也「ええ だから なんか ちょっと 心配なんですよねえ」

容子「でもさ… なんか 切ない話だよねえ その患者さん…」

柴田「そうですよねえ」

真理亜「あの… あのさ 注意っていうか… 子供はさ あまり かわいそうっていう目で 見られるの 嫌だと思うんだよね やめたほうが いいと思う そういう目で見られると かえって 心 閉じるからさ」

容子「そうか… そうかもね…」

柴田「はぁ…」

みづえ「さ とにかく… ね 支度だけは しておきましょう」

柴田「あぁ はい そうですね」

道中

愛子「私 やっぱり 帰る お母さん 心配だから」

恵理「大丈夫 お母さんは」

愛子「なんで 分かるのよ 離して!」

恵理「今 帰ったら お母さん 悲しむよ」

和也「お母さん!」

恵理「ああ 和也 ただいま! 真っ黒だねぇ 手が…」

和也「友達と遊んできた」

恵理「そうねえ? よかったさあ」

和也「誰?」

恵理「あ 愛子おねえちゃんだよ」

和也「こんにちは」

恵理「和也 先 帰って みんなに『もうすぐだよ』って言っておいて それから ちゃんと 手も洗いなさいよ」

和也「はい!」

恵理「愛子ちゃん? 愛子ちゃんの気持も 分かるよ お母さんと ずっと 一緒に居たいっていう… でもね お母さんは それじゃ 余計 心配してしまうわけ… 分かる? さ… 行こう」

一風館
サロン

遥「ただいま!」

一同「お帰りなさい!」

遥「あれ… どうしたんですか? 今日は 何か あったんですか?」

容子「あれ… 聞いてないの? 恵理ちゃんがね 患者さんの子供 連れてくるの」

遥「えっ?」

容子「愛子ちゃんとかいう子… ね?」

文也「はい あ 知ってるんでしょ?」

遥「え? あ… うん」

回想

愛子「ウソつき! お母さん 治ってないじゃん」

回想終了

遥「そうなんだ ここに…」

みづえ「遥さんも 食べるでしょ?」

遥「え… あ~ ごめんなさい 私 ちょっと 用事があって すぐに でかけなきゃ いけなくって…」

みづえ「あら そうなの? 残念ねえ…」

遥「はい 残念だな ハハハ… おいしそう」

みづえ「あなたの分 とっておいてあげるわね」

遥「あぁ… すみません ありがとうございます」

和也「ただいま!」

文也「おお 和也 お帰り!」

和也「お母さんと お客さん もうすぐ 来るよ」

文也「おお そうか」

恵理「ただいま!」

玄関

文也「あ~ どうも いらっしゃい」

容子「いらっしゃい」

恵理「さ… 入ろう うん はい」

サロン

恵理「あ 紹介しようね こちらが 私の旦那さん 文也君 格好いいでしょ?」

文也「…どうも」

恵理「それに 私の息子の 和也」

和也「こんにちは!」

恵理「それから 容子さんと 柴田さんの夫婦 栞ちゃんは?」

容子「今 寝てる どうぞ よろしくね」

柴田「よろしく グフフフ…」

恵理「それから 真理亜さん ほら この間 渡した本 あったでしょ? あれ 全部 この人が書いてるんだよ」

真理亜「え? よっ」

恵理「それから 管理人さんと 島田さんの夫婦」

島田「よろしく」

みづえ「よろしね さ 食べましょう」

恵理「はい いただきます!」

一同「いただきます!」

恵理「それと 遥さんっていう お医者さん… あ お母さんの手術の 担当医さんだったんだよね それに 奈々子さんっていう 私の姉え姉えの看護師さんが ここには 住んでるわけ にぎやかで 楽しそうでしょ さ 食べよう」

真理亜「あのさ… どうだった?」

恵理「え… 何がです?」

真理亜「本」

恵理「あ~ どうだった 本? 面白かった?」

容子「正直に言って いいんだよ」

真理亜「そうよ 気い遣ったら 怒るよ」

愛子「1冊は まあまあかなって 感じだったけど… あとは つまんない 全然 駄目 要らない」

真理亜「う…」

恵理「あら…」

柴田「つまんないですか… そうですか… ハッハハハ『要らない』?『全然 駄目』?」

(真理亜がコップを置く)

柴田「あ… 失礼しました」

恵理「あ そうだ あのさ…『ガジュマルの樹の下で』って本 あったでしょう あれね… あれ 私が モデルなわけ… ねえ 文也君 ねえ 真理亜さん あら… がっかりした? ねえ?」

愛子「別に…」

恵理「…であるよねえ」

真理亜「あのさ… 食べ物に 罪はないんだから 食べな あんたのために 作ってくれたんだよ これ…」

島田「うまいよ…」

容子「そんなに見られたら 食べられないよねえ」

真理亜「そうだよね」

柴田「じゃ 向こう向いて食べる」

みづえ「どうかしら?」

愛子「(うなずく)」

みづえ「そう よかった」

恵理「おいしいようね」

柴田「うん」

真理亜「へえ 和也 すごい いっぱい 食べてるね」

恵理「愛子ちゃん…?」

恵理「愛子ちゃん!」

玄関前

容子「お母さんのとこかな?」

恵理「ええ 多分…」

柴田「おいしいもの 食べたら 独りでいる お母さんの事 思い出しちゃったんでしょうね」

容子「いい子だよね… でも また 無理に ここに連れてきても すぐ 逃げるかもよ」

恵理「私 ちょっと 行ってきます」

容子「うん 気をつけてね」

恵理「はい」

辻内家

美帆子「愛子… 帰ってきちゃったの? そうか…」

愛子「ごめんなさい」

ゆがふ

兼城「遥ちゃん どうした? 元気ないね」

遥「あ… いえ」

兼城「今日は 1人? 一風館のみんなは?」

遥「多分 今日は 来ないと思います」

兼城「そうなわけね…」

遥「はい」

容子「こんばんは!」

兼城「あ いらっしゃい!」

遥「あっ?」

容子「あれっ 仕事だったんじゃ…?」

遥「あ… え~と はい もう 終わりました」

容子「あ そう… こっちも もう 終わりました」

遥「えっ?」

容子「ね?」

真理亜「うん」

遥「そうですか… 愛子ちゃん 先に 帰っちゃったんですか…」

容子「なんか 切ない話だよね あれ… 遥ちゃん なんか 元気ないよね」

遥「え? いえ ありがとうございます」

容子「え?」

遥「え? はぁ… 大丈夫です うん」

真理亜「悪くないよ… ね『どうしたの? 元気ないね』って 言われるのってさ」

容子「うん?」

真理亜「わるくないよ… ね」

遥「はい…」

真理亜「ま… 言いたい時に いいなよ」

遥「…はい」

容子「あ そうそう『つまんない』って 言われたんだよね この人… 書いた本『つまんない 全然 駄目だ 最低』もう…」

真理亜「そこまで 言ってないわよ」

容子「そうだっけ?」

兼城「すごいね そんな事 言ったわけ?」

真理亜「言ったわね フフフン」

遥「へえ なんか うれしそうですね」

真理亜「ま… 人の事は いいわよ それより 容子さん 大丈夫なの?」

容子「ええっ 私?」

真理亜「何もなさそうな顔してるけど どうなの?」

容子「まあね うん そりゃ 不安とか いっぱいあるよ 結構 高齢出産だったしね 子供 産むとさ 幸せだなと思う瞬間と不安で たまらなくなる瞬間… 交互っていうかさ 1分ごとっていうか やってくるんだよねえ」

真理亜「へえ~」

容子「あ ごめん 独身のあなたたちに『結婚』とか『子供 産んだほうが いいよ』とか 言うつもりないからね それ 分かってよね」

真理亜「うん」

遥「はい」

容子「でもさ 母っていうか 親になると 新しい発見があるのは 確かだね」

遥「ふ~ん」

容子「自分の親もさ 私の事 こんなふうに 見てたのかなと思うと なんか 不思議だったりとかねえ」

兼城「であるわけか…」

容子「うん」

兼城「…すみません」

容子「だってさ 男と女って 好きで一緒になったわけで 嫌いになったりするかも しれないでしょ でもさ 親のさ 子供への愛は 違うよね だってさ 柴田君 見てると思うんだけどさ あの愛は すごいよ」

容子「なんて言ってもさ 栞が生まれる 前から 愛してるんだもん 好きだとか なんでも いいけど 理由があって 愛してるんじゃないんだもん 生まれる前から 好きなんだもん すごいよ 親って…」

兼城「であるわけね」

一風館
玄関

マンデリン

文也「おやすみ」

古波蔵家

恵尚「おやじさんの三線は 最高だねえ!」

島袋「やあ!」

勝子「うるさいねえ」

祥子「いえ」

恵文「なにを言ってる おなかの子のために やってるのさぁ 三線の音はね 胎教に いいんだよ だから こうやって やってるわけさ」

祥子「そうだったんですか?」

恵文「そうだよ フフフ…」

ハナ「じゃ 酒は要らないねえ」

恵文「待って 待って 待って! おばぁ…」

勝子「バカだねえ」

祥子「恵達も おなかの中にいる事 聞いてたんですよねえ」

勝子「うん であるよ」

恵文「そういう事さ じゃ もう1曲 いくかね?」

恵尚「マカチョーケ!」

島袋「イッチュード!」

恵文「はいよ!」

ハナ「う~ん…」

勝子「あっ…」

祥子「電話ですか?」

ハナ「鳴るねえ」

勝子「恵理ですね」

ハナ「であるねえ」

勝子「…静かに! 静かにして!」

恵文「はい!」

☎(呼び鈴)

勝子「もしもし 恵理?」

公園

恵理「わ… 電話出るの 早いね 分かってた?」

古波蔵家

勝子「分かってたよ どうしてたわけ?」

公園

恵理「うん …なんとなく お母さんの声 聞きたくなってさ あぁ みんな 元気?」

古波蔵家

勝子「あい もう うれしいさ みんあ 元気だよ 祥子ちゃんも 順調だし おばぁも ますます 元気さあ あとは 以下同文」

恵文「なにか それは…」

勝子「恵理は? そっちは どうね? みんな 元気?」

公園

恵理「うん 元気だよ(バッテリーが上がる音)あ… ごめん 充電 切れる ありがとうね お母さんの声 聞いたら 元気になったさ うん… じゃあね」

古波蔵家

勝子「(通話が切れる)あら… ま… よかったんじゃない? 恵理は お母さんの声が 聞きたかったらしいよ お母さんの お父さんじゃなくて だから いいんじゃないの?」

恵文「ふ~ん あら… そうですか で… 元気だったの?」

勝子「う~ん なんか 悩みがあるんだろうね 多分 でも 大丈夫さ 恵理は…」

恵文「そう… ま… あんまり 相談されなくなったからねえ… 大人になったから 恵理も 心配かけなくなったさぁ」

ハナ「お前も いい加減 大人になりなさい」

恵文「はい …って おばぁ!」

恵尚「大丈夫さ 俺がいるさ 実は 俺は… みんなが寂しいと思って わざと 心配をかけるような 生き方を選んでしまった でも 気にしないで… それが 当然の親孝行さ」

ハナ「このバカが」

恵尚「あ~っ…」

島袋「♪『うっら うっら うっら うっら うっらうっら うっら うっりゃ うっりゃ うっら うっら』」

北栄総合病院

奈々子「なんなの?! 私が 地方研修に行ってる間にさ なんで そんな勝手な事したの?!」

恵理「すみません」

奈々子「あなたのした事は 明らかに仕事を越えてるでしょ! 訪問看護師の 仕事じゃないでしょ! そりゃ 気持は分からなくは ないけどさ みんな いろいろ あうんだよ 患者さんたちにはさ それぞれ それを あなたは 全部 家の中に 入って 解決するわけ… ねえ? できるの?! そんな事が…」

恵理「いえ できません すみませんでした」

聡子「私が言うべき事 みんな 言われちゃったわね」

奈々子「あ すみません」

恵理「すみません」

聡子「せっかく 久しぶりに 上村さんに びしっと怒れるかなと思って いそいそしながら来たののさあ」

恵理「え?」

聡子「でも なんか 上村さんらしいねえ」

奈々子「そんな…」

聡子「ごめんなさい」

廊下

遥「どうも」

聡子「あ どうも」

遥「なんか いい事あったんですか?」

聡子「ないわよ もう 大変なのよ」

訪問看護科

奈々子「ちょっと… 今から 姉え姉えとして 聞くわよ」

恵理「はい …うん」

奈々子「大丈夫なの 恵理?」

恵理「うん… なんかね… なんか 分からないんだけどさ でも ほっとけないわけ」

奈々子「そんな事 言われても…」

恵理「ごめんね 姉え姉え」

奈々子「『ごめんね』って…」

公園

回想

愛子「あんたなんか 仕事で やってるだけじゃん!」

愛子「お母さんのバカ!」

美帆子「でも このままじゃ 駄目 あの子 駄目になっちゃう」

回想終了

文也「恵理」

恵理「うん?」

文也「また『えりぃモード』入っちゃった?」

恵理「えっ なにね? それ…」

文也「いや 何か考えるとさ 恵理は なに言っても 無駄だからさ」

恵理「なんで? そんな事ないさ」

文也「あるよ」

恵理「え? すみません」

文也「ま… 分からないけど 俺は 恵理を応援するよ」

恵理「…え?」

文也「とにかく 俺は 恵理を 応援する 無条件に… ま そうでもしないと 恵理の 旦那は やっていけないでしょう そういう運命なんでしょ」

恵理「はぁ… すみません」

文也「なかなか すてきな 愛の言葉だったでしょ?」

恵理「うん ありがとう」

文也「いいえ…」

和也「お父さん! お母さん! こっち 来て!」

訪問看護中の恵理

恵理「今日の検査は 腎臓 肝臓 あと 糖尿病と貧血 全部やりますから 3つ採りましょうね ちょっと チクッとしますけど 大丈夫ですからね」

恵理「いいですよ」

患者「そうですか」

恵理「大丈夫ですか? 痛みとか 今 ないですね はい」

辻内家
玄関前

恵理「ああ… 愛子ちゃん」

玄関

恵理「こんにちは!」

リビング

平野「困りましたね 愛子ちゃん 学校に来ても いつ 居なくなるか 分からないし 授業中も 全然 集中していないし」

美帆子「そうですか…」

平野「私が 話しましても『学校なんか どうでもいい お母さんと居たいんだ』って そう言うだけなんです 事情が 事情なだけに 私も あまり厳しくは 言えませんし でも このままじゃ…」

美帆子「申し訳ありません 私から よく言い聞かせますので…」

玄関

美帆子「あぁ… 恵理ちゃん」

恵理「どうも」

リビング

恵理「大丈夫ですか?」

美帆子「ねえ 恵理ちゃん」

恵理「はい どうかしました?」

美帆子「わがままっていうか… メチャクチャ 言ってみようかな?」

恵理「…はい?」

美帆子「ずうずうしいし ものすごい 勝手なお願いなんだけど 駄目なら 駄目って言ってね」

恵理「…え?」

美帆子「お願いします 愛子なんだけど…」

某所

静子「じゃ 次は 7時ね よろしくね どうも お疲れさま」

恵理を見かける静子

静子「あ… 恵理ちゃん そこ 危ない! 危ない!」

駐輪中の自転車にぶつかる恵理

静子「あぁ もう…」

静子「へえ~」

恵理「どう思いますか?」

静子「う~ん… そのお母さんの気持は 分かるなあ 痛いほど…」

恵理「…ええ」

静子「つらいね でも 1つだけ 確認しておきたいんだけど」

恵理「何ですか?」

静子「向こうの人が 言いだしたんだよね 恵理ちゃんじゃなくて…」

恵理「えっ? ええ そうです」

静子「そうなんだよね」

恵理「なんでですか?」

静子「そこは 実は 大事なんだと思うんだ 誰かの提案に乗るんじゃなくてね その人が… そのお母さんが そう思ったんだとしたら だったら きっと それは 正しいのよ」

静子「母親がね 自分の事じゃなくて 子供のために… その子のために どうしたら いいかって 考えて 出した答えだったら それは 正しいんだと思う うん… 私は そう思うな」

恵理「ありがとうございます」

静子「本当だよね 恵理ちゃんが 言いだしたんじゃないよね」

恵理「違いますよ」

静子「ハッハハハ だったら 賛成」

一風館
マンデリン

文也「えっ?!」

サロン

5人「ええっ?!」

北栄総合病院

2人「ええっ?!」

さて 恵理は 一体 何を頼まれたんだろうねえ

おや… ここは 那覇だねえ… あら~

古波蔵家

恵理「ここだよ ただいま!」

お帰り! 恵理 愛子ちゃん 待っていたよ

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