2020年6月18日放送の【 連続テレビ小説「エール」】59話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2020年7月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
日本人初の世界的なオペラ歌手となる双浦環(柴咲コウ)がまだ駆け出しだったころの物語。環は、スカラ座やオペラ座の舞台に立つことを夢みて、パリに留学に来ていた。ホームパーティーで、画家を目指す今村嗣人(金子ノブアキ)と出会い恋に落ちる。環は歌手を、嗣人は画家を夢みる日々。ある日、友人の里子(近衛はな)から日本人が世界的舞台に立てる最大のチャンスのオペラ「蝶々夫人」の話を聞いた環は…。
59話ネタバレ
エール (59)「環のパリの物語」
音「夢も子どもも 夫婦2人で育てていきます。 彼がいてくれたから 選べた道です。 お世話になりました。」
20年前 パリ 春
里子の友人「里子!」
里子「あ~ ボンソワール。」
一枚の絵に視線を止める環
嗣人「どう思う?」
環「あっ… はい。 あの すばらしいと思います。」
嗣人「そう?」
環「はい。」
嗣人「この絵を描いた人… どんな人だと思う?」
環「う~ん… 分かりません。」
嗣人「うそ。 今 心に浮かんだこと言って。」
環「中途半端… とも。」
嗣人「アハハ… うん。 同感だ。 名前は?」
環「双浦 環です。」
嗣人「フランスへは?」
環「オペラ歌手になるため 2ヵ月前にきました。」
嗣人「そっか。 僕は このアパートの住人。 今村嗣人 中途半端な画家を目指す男です。 アハハハ…。」
環「ごめんなさい!」
里子「あっ もう自己紹介しちゃった?」
嗣人「うん。 では またね。」
里子「彼 すごいんだよ。 サロン・ドートンヌ展で 賞を取った天才画家。 今 最も期待される男よ。 しかも 男前で 家は大金持ち。 どうしたの?」
環「中途半端な絵だって言っちゃった。」
里子「えっ? 気にしてないみたいよ。」
カフェ
嗣人「やあ。」
環「あっ… 先日は すみません!」
話し込む2人
嗣人「初めてつかんだ役は何だったの?」
環「何だと思う?」
嗣人「何?」
環「枯れ木の役だったの。」
嗣人「枯れ木?」
環「そう。」
環「占い?」
嗣人「すごいよ。」
環「えっ 何?」
嗣人「君は 今年 運命の人に出会う。」
環「私は ただ オペラが好きだから。」
嗣人「本当に そう? 君も 僕と同じはずだ。 世界を目指してるんだろ?」
環「私は スカラ座やオペラ座の 舞台に立ちたい。」
嗣人「一緒に行こう。」
フィリップ「そして恋は始まったか… 若いっていいな」
パリ 夏
嗣人「王女様。」
環「うん?」
嗣人「朝食の用意ができました。」
環「フフフ こちらへ持ってまいれ。」
嗣人「ハハハ… お嬢様 わがままがすぎますぞ!」
環「アハハハハハ! やめて。」
嗣人「ちょっと待って…」
環「今日の予定は?」
嗣人「僕の絵を気に入ってくれた 画商が現れたんだ。 話を聞いてくる。」
環「え~ すごいじゃない!」
嗣人「個展 開けるかもしれない。」
環「わ~ すごい! すごいわよ!」
嗣人「君の予定は?」
環「う~ん いつもどおり。 学校行って 発声練習。 来て半年 す~っとよ。 飽きてきた。」
嗣人「基本は大事だから。 頑張って。」
環「うん。」
カフェ
環「ん~!」
里子「ねっ? 初めて食べた時は 衝撃のおいしさでしょ。」
環「何ていうお菓子なの?」
里子「タルトタタン。」
環「ふ~ん かわいい名前。」
里子「知ってる? このお菓子って 失敗から生まれたの。 タタンっていうホテルを経営してた姉妹が りんごタルト作るのに 生地を敷かずに りんごだけ焼いちゃったの。」
環「あら。」
里子「でも もったいないから お姉さんが上から『えいやっ!』って タルト生地をのせて 焼いちゃったんだって。」
里子「…で 焼きあがったものを 諦め半分で ひっくり返してみると とっても香ばしくて おいしそうな お菓子になってて…。」
環「う~ん おいしい!」
里子「ホテルの看板お菓子になって 今では フランスを代表するお菓子ってわけ。」
環「失敗も無駄ではないってことか。 そう思いたいけど…。」
フィリップ「おかわりは?」
環「ください」
里子「自信なくなった? ずっと海外生活をしてきた 外交官の娘として はっきり言うわ。」
里子「ふだんの生活でも アジア人は差別されるけど 欧米が作り出した芸術の中で アジア人が成功するのは万に1つもない。」
環「甘かった… 私。」
里子「ただ… プッチーニって知ってる?」
発声練習中の環
回想
環「えっ!? 日本が舞台のオペラ?」
里子「うん… 信じ難いけど この前 大使館の晩餐会で聞いたの。 タイトルは『蝶々夫人』。」
里子「日本人の女性と アメリカ人の海軍士官の 恋物語なんだって。」
環「日本の女性… 誰がやるんだろう?」
里子「今の予定では 日本髪のカツラかぶって こっちの人がやるみたいだけど 似合わないよね。」
里子「う~ん…。」
回想終了
プッチーニのレコードを流す環
回想
里子「環 日本人が世界的舞台に立てる 唯一にして最大のチャンスよ。」
回想終了
嗣人帰宅
環「決まったの?」
嗣人は大きなチャンスを得ました。
嗣人「あ~。」
環「うん!」
絵を描く嗣人
環「おはよう。 ごはん どうする?」
嗣人「起きてたの? おはよう。」
環「気合入ってるね。」
嗣人「眠れなくってね。 画商が 大勢の評論家も呼ぶって 言ってたっから失敗できない。」
環「嗣人なら大丈夫。 自信持って。」
嗣人「うん…」
環「ごはんは?」
嗣人「俺は… いいや。 今 いいとこなんだ。」
環「頑張って。 応援してる。」
嗣人「うん。」
環「よし。」
イタリア
環は 『蝶々夫人』の公演が行われる イタリアに向かいました。 オーディションには 世界各国から 歌手が集まっていました。
参加者1「何?清掃員が並んでるわ」
参加者2「やめなさいよ 失礼よ!」
審査員「ネクスト。 ジュリア。 プリーズ カム イン。」
参加者の審査が終わった後 オーディション会場に乗り込む環
カフェ
里子「えっ? 『蝶々夫人』のオーディションに 押しかけた?」
環「出ていけって 追い出されそうになったんだけどね その中の1人の人が 1曲だけ いいじゃないですかって言ってくれて 歌ってきた。」
里子「へえ…。 環ちゃんって 意外と大胆ね。」
環「嗣人さんに刺激を受けたの 気付いたら イタリアにいた。」
里子「それで 結果は?」
環「まだ。 ただ… 私は 受ける資格もない人だから。 それに… 廊下で待つ間 ほかの人の歌が聞こえてくるじゃない。」
里子「うん。 やっぱり違う?」
環「声量が まるで違う。 もっと しっかり勉強しないと駄目だ。」
里子「勉強で埋まるかな? ほら 日本人って 繊細なことは得意だけど パワーって面では どうにもならないところ あるから。」
環「そんなことない! 頑張れば なんとかなるよ。」
里子「嗣人さん 個展いつだっけ?」
環「1か月後。 彼 頑張ってる。」
里子「今は 自分のことは置いといて 嗣人さんを 応援してあげた方がいいんじゃない? 大事な時よ。」
フィリップ「ご注文は?」
里子「コーヒー2つ!」
里子「ちょっとお手洗い。」
環「うん。」
フィリップ「君はオペラ歌手を目指してるの?」
環「はい」
フィリップ「芸術の道を究めるなら 他人に惑わされないことだ」
環「恋人は力にもなります」
フィリップ「時にはね…」
嗣人のアパート
オーディションの結果の通知がテーブルに置いてあることに気付く環
環「やった~!」
環の声で目を覚ます嗣人
環「ごめんなさい!」
嗣人「どうしたの?」
環「わ… 私 1次審査 通ったの 『蝶々夫人』の! あっ ごめん… 1次に通っただけなのに。 あなたとは比べ物んびならないけど… うれしかったの!」
嗣人「僕も うれしいよ!」
環「アハハ! ああ…!」