夕方
回想
鉄男「なんで音楽辞めた?俺が弟食わせるために働かなきゃなんねー、詩なんか書いてらんねーって言ったら、お前言ったよな?」
裕一「しがみつけば必ず道は開くって、大将!詩人になれるよ!」
鉄男「あれ、ウソか?」
鉄男「俺が詩を書き、お前が曲を作る、その歌がレコードになり、みんなが聞く」
鉄男「そんな夢を描いていたけど、それもまた夢だな」
回想終了
突然職場の方からハーモニカの音が聞こえる
松坂「僕ら古山君のこと元気づけたくて、元々そんなに元気じゃねーけど、今の君は君じゃない。君と音楽の間に何があったのかわかんねーけど、好きなんだろ?音楽」
落合「お友達からもお願いされた」
鈴木「国際作曲コンクール応募してみたら?」
菊池「いつまでもウジウジしてたら、あの志津っていういけ好かねー女の思う壺だよ」
何故かポーズを取る4人、仕事暇なんだろうな
そして笑う裕一
落合「お、笑ったか?1年ぶりに笑ったか」
鈴木「よかった!心配したんだぞ本当に」
松坂「あっ晶子さん、泣いてる」
菊池「だってだって」
落合「古山君、古山君の仕事は俺達がやっから挑戦してみ?」
鈴木「古山君なら出来る!」
菊池「良がった、本当に良がった」
落合「古山君、女性の涙高けーど」
鈴木「でも、晶子さんのだから」
落合「そうだな、失敬失敬」
菊池「失敬ってなんですか?」
裕一の部屋
こうして裕一は再び作曲することにしたのです
裕一「綺麗だー」
音楽から離れたブランクは長過ぎました・・・
一方、豊橋に住む音は歌手になる夢を叶えるため海外から帰国した歌の先生を訪ねていました
御手洗「マーベラス、ファンタスティック。あなたね見込みがあるわ。私の教室に通いなさい1流の歌い手にしてあげる」
音「先生」
御手洗「先生は辞めて、堅苦しいの嫌いなの。私とあなたはフレンズよ」
音「御手洗さー」
御手洗「シャラップ!敬語は使いなさい」
音「さっきフレンズだって…」
御手洗「親しき中にも礼儀ありよ」
音「呼び方は先生が決めて」
御手洗「だから、先生は辞めて」
音「そんなに?何か昔あったんですか?」
御手洗「あったの。ただ、長くなるから追々ね。そうねミュージックティーチャーと呼びなさい」
音「ミュージックチーチャー?」
御手洗「違う、てぃ、わかる?てぃ」
音「てぃ、てぃ」
御手洗「そう、あなたセンスがいいわ。将来が楽しみ」
音「あの、先生」
御手洗「だから先生は辞めなさいって」
音「ミュージックティーチャー、時間勿体ないのでお稽古お願いします」
御手洗「そうね、取り乱して恥ずかしいわ、では今日は歌い出しのレッスンよ」
音「はい」
関内家
音「ただいま」
そんなある日のこと
吟「音、遅いじゃん!こっち来て!ほら早く!」
音「なに?」
吟「座って!」
吟「お願い、見合いして!」
音「これと?!」