パリ 冬
利彦「環さんは ロンドン? 環さんって美人だよな~。」
友人A「日本人界わいでは かなり有名人です。」
友人B「みんな 狙ってるよな。 ハハッ冗談 冗談。」
利彦「環さんは嗣人に ほれてるから。」
友人A「お前 いいな~。 あんな彼女がいて。」
友人B「俺も あんな彼女 欲しいわ~。」
嗣人「もう 環の話はいいよ。」
利彦「そもそも 環さんとは どこで知り合ったの?」
嗣人「もういいって!」
利彦「何? どうしたの?」
嗣人「はあ… 悪い。 今日は やめよう。」
ロンドン
環は オペラハウス公演の 最終オーディションに残っていました。
里子「探したよ~。」
環「あった?」
里子「いよいよ 明日だね。 自信は?」
環「ある!」
里子「おっ!」
環「ない。」
里子「えっ?」
環「ある!」
里子「はあ?」
環「ない。」
里子「フフッ どっちよ。」
環「どっちもない。 ただ 楽しみなだけ。」
里子「3人まで残っただけでも すごいけど。」
環「う~ん… でも ここで負けたら一緒だから。」
里子「実はね 私も 昔 バレエで世界 目指してたの。」
環「えっ そうだったの?」
里子「20歳の時 諦めた。 差別と体格差が どうしようもなくて。」
環「里子なら まだ目指せるよ!」
里子「気休め 言わないで。」
環「ご… ごめん。」
里子「正直 悔しいの。 あなたと私は違う。」
里子「ごめん ごめん。 どうでもいいことだ。 今 あなたの前には オペラハウスがあるの。 それをつかみ取る。 それだけに集中して。 ねっ?」
環「里子…。 いろいろ ありがとう。」
里子「世界を ギャフンと言わせて。」
パリ カフェ
フィリップ「座るよ 君は画家なの?」
嗣人「はい」
フィリップ「僕も画家を目指していたんだ もしよかったら このカフェで個展を開かない?」
嗣人「えっ?」
フィリップ「君さえよければ!」