ドラマダイジェスト

土曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん4」最終話「ゆんたく三姉妹」

おまたせしました!ちゅらさん最新作が土曜ドラマに登場です。舞台は2007年、お正月。古波蔵家の面々が那覇に勢ぞろいします。しかし、家の貯金がなくなっていることが発覚。恵文(堺正章)が使ったことはわかったものの、理由をどうしても言わず…。

最終話ネタバレ

土曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん4」最終話ネタバレ

恵理・文也・和也「明けまして おめでとうございます!」

恵理「いい年にしようね 今年も」

奈々子「真理亜ちゃんの 新しい小説 いいですよ 容子さんと 真理亜ちゃんと恵理が モデルだよね 明らかに」

真理亜「容子さん 最近 何かおかしくないか?」

容子「誰にも まだ 内緒だよ 柴田君にも 相談してないんだから」

真理亜「離婚したいとか? あんたの」

柴田「えっ?」

容子「え~っ?!」

(着信音)

恵理「あっ! もしもし 容子さん」

容子☎『恵理ちゃ~ん 助けて~!」

恵理「えっ? 容子さん? もしもし! 容子さん!」

古波蔵家

ハナ「えっ?」

勝子「うん?」

恵文「どうしたわけ?」

ハナ「恵理が飛んでいるね 空を」

勝子「飛んでいますね」

恵文「はあ…?」

東京・一風館

柴田「容子さん どうしたんですか?」

容子「うん まあね…」

真理亜「何? みんな集めて 何なのよ?」

容子「うん… 何か感じない?」

真理亜「『何か』って?」

容子「まあ いい まだかな…」

柴田「何がです?」

容子「ごめん もうちょっと待って そしたら 話すから」

柴田「『話す』って 何をですか?」

真理亜「分かった! もしかして 2人目 妊娠?」

みづえ「えっ?」

島田「そうなの?!」

柴田「えっ? えっ?」

容子「違います すみません」

(ドアの開く音)

奈々子「ただいま! あら? 何なんですか? この明らかに 期待はずれな空気」

容子「ごめん そういうことじゃなくてさ」

柴田「容子さん 一体 何なんですか?」

容子「え~…」

真理亜「うん?」

容子「感じた?」

真理亜「この感じ… ひょっとして ひょっとして あいつが! あいつが…」

一同「はっ?」

真理亜「うん?」

恵理「どうも~!」

容子「…来た」

奈々子「何 今の? 分かるの?」

真理亜「分かっちゃうのよ これが」

恵理「えっ? 何がですか? …っていうか 容子さん どうしたんですか?」

容子「うん ありがとう 恵理ちゃん ごめんね」

恵理「いえ いいんですけど… うん?」

容子「あのね 私 今から… 何ていうか ものすごく唐突っていうか バカみたいっていうか 考えが メチャクチャっていうか 無鉄砲っていうか そういう話をするのね だから どうしても そばに 恵理ちゃんに いてほしいなあと思ったのよ」

恵理「えっ?」

容子「だって そんなことする人って 私 この世界に 恵理ちゃんしか知らないし 普通の人の感覚だと『何それ? 何考えてるの?』みたいになさ そんな人って 他にいないし」

恵理「はあ…」

容子「その人に そばにいてくれると心強いな って 思ったのよね」

恵理「はあ… それは どうも」

容子「何かね 突然 思いついたら もう 頭から離れなくなって もう理屈じゃないっていうか そんなバカなって思うんだけど もう無理なのよ どうしても抑えられないの この気持ちを ね? 恵理ちゃんみたいでしょう? ね?」

恵理「うん?」

真理亜「確かに」

容子「でしょう?」

恵理「あの 容子さん そろそろ 本題に入っていただかないと さすがに私も だんだん落ち込んできたんですけど」

容子「えっ? ああ ごめん あの… え~と 私 柴田容子 突然ですが… 沖縄・小浜島に 移住しようと思います!」

恵理・真理亜「え~っ?!」

みづえ・島田・奈々子「え~っ?!」

柴田「よかった~ 何だ 沖縄に移住か… え~っ! し… 失礼しました」

容子「最初のきっかけはさ 栞なんだ 栞 みんな知ってるみたいに 結構 体 弱くてさ アレルギーもあって ただね 別に 沖縄に行ったからって 治るわけじゃないし… でもね 何かさ 何か 自然の中とか いいかなって思ったりとか…」

みづえ「そう…」

容子「それに 栞にさ『恵理ちゃんみたいな女の子に なってもらいたいな』って そういう気持ちも あったりとかさ 何かね いろんな気持ちなの」

恵理「容子さん…」

容子「そしたらね 恵理ちゃん これがね 空から降ってきたの」

恵理「はい! これ…! ずっと昔の うちのチラシ…」

容子「運命でしょう? これは」

恵理「…はい」

容子「でもね 東京が嫌だとか 一風館が嫌だなんて気持ちは みじんもないのよ みじんも!『みじんもない』っていう言葉 使い方 合ってる?」

奈々子「合ってると思う」

容子「ありがとう」

容子「ないの みじんも!」

みづえ「分かるわよ 容子さんはね 卒業するのよ ここをね」

島田「卒業か うん うん」

柴田「あの…」

容子「あっ ごめん 柴田君 いい?」

柴田「あの… 僕も 一緒ですよね?」

容子「何言ってるの?! 当たり前じゃないの!」

柴田「ああ よかった! 置いてかれるのかと思った…」

奈々子「あっ でも 小浜で何するの? 容子さん」

容子「ごめん それは まだ」

奈々子「わっ! 本当 あんたみたい」

恵理「だからよ! フフフ …はあ?!」

ゆがふ

静子「人生 いろいろだよね 沖縄に行く人 沖縄から東京へ来る人」

兼城「…であるね」

静子「…であるよ ああ でも大丈夫かな…」

兼城「真理亜ちゃん?」

静子「うん…」

一風館

容子「ただね~… 私… 一つだけ 心配なことがあるんだ」

恵理「何ですか?」

容子「あんたよ」

真理亜「はっ? 私? 何でよ?」

容子「『何でよ』じゃないわよ! 心配なのよ あんたが 私は」

真理亜「だから 何か?」

容子「『何が』じゃないわよ! 奈々子ちゃん」

奈々子「はい!」

容子「この人 頼むね」

奈々子「あ… はい! 分かりました 任せてください」

真理亜「あのね 何で私は『頼む』とか『任せてください』とかって そういう…」

みづえ「大丈夫よ 容子さん みんな いるから」

島田「そうだよ 安心しなさい」

容子「ありがとう ほら あんたも よろしくお願いしなさい」

真理亜「よろしくお願いしま… 何でよ?!」

恵理「分かるさ 容子さんの気持…」

真理亜「うん?」

恵理「私からも よろしくお願いします」

真理亜「おい『私からも』って…」

容子「お願いします」

恵理「お願いします」

真理亜「お願いします …だから!」

ゆがふ

兼城「いらっしゃい!」

奈々子「どうも」

静子「恵理ちゃん 来たって?」

奈々子「はい …あれ? 静子さん 知ってたんですか?」

静子「うん」

奈々子「そうか… 何か すごいな あの3人」

静子「うん…」

兼城「まあ あの3人はね 特別さぁね」

一風館
グアテマラ

真理亜「ああ… いや あのさ…」

容子「寂しいでしょう? ごめんね」

真理亜「えっ…? いや そんな…」

容子「男と女じゃないんだからさ やめようよ 気持ちに恰好つけるのなんてさ ねえ 恵理ちゃん」

恵理「はい そうですよ 真理亜さん」

真理亜「いや その… そりゃ…」

容子「あんたがさ 恵理ちゃんと私のことをさ 本当の 姉と妹みたいに思って 大好きなのは 分かってる だって 私だって同じだもん!」

真理亜「えっ?」

容子「恵理ちゃんがさ 東京から小浜に帰っちゃって あんた すっかり 元気なくなっちゃったしさ 全然 恵理ちゃんいる時と 顔 違うしさ… でもさ まだ 私がいたから 大丈夫だったと思うけど それで 私がいなくなっちゃったらさ あんた 寂しくて どうしたらいいか 分かんないでしょう? そうでしょう?」

真理亜「いや そんな…」

容子「何度も言うけどさ 男と女じゃないんだから!」

真理亜「分かったわよ! 寂しいわよ! そうよ 大好きよ あんたたちのことが 1人じゃ寂しくて どうしていいか 分からないわよ もう! 何なのよ?! 何で こんなことまで オンにしなきゃいけないのよ?! 男と女より 恥ずかしいわよ! バカ!」

容子「ごめ~ん…」

真理亜「泣かないでよ!」

恵理「ずっと… ずっと 一緒でしたもんね 3人 うれしい時も… 悲しい時も…」

真理亜「誰が泣くかっていうのよ?! こんなんで 冗談じゃないわよ! ほら! 今日は 飲むよ」

恵理・容子「はい」

真理亜「はあ…? 乾杯」

恵理・容子「乾杯」

真理亜「不細工!」

サロン

柴田・栞「乾杯」

柴田「これから 僕らは どうなるんでしょうね 容子さん」

那覇・古波蔵家

勝子「恵理が 泣いてますね」

ハナ「でも 笑ってもいるよ」

勝子「そうですね」

恵文「はあ?」

祥子「すごい…」

恵文「すごいというよりは 怖いね」

恵文・祥子「うわぁ…!」

ハナ・勝子「鳴るよ」

恵文「恵理かね?」

(呼び出し音)

勝子「もしもし 恵理?」

一風館

恵理「わっ! 早いね 相変わらず ちょっと代わるね」

容子「もしもし 容子です はい はい あの… 実はですね あの あの…」

古波蔵家

勝子「え~っ!」

北栄総合病院
廊下

秀美「あら」

恵理「どうも お久しぶりです」

秀美「久しぶりね~」

恵理「相変わらず お弁当大きいですか?」

秀美「お弁当 大きいわよ …って 私の印象って それだけ?」

恵理「えっ?」

秀美「いや いいんだけどね いいんだけども…」

恵理「あっ すみません 私 訪問看護科に じゃ 失礼します」

秀美「あっさりしてるわね 結構 頑張ってるんだけどな あの頃より」

聡子「うん?」

秀美「どうも~」

聡子「どうも」

秀美「何なのよ この扱いは! 今に見てらっしゃい! …って 誰に向かって 言ってるんだ? 私…」

訪問看護科

恵理「ああ! これは 床擦れ予防になりますね」

奈々子「うん エアマットも ここまで来たかって感じでしょう?」

恵理「はい」

奈々子「あと これ これ 心電計」

恵理「えっ? ちっちゃい」

奈々子「これなら簡単なスクリーニングが 在宅でも できるでしょう?」

恵理「なるほど」

聡子「やっぱり いた 何か そんな気がしたのよね」

恵理「どうも ごぶさたしてます」

聡子「うん 元気にやってる? やってるわね その顔はね」

恵理「お陰さまで」

奈々子「元気すぎて 困ります」

恵理「すみません でも 技術の進歩はすごいんですね」

聡子「そうね」

奈々子「でも 使うのは人間だし 気持ちだよ 大事なのは」

恵理「はい」

聡子「あなたたち 現場の声が 技術の進歩させるよ あなたたちが『こういう機械があったら もっといい看護ができるのに』って そう思うことが 第一歩なの 分かるかな?」

恵理・奈々子「なるほど」

聡子「で… 何? 今度は 何があったの? ねえ ねえ 何? 何?」

恵理「いや 嫌 何もないですよ」

聡子「何もないの~? 何だ もう! 楽しみにしてたのに~」

恵理「えっ? すみません」

沖縄・小浜島

さてさて それから しばらくしてのこと

道中

恵理「容子さ~ん!」

容子「恵理ちゃ~ん!」

容子さん 柴田君 栞ちゃん一家は ついに 沖縄・小浜島に 引っ越してきたのでした ウェルカム 沖縄さ 容子さん 柴田君 栞ちゃん

柴田家

容子「みんな ありがとう」

柴田「ありがとうございます」

勝子「何 言ってるわけ? 容子さん いい家になりそうだね」

祥子「そうですね」

容子「そうかな 大丈夫かな これから」

ハナ「大丈夫さ おばぁが保証するよ」

容子「本当? それって すごい! うれしい」

恵理「おばぁが保証するなら 大丈夫ですよ」

ハナ「そうよ」

文也「そういえば 今日 お父さんは?」

勝子「置いてきた こういう時 男は使えないから」

文也「えっ?」

柴田「あの… どうもすみません」

勝子「いや いや そういう意味じゃないよ」

恵理「よかったね 文也君 柴田さん 来てくれて」

柴田「えっ…? 文也君… 似ている」

容子「はい これ 運んで!」

柴田「…はい」

市場

恵文「何で こうなるわけ?! まったく」

女「ちょっと文ちゃん 怠けたら 勝子さんに言うよ」

恵文「はい はい いらっしゃいね はい いらっしゃい!」

恵文「おお~っ! ウェルカムです! うちはね 美人割引があるからね いらっしゃい どんどん 安くしちゃうからさ!」

柴田家

ハナ・勝子「うん?」

恵理「どうしたわけ?」

勝子「まあ いいか」

ハナ「うん」

こはぐら壮

祥子「お店にするんですよね? あっ 民宿でしたっけ?」

容子「うん 今まだ 調理師の勉強中なんだけどね なんか 恵理ちゃんみたいでしょう?」

恵理「えっ?」

文也「だからよ」

恵理「うん?」

容子「ゆくゆくはさ 栞みたいに いろんなアレルギーを持ってる子が 安心して食べられるメニューとか 作りたいんだよね そういう宿にしてさ どんなアレルギーがあっても すぐ対応して食事できるみたいなさ そうするとさ 恵理ちゃんや文也君に いろいろ教わって できるしね」

恵理「はい」

祥子「すごい いいと思います」

勝子「すばらしいね 容子さん」

古波蔵家

恵文「ああ… つまらんね… 小浜は 楽しいんだはね…」

島袋「どうしました? 食べないんですか? おいしいですよ 勝子さんが作ってくれた料理は 食べないんだったら いただきましょうね」

恵文「食べるよ! おいしいのは 分かっているのに!」

島袋「おいしいですよ」

恵文「ああ つまらんね… 何か面白いこtは ないのかね?!」

恵尚「はいさ~い! 古波蔵恵尚のご帰還ぞ~!」

恵文「恵尚!」

恵尚「あきじぇ! これだけしかいないわけ?!」

恵文「みんな 小浜へ行ったさ」

恵尚「あ~っ…」

恵文「いや いや いや いや… よく帰ってきたね 恵尚 それ 何? それ」

恵尚「えっ? アッハッハッハ… いや いや いや それがさ… 俺 旅先で いろいろ考えたわけよ オヤジさん で 思ったわけ これからのビジネスチャンスは 日本だけでは ないのではないかと これからは もっと 世界に 目を向けるべきではないのかと そして 今 最も ビジネスチャンスを 秘めている国が 中国さ!」

恵文「中国?」

恵尚「そうさ! 今 まさに 新しく開発しようと しているのが こちら! ゴーヤーマン・チャイナ! どんなね?」

恵文「わ~っ! いや~ やったね やったね やったね やったね…」

恵尚「はあ~… 何か 盛り上がらないね 何でか…? 何か リアクションとれ お前も!」

島袋「落ちたんに ほら! あ~っ! もったいない おいしいのにやあ…」

恵尚「ごめんなさい」

恵尚「いいから いいから 恵尚 飲もうね 飲もうね 飲もうね…」

こはぐら壮

恵理「東京は どうしてますかね…」

容子「うん 大丈夫かな…」

柴田「大丈夫ですよ みんな いますから」

容子「うん…」

ハナ「たとえ 離れていても 心は つながっているさ」

勝子「うん」

ハナ「大丈夫よ 心のきずなは 相手を思いやる気持ちがあれば ずっと ずっと 切れないさ」

容子「そうか」

一風館

島田「大丈夫かね? 真理亜ちゃん」

真理亜「ああ… はい」

島田「そうか それは よかった」

北栄総合病院

奈々子「もしもし? …ああ 恵尚さん えっ そうなの? 今 那覇? そう 帰ってきたんだ 旅から おかえり え? いいよ いいよ こっち来なくて しばらく ゆっくりしてなさい こっちは それどころじゃないの 帰ってきても面倒見てられないし 私がいいって言うまで そこでステイ! 分かった? ステイよ ステイ じゃあね」

古波蔵家

恵尚「『ステイ』って… ク~ン… ク~ン」

一風館
グアテマラ

真理亜「よし」

奈々子「ただいま!」

真理亜「ああ… お… おかえりなさい」

奈々子「大丈夫?」

真理亜「うん? 何が?」

奈々子「いいの いいの… 分かってる 分かってる 分かってる 心配しないで」

真理亜「いや いや 分かってないと思う」

奈々子「いいって! 容子さんに頼まれてるから 私 じゃ また後で 様子 見にくるからね チャオ!」

真理亜「えっ?! 様子 見にくるって?! ちょっと! え~っ? わっ! 管理人さんまで?」

みづえ「大丈夫? 真理亜ちゃん」

真理亜「大丈夫じゃないわよ これじゃ」

みづえ「えっ どうしたの? 言ってごらんなさい 私に」

真理亜「あっ… ハハハ…そうじゃなくてね…」

ゆがふ

真理亜「(ため息)」

兼城「真理亜ちゃん 大…」

真理亜「大丈夫かって聞いたら 帰るわよ」

兼城「いや… だ… 大… 大好き?」

真理亜「はっ? バカじゃないの?! 酒!」

兼城「あ… はい」

真理亜「まったく 何なのよ 一体」

静子「こんばんは あら 真理亜ちゃん 大丈夫?」

大丈夫かね 真理亜さんは

そして 月日は ほんのちょっとだけ流れたのでした 忙しいよ 2回しかないからね ちゃんと おばぁに ついておいでよ

某所

和也「柴田…」

柴田「はい」

和也「…さん」

柴田「はい」

和也「来て よかったさ 小浜に」

柴田「はい よかったです」

柴田家

女1「容子さん こんにちは!」

容子「どうも!」

男1「どうも! こんにちは」

女2「こんにちは」

男2「容子さん また飲もうね!」

容子「OK いつでも誘って いってきます」

小浜は 何だか 楽しそうさ

古波蔵家

那覇の古波蔵家は 相変わらずというか 何というか

勝子「まったくね…」

ハナ「まったくであるよね…」

一風館

静子「そうよ それでね どうしたかっていうとね」

(着信音)

奈々子「まだ オチ 言わないで すみません ちょっと… もしもし?」 …えっ『ステイのまま』? あっ ごめん! 忘れてた 今さ 一風館は 女の園になっちゃって 楽しいの だから 今 帰ってくるのは 無理っていうか いいや いらない だから 引き続き ステイ 分かった? おばぁや お母さんに 迷惑かけるんじゃないわよ じゃあね」

奈々子「ごめんなさい それで それで?」

静子「えっ? それでね…」

島田「あの… ごめん その前に ひと言 僕 これでも 男性なんだよ」

奈々子「あっ…!」

みづえ「あら そうだったわね」

島田「『そうだったわね』って… じゃあ まあ どうぞ オチを」

静子「はい それでね」

奈々子「うん」

一同「え~っ!」

一風館も 楽しそうさね

古波蔵家

恵尚「何で 俺だけ 楽しくないわけ?」

恵文「まだ ステイかね? 恵尚」

恵尚「ウ~ン」

勝子「何ね? それは」

恵尚「オヤジさん! こうなったら もう 街にでも繰り出して パ~ッと飲もう! きれいな おねえちゃんのいるお店で」

恵文「いいね いいね 行こうかね 恵尚」

勝子「(せきばらい)」

ハナ「恵尚」

恵尚「何ね? おばぁ」

ハナ「ハウス!」

恵尚「ワオ~ン…」

まあ そんな感じの日々でございました

こはぐら壮

文也「どうした? 恵理」

恵理「うん 真理亜さん 大丈夫かね?」

文也「はっ? 何で?」

恵理「夢見たさ 真理亜さんの 何か 寂しそうでさ…」

文也「はあ…」

恵理「何か 気になるな…」

道中

回想

真理亜「寂しいわよ! 大好きよ あんたたちのことが! 1人じゃ 寂しくて どうしていいか 分かんないわよ」

恵文「おばぁが いつか言っていたさ『恵理は太陽みたいな子だね』って 太陽のように 明るくて いつでも 空を見れば 元気になれる 弱ってる人には 必要なんだよ 太陽の光が」

回想終了

恵理「よしっ!」

漁港

恵理「ちょっとまって! 待って~! その船 待って~!」

男「おい まて~!」

恵理「待って~!」

男「お~い!」

恵理「ちょっと待って~!」

ゆがふ

真理亜「おっ!」

兼城「ああ 真理亜ちゃん ちょっと待ってね」

真理亜「ああ いいから いいから 自分で適当にやるし そっち やって めったに ないんだから 忙しいことなんて」

兼城「じゃ ごめん ありがとう」

恵理「真理亜さん」

真理亜「えっ…? あっ…!」

恵理「真理亜さん… 大丈夫だよ」

真理亜「えっ…?」

恵理「大丈夫 離れていても… 私たちの心のきずなは 切れたりしないさ 絶対 寂しくて SOSしてくれたんですよね 私には ちゃんと分かりますから 分かるんです」

聡子「わっ…!」

真理亜「あっ」

恵理「ああ」

聡子「ああ… ハハ…」

恵理・真理亜「えっ?」

真理亜「あっ!」

恵理「あっ!」

兼城「あれ 恵理ちゃん! どうしたの?」

恵理「あっ どうも」

兼城「驚いたさ~ ちょっと待って」

恵理「あっ いいです いいです 大丈夫です 2人でやりますから」

兼城「悪いね」

恵理「いえ 悪くないです じゃ 乾杯 あ~! あっ!」

漁港

文也「すみませんでした」

文也「まったく 想像を超えてるよね お母さんのする行動は 本当に…」

和也「疲れるね 本当に」

文也「うん」

和也「でも 面白くて いいね」

文也「えっ? … そうだな」

和也「うん 頑張ってよ お父さん」

文也「はい えっ? こら 生意気いうな…」

ゆがふ

兼城「いらっしゃい」

編集者「城之内先生 ここにいましたか いや あの 例の『ゆんたく三姉妹』あれが 大友賞の候補になったんですよ」

恵理「えっ?!」

真理亜「あっ そう」

編集者「『あっ そう』って… おめでとうございます」

恵理「すごい賞なんですか?」

編集者「それは もう この賞取ったら 作家としては 一人前という そういう賞ですよ」

恵理「へえ~」

真理亜「ああ 私が一人前じゃないって言うわけ?」

恵理「あっ そうですよ~ なんてこと 言うんですか」

編集者「いや あの それは… そういう意味じゃなくてですね…」

真理亜「それに 何が『おめでとう』よ?! まだ 候補でしょうが 候補!」

編集者「いや それはまあ そうなんですけども… え~… それでですね あの 発表が 明日の夜になるんですが…」

恵理「明日?!」

編集者「はい それで あのですね 恒例といいますか 我々 編集者と マスコミ各社が 先生と一緒に 発表を 待たせていただきたいなと思いまして 受賞の場合は その後 記者会見なんかもございまして はい」

恵理「記者会見!」

編集者「それでですね 場所なんですけど… 待つ場所でございますがね 何なら こちらで設定しますが…」

真理亜「断る」

編集者「はい?」

真理亜「嫌なこった うちにいるけど 来ても入れないよ」

編集者「えっ? そんな~」

真理亜「嫌だ 絶対お断り 電話だけくれればいい」

編集者「そうですか… はい 失礼いたしました」

真理亜「ちょっと」

編集者「えっ? はい?!」

真理亜「まあ… 一杯 飲んでけ」

編集者「えっ?」

兼城「どうぞ」

編集者「あっ… ありがとうございます!」

恵理「…であるよ 飲んでいきなさい」

編集者「ああ… はい… ああ… ありがとうございます 先生も おひとつ ちょっとだけ カチンと …ああ! ありがとうございます」

柴田家

容子「おはよう!」

子供たち「おはようございます」

(着信音)

容子「もしもし? あっ 恵理ちゃん 東京 行ったんだって? うん …えっ? えっ?」

古波蔵家

勝子「あげっ…」

恵文「うん?」

勝子「1人分しかないさ 東京へ行くお金」

恵尚「えっ?!ってことは…」

勝子「おばぁだね」

恵文「…であるね」

ハナ「…だね いえい!」

祥子「おばぁ 支度 手伝います」

ハナ「うん ありがとうね」

道中

柴田「容子さん! バッグ!」

容子「うわっ ごめ~ん!」

柴田「っていうか 容子さん 最近 転ばなくなりましたね」

容子「えっ? ああ そうだねぇ! あれだね やっと 地に足がついてきたのかな」

柴田「はい~!」

容子「じゃ 行ってくるね 栞 よろしくね~!」

柴田「はい 気をつけて~! いや だから 容子さん バッグ! バッグ持ってかないと!」

一風館
グアテマラ

真理亜「はあ~… 幻覚まで見ちゃって… そんなに寂しいのか 私は ハハ~ン…」

容子「本物だよ」

真理亜「え~っ?」

恵理「あっ 起きました?」

真理亜「な… なな… 何で…?」

容子「『何で』じゃないさ 水くさいじゃないの! 今日は 何とか賞の発表なんでしょ? あんた どうして 私を呼ばないのよ? てれ屋さんなんだから 本当に 怒るよ?」

真理亜「えっ…?」

恵理「そのとおりですよ」

真理亜「何 言ってるのよ だって… だって 受賞するかどうか 分かんないしさ… …ていうか 落ちる可能性の方が高いしさ」

恵理「何 言ってるんですか~」

容子「そうだよ!」

恵理「私たちは そりゃもちろん 真理亜さんが受賞したら うれしいですよ でも どちらかといえば 落ちた時のためにいるんですよ ここに」

容子「そう」

真理亜「えっ? 何で?」

恵理「落ちた時の方が そばにいて ほしいじゃないですか 大切な人に そうでしょ? …ですよね? 容子さん」

容子「そのとおりさ」

恵理「下 行きますよ ほら みんな 準備してるんですから」

容子「さあ 行くよ!」

真理亜「ちょっと待って『準備』?」

容子「ほら!」

真理亜「えっ? ちょっと!」

サロン

静子「あら 真理亜ちゃん 起きた?」

奈々子「待ってたよ~ん」

真理亜「あっ おばぁ!」

ハナ「はい! 真理亜さん お久しぶりだね」

みづえ「今日はね あなたの好きなイタリア料理なのよ」

島田「すばらしいね」

静子「すごいぞ~ おいしいぞ これは 真理亜ちゃん!」

真理亜「え… いや でも 管理人さん あのね どちらかっていったら 落ちる可能性の方が…」

奈々子「えっ そうなの?」

みづえ「それならそれで いいじゃないの 残念会で」

真理亜「え~っ?!」

ハナ「…であるよね」

奈々子「そっか そっか~!」

静子「そうだよね いいよね 別にね 落ちたら 落ちたでね」

真理亜「あ~ いやでも まだ 落ちるって決まったわけじゃ…」

容子「ああ 自信あるんだ?」

真理亜「そうじゃないわよ そうじゃないけど…」

恵理「え~? ウフフ…」

真理亜「何が おかしいのよ?!」

恵理「ああ いえ いえ… 電話 まだですかね~」

ゆがふ

多恵子「どうしたの? 店長」

兼城「あ~ いらいらして …もう たまらん 多恵子ちゃん あの… 店 しばらく頼んどいていいかね? 今日はさ この飲み物… 酒 全部 飲んどいていいから 頼むね ね!」

多恵子「どこ行くの? 店長」

兼城「ああ ちょっと…」

多恵子「店長!」

多恵子「これ 全部ね?」

れいな「飲めるかね? こんなに」

りな「いけるはらに」

あき「飲んどきますか」

一同「…であるね! 飲もう飲もう~!」

一風館

恵理「あっ 店長!」

兼城「どうね?!」

容子「まだ」

兼城「まだ… あ そうか 真理亜ちゃん これ… いいお酒」

真理亜「ああ どうも…」

容子「店長も飲んで待っていようよね」

静子「お店 いいの?」

兼城「預けてきた」

静子「そう よかった」

こはぐら壮

文也「連絡… ないですね」

柴田「ないですね…」

古波蔵家

恵文「遅いねぇ!」

勝子「どんなだったのかね」

恵尚「大丈夫 大丈夫さ」

恵文「あっ ほら! ちょっと みんな こっち こっち来て! ほれ! これ!」

恵尚「あ… ああ!」

島袋「電話を待ってるんですか?」

恵尚「そうさ 正一」

島袋「なるほど それで 皆さん いらいらしている?」

恵尚「だから そうさ!」

島袋「なるほど」

一風館

(呼び出し音)

恵理「来た!」

容子「早く出なさい」

静子「真理亜ちゃん 早く!」

奈々子「切れちゃうよ!」

真理亜「もしもし」

島袋☎『どうも! 島袋です」

真理亜「はあ?」

古波蔵家

島袋「どんなですかね? あれ 切れたね …まだみたいですよ 何で切れたかね?」

一風館

(一同のため息)

ハナ「間が悪いというか 何というか… はあ…」

恵理「まだですかねぇ…」

(呼び出し音)

真理亜「また 島袋君だったりして」

奈々子「あっ! うちのだったら ごめん」

真理亜「アハハ… もしもし あ… はい はい 私です はい 分かりました はい どうも」

恵理「真理亜さん…?」

容子「どうした?」

静子「どうだった?」

真理亜「駄目だった」

容子「あら…」

真理亜「アハハ… だから 言ったじゃん もう! す… すみません がっかりさせて」

ハナ「よかったさ」

恵理「えっ おばぁ?『よかった』って 何が?」

ハナ「『何が』って 今回 駄目だったということは 来年また チャンスがあるということでしょう?」

真理亜「い… いや… うん まあ」

ハナ「だったら よかったさ 来年 また こうして 集まられるさ!」

真理亜「えっ?」

恵理「ああ~!」

静子「なるほど~!」

容子「そうだね~ そうだよね~! あんた 毎年 落ち続けなさい」

真理亜「はあ?」

恵理「そうですね! あっ 来年は もうちょっと早めに教えてくださいね 来れない人も いましたから」

ハナ「…であるね」

恵理「その人たちのためにも 今年は 駄目でよかったさ~ ね!」

容子「…であるね よかった よかった!」

奈々子「そうだよさ」

恵理「よかったさ~!」

古波蔵家

勝子「そう 残念だったね 真理亜ちゃん」

真理亜☎『ほんと すみません お騒がせしまして』

恵文「あっ… よかったさ~ 真理亜ちゃん」

真理亜☎『はあ?』

恵文「来年こそは みんな 全員 集まれるでしょう? その方が いいよ 神様が 来年にしてくれたわけよ そう考えれば いいわけさ」

一風館

真理亜「ありがとうございます」

古波蔵家

恵文「今 いいこと 言ったでしょう? さすが恵文さんだなって 思ったでしょう? 真理亜ちゃん 分かるさ 言わなくてもいいさ ハッハッハ」

勝子「それを 言わなければね」

祥子「ですよね~」

恵尚「だからよ」

恵文「えっ 何?『今 おばぁが 同じことを言ってた』? まあ いいよね じゃ 電話は このままでね 来年の前祝いということで いくぞ~ 恵尚!」

恵尚「はいよっ! オヤジさん!」

恵文「そりゃ!」

一風館

恵理「それでは 真理亜さんの落選を祝して 乾杯!」

一同「乾杯!」

真理亜「ちょっと… ちょっと 何なのよ あんたたち! はあ?!」

こはぐら壮

文也「僕ら… ひょっとして 忘れられてますよね 間違いなく…」

柴田「…ですね」

文也「…ですよね 柴田さん…」

柴田「はい」

文也「頑張りましょうね」

柴田「はい 頑張りましょう …ですね」

一風館

容子「来年のパーティは 小浜島だね」

恵理「いいですね~ それ」

みづえ「いつだったかしらね? この前は」

島田「あれはねえ 確か 6年ぐらい前じゃないか? 行ったのは」

静子「でもね ちょっと待って 問題は 新作よね 何を書くか」

奈々子「私 出てないもん 私 書いてほしいな」

静子「やっぱり 今度はさ… 前は三人姉妹でしょ? 今度は 独身の」

真理亜「みんな! ありがとう あり…」

容子「ウソぉ…」

恵理「真理亜さん… 真理亜さん 大丈夫ですか? これ」

真理亜「べ~!」

(一同の驚き)

真理亜「フフン 泣かないわよ フン! ヘヘン アウ~だ!」

容子「あんた 本当に てれ屋さんだね」

真理亜「フン!」

恵理「あっ!」

容子「えっ?」

恵理「似ている ウソでした~!」

真理亜「ちょっと! 何なのよ もう! 今 せっかく 私が主役で 話が終わるところだったのにさ~!」

恵理「いえいえ そういうわけには いきませんよ だまされました? だまされました?」

いや 楽しい夜だったねぇ …ということで お話は終わりさ

和也の木

恵理「文也君」

文也「うん?」

恵理「私 決めた 私の目標」

文也「えっ? 何?」

恵理「あいつ 太陽さ」

文也「はあ?」

恵理「だって 太陽は みんなに力を与えることができる 温かくすることが できるでしょう? 小浜も 那覇も 東京も それに 世界中も だから 私の目標は 太陽なわけ」

文也「大きく出たね そりゃ また」

恵理「太陽…『てぃだ』が 私の目標さ 頑張るぞ~!」

皆さん たとえ 離れていても なかなか 会えなくても ちゅらさんは 皆さんの心の中で ずっと ずっと生き続けていくからね いつでも おばぁは そばにいるからよ

恵理「また 会おうね~!」

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