2020年6月2日放送の【 連続テレビ小説「エール」】47話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2020年6月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
木枯(野田洋次郎)が自身のヒット曲「酒は涙か溜息か」を作詞した高梨一太郎(ノゾエ征爾)を裕一(窪田正孝)に紹介するために連れてくる。高梨は裕一の「福島行進曲」を聞いて、自分の詞の「船頭可愛いや」に曲をつけてほしいと頼みに来たのだ。一方、音(二階堂ふみ)は記念公演に向けて稽古に励むが、なかなかうまくいかない。居残りでひとり練習をしていると、環(柴咲コウ)が現れコツをアドバイスして音を励ます。
47話ネタバレ
エール (47)「響きあう夢」
カフェー パピヨン
裕一「失礼します。」
高梨「早速ですが 古山さん。」
裕一「あっ はい。」
高梨「私の詞に曲をつけてもらえませんか?」
裕一「えっ… ぼ ぼ… えっ 僕がですか?」
高梨「最初は木枯君に 頼むつもりだったんだけど ほら この間 発売した『福島行進曲』 すごくいい曲じゃないですか!」
高梨「それで 木枯君に聞いたら あれを作曲したのは 海外での受賞歴もある天才だって 教えてもらいましてね。」
裕一「いや そんな…。 」
高梨「『紺碧の空』も書かれたそうですね! いや~ すごい方がいたもんです。 どうですか? やって頂けませんか?」
裕一「いや… えっ… いや うれしいですけど あの…。」
木枯「俺のことは気にしなくていい。 俺だって 高梨先生と君が作った曲を聴いてみたいんだよ。」
裕一「ほ… 本当?」
木枯「うん。」
裕一「あっ…。 じゃ… じゃあ 是非 お願いします!」
高梨「よかった~! …で 実は もう書いてきちゃいまして。」
裕一「ああ!」
高梨「こちらになります。」
裕一「失礼します。 『船頭可愛いや』。」
裕一「ああ…。」
古山家
音「お疲れ様。」
裕一「うん。」
音「一息 入れたら?」
裕一「ありがとう。」
音「どう? 進んどる?」
裕一「うん… もう少しかな?」
音「『船頭可愛いや』。」
裕一「うん… 本当にいい歌詞なんだよ。 さすが高梨先生。 せっかく 木枯君が つないでくれた縁だし 頑張らないと。」
音「うん! 楽しみにしとる。」
裕一「うん… 音は? 稽古 どう?」
音「う~ん… 難しい。 正確に歌うことと 表現することって 両立させるの なかなか大変。」
裕一「う~ん… どっちかに気を取られっと どっちかが おろそかになる。」
音「そう! どうすればいいんだろう?」
裕一「う~ん 技術に関しては 意識しなくても 自然にできるようになるまで 繰り返し努力するしかないかもね。」
音「う~ん… そうね。」
裕一「音 頑張って。」
音「そうね… そうだよね。 うん。 裕一さんもね!」
裕一「うん!」
音「うん。」
音楽学校
黒崎「その姿勢でも ちゃんと歌えなきゃ駄目だろ。」
音「すいません。」
黒崎「ヴィオレッタは病気だけど…。」
井上「全然 先に進まないな。」
豊子「やっぱり 古山さんには荷が重かったのかも。」
西田「本来なら ヴィオレッタは千鶴子さんだもんな。」
黒崎「弱さの中にも 力強さが欲しいんだよ。 その気になって歌が乱れるようじゃ オペラじゃない。 もう1回!」
久志「大丈夫。 落ち着いていこう。」
自主練中の音
音「あっ… う~ん どうして うまくいかないんだろう。」
環「息を吸うタイミングが そもそも違うのよ。」
音「環先生!」
環「え~… ここ このタイミングで。」
音「はい。」
環「あとは… ここの高温は つむじを意識して。」
音「つむじ…。」
環「天井から引っ張られる感じで。 同時に 喉を開いて。」
音「『ラ~』
環「そう! それ。」
音「はい。 つむじ… つむじ…。」
環「ねえ ちょっと来て。」
音「はい。」
環「私が パリで『椿姫』をやった時のレコード よかったら参考にして。」
音「ありがとうございます。」
環「日本では発売してないの 悲しいことに。」
音「そんな貴重なもの いいんですか?」
環「どうぞ。 お役に立てばいいけど。」
音「ありがとうございます。」
環「本場の舞台を直接見るのが 1番勉強になるんだけどね。 できれば海外で。」
音「本場のオペラ… 見てみたいな。 本当は 夫の留学に ついていきたかったんですけど 留学自体がなくなってしまって。」
環「確か ご主人は 国際作曲コンクールで賞を取られたとか。」
音「はい。 今はコロンブスレコードの 赤レーベルで専属作曲家をしています。」
環「へえ~。」
音「環先生は流行歌なんて お聴きにならないですよね?」
環「そんなことないわ。 いい音楽なら何でも好きよ。 子どもの頃は長唄を歌っていたし。」
音「えっ そうなんですか? 意外。」
環「ご主人は どんな曲を出されているの?」
音「それが まだ1枚しか出せてなくて。 実力は確かなので あとは きっかけさえ あればと思ってるんですけど。」
環「そうね… きっかけは大事。 あなたは それをつかんだんだから 無駄にしないようにね。」
音「はい!」
コロンブスレコード
廿日市「船頭可愛いや』。」
裕一「はい!
廿日市「何? これ 作詞 高梨一太郎なの!?」
裕一「あっ はい」
廿日市「採用。」
裕一「えっ?」
杉山「すばらしいと思います。」
裕一「は… はあ。」
廿日市「今さ 芸者に歌わせるの はやってるじゃない? これも芸者でいこう。」
裕一「芸者さん?」
廿日市「いいなと思う人 こっちで探しとくから。」
裕一「お… お願いします。 はい。」
杉山「録音の日程など決まりましたら また ご連絡いたします。」
裕一「はい。」
廿日市「古山君。」
裕一「はい。」
廿日市「これ 最後のチャンスだから。」
裕一「うん?」
廿日市「もし売れなかったら 君もう要らないから。」
裕一「えっ?」
廿日市「契約金も返済してね 一括で。」
裕一「一括… 一括? 一括!? ちっと… ちっと待って下さい!」
廿日市「待ったから。 待ちくたびれたから。 この2年間 君 全く利益上げてないの。 『仏の顔もなんとやら』だよ。」
杉山「『3度まで』です。」
裕一「わ わ… 分かりました。 はい はい。」
廿日市「今度は脅しじゃねえぞ。 本気だからな。」
裕一「運命… 運命~!」
おでん屋
裕一「はあ~…。」
久志「どうして ため息なんかつくんだよ。 採用されたんだろ?」
裕一「うん…。」
久志「めでたいことだろう。」
裕一「もし売れなかったら 今度こそ 本当におしまいなんだよ。」
久志「だから 何で 売れなかった時のこと考えてんだ。 それよりも売れた時の幸せを 想像してみたらどうだい?」
裕一「本当に君は前向きだね~ 羨ましいな。」
久志「お褒めの言葉 ありがとう。 鉄男君だって 上京して早々に仕事決まったみたいだし。 何事も気の持ちよう。」
裕一「何の仕事なの?」
久志「飲食業って言ってた。」
裕一「ふ~ん。」
久志「この辺のはずなんだが…・」
裕一「あれ? 前 ここ来たことあんな。」
鉄男「はい…。」
久志「うん? えっ?」
裕一「あれ?」
久志「あっ!」
裕一「えっ!? た… 大将?」
久志「えっ?」
裕一「前髪が変わってる?」
久志「ああ 鉄男?」
裕一「あっ… 爽やかになってる!」
久志「鉄男!」
鉄男「早く来いよ。」
久志「まさか 鉄男君が おでん屋とはね。」
裕一「うん。」
鉄男「おやっさんが故郷に帰ることになって この屋台を 誰かに譲りたかったんだってよ。」
裕一「おでんってさ そんなに簡単に仕込めるもんなの?」
鉄男「まっ 基本 煮込むだけだ。」
裕一「ざっくりだね~。」
鉄男「好きな時 詩も書けるし 時間の融通もきくから。」
裕一「詩の売り込みにも行ける?」
鉄男「うん。」
久志「おまけに酒も飲み放題。」
鉄男「おい! 金はもらうからな。 こっちも生活懸ってんだ。」
久志「分かった。 じゃあ 乾杯しよう。」
裕一「うん。」
久志「鉄男君の再出発と…。」
裕一「よっ!」
久志「裕一のレコード発売 第2弾を祝って…。」
裕一「ありがとう。」
久志「乾杯!」
鉄男「また出すのか?」
裕一「うん? うん… なんとか。」
久志「じゃあ…。」
鉄男「どんな曲なんだ!?」
裕一「えっ… 『船頭可愛いや』って曲。 高梨一太郎さんの詞で 芸者さんに歌ってもらうことになった。」
2人「芸者!?」
裕一「何?」
久志「どこの芸者だ? 向島か?」
裕一「向島?」
久志「新橋か?」
裕一「知らないよ。」
鉄男「裕一は もう会ったのか?」
裕一「会ってないよ!」
久志「まさか赤坂!?」
裕一「赤坂?」
久志「あの伝説の萬龍を生んだ… 赤坂なのか?」
裕一「ど… どこ見てんの? か… 乾杯しようよ!!」
久志「あ~ そうだな。 よし じゃあ 2人の成功に。」
裕一「ありがとう!」
久志「乾杯。」
裕一「乾杯!」
鉄男「乾杯!」
裕一「乾杯!」
コロンブスレコード
そして レコーディング当日。
裕一「あっ どうも。 え~ 作曲しました古山です。 今日は よろしくお願いします。」
一同「よろしくお願いします。」
裕一「えっ? ちょ… えっ?」
裕一「あっ どうも。 な… 何でいんの!?」
久志「取材だよ。 流行歌の意味について 知っておきたいからね。」
裕一「いや…。」
鉄男「ああ 何事も勉強だ。」
裕一「べ… 勉強? 今日 大事な日だから… ちょっと…。」
鉄男「すげえ いい…。」
裕一「いい歌なんだけどさ 仕事…。」
杉山「歌い手さん いらっしゃいました。」
藤丸「どうも 沼田松子です。 …じゃなかった。」
杉山「藤丸さんです。」
藤丸「藤丸です。 よろしく どうぞ。」
裕一「あっ 作曲の古山です。 よろしくお願いします。」
藤丸「よろしくお願いします。」
廿日市「お疲れ~。 あ~ 松子さん よろしくね。」
藤丸「よろしくお願いしま~す。」
廿日市「今日 お店は? 大丈夫なの?」
藤丸「はい 弟に店番 頼みましたんで。」
久志「弟?」
鉄男「店番?」
廿日市「じゃあ 準備しようか。」
藤丸「はい。」
杉山「ご案内します。」
藤丸「はい。」
裕一「廿日市さん あの 藤丸さんって芸者さんですよね?」
廿日市「いや 下駄屋の娘。」
裕一「げ げ… 下駄屋!?」
廿日市「本当の芸者さんはお金が高くてさ~。 どうせ 顔見えないんだし いいでしょ? 芸者ってことで。」
裕一「よくないですよ!」
鉄男「あんた 本当 失礼な男だな!」
廿日市「何だ? 何でトランプ君がいるんだ?」
裕一「いや あの…。」
鉄男「あんまし 人なめてっと そのうち痛い目 見っぞ。」
久志「そうだよ! 本物の芸者 連れてこいよ。」
廿日市「誰だ この ひらひらシャツ。」
裕一「あの… 同級生の佐藤久志君といって…。」
廿日市「何で 人の仕事場で旧交あっためてんのよ。」
裕一「いや 僕も来るなんて 知らなかったんですよ!」
鉄男「友達 裏切んのか?」
裕一「裏切ってないよ!」
久志「芸者見れるから わざわざ来たんだよ。」
廿日市「頼んでないし。 ほら やるぞ。 指揮して。」
裕一「えっ? いや…。」
廿日市「早く。」
鉄男「待て!」
廿日市「だから 本物は高いっつってんだろ。」
鉄男「違う! 『下駄屋の娘でいいか』って それ 何だよ 下駄屋さん バカにしてんのか
!」
久志「そっち?」
小田「ねえ どうすんのよ? やんの? やらないの?」
杉山「歌を聴いてから判断したらどうですか?」
裕一「廿日市さん 本当に 僕 この曲だけは こけられないので あの… どうか もし駄目だったら あの… 本当に駄目だったら 替えてもらっても…。」
藤丸「♬『夢もぬれましょ 潮風夜風』」
裕一「えっ? すごいよね!?」
鉄男「すげえ…。」
久志「うん!」
藤丸「♬『船頭可愛いや エー』」
下駄屋の娘の歌声は 想像を超えるうまさでした… が。
廿日市「いけなかったか~。」
廿日市「これ どっか やっといて。」
スタッフ「はい。」
古山家
裕一「まずい! 本気で… 本気でまずい!」
コロンブスレコード
廿日市「あいつとの契約は終わり。 借金も全部返してもらう。」
古山家
裕一「うっ… あっ…。」
こうして 裕一… いえ 古山家は 上京以来 最大の危機を迎えたのです。
裕一「ああ~!」
今回の物語はラスト1分の下駄屋の娘さんの歌で全て持っていきましたねw