ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第24回「嵐を呼ぶ編入生」【第4週】

あらすじ

はな(吉高由里子)の処分が校長室で言い渡される瞬間、突如やってきた蓮子(仲間由紀恵)は「ぶどう酒を飲ませたのは自分」と告げ、自分を退学にするよう言い放つ。なぜうそをついていたのかブラックバーン(トーディ・クラーク)に問われても蓮子は答えず、富山(ともさかりえ)は激怒。しかしブラックバーンは意外にも、二人とも退学にしないという決断を下す。語られ始めたその理由を、はなは必死に同時通訳して蓮子に伝える。

24ネタバレ

修和女学校

校長室

蓮子「ブラックバーン校長。 安東はなさんに お酒を飲ませたのは 私です。」

ブラックバーン『自分が何をしたか わかっていますか?』

蓮子「どうぞ 私を退学させて下さい。」

はな「蓮子さん…。」

ブラックバーン「(英語)」

富山「『あなたは 校則を破った上に 何も知らない級友を 巻き添えにしたんです』。」

茂木「以前 あなたに事情を聞いた時 『はなさんが勝手に飲んだ』と 嘘をつきましたね。 今日は 本当の事を言いに来たのは なぜですか?」

(通訳する富山)

ブラックバーン「(英語)」

富山「『答えなさい』。」

蓮子「別に 理由など ございません。 いずれにせよ 私は もう退学になるんですから もういいじゃないですか。」

はな「蓮子さん。」

富山「もう我慢できません。 あなた 何なんですか その態度は!」

ブラックバーン『二人の処分ですが 安東はな』

はな『はい』

ブラックバーン『葉山蓮子 二人とも退学にはしません』

はな「ブラックバーン校長…。 2人とも 退学には なさらないって! ありがとうございます!」

富山『私は納得できません 安東さんはまだしも 葉山さんは退学にするべきです なぜですか 伯爵家の令嬢だからですか』

ブラックバーン『いいえ 断じて違います』

富山『では、なぜですか』

蓮子「何ですって?」

はな「『蓮子さんが伯爵家のご令嬢だから 退学を免れたのか』と。 ブラックバーン校長は 『断じて違うと おっしゃっています。』

ブラックバーン「(英語)」

はな「『神様は どんなに罪深い人間でも 悔い改めれば お許し下さる』と おっしゃっています。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『そして 彼女のような生徒を救うのが 修和女学校の使命だからです』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『ただし…』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『ここにいたければ 条件があります』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『集団生活のルールは 守れますか』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『今日から 誰も あなたの事を特別扱いしません。 自分の事は 全て 自分ですること』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『真摯な気持ちで勉学に励むこと』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『食事は みんなと一緒に 食堂でとること』。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『これまでの習慣を全て捨てて 新しい自分に 生まれ変わるのです』。」

ブラックバーン「I’m trusting you.」

はな「ブラックバーン校長は 信じています。」

ブラックバーン「(英語)」

はな「『あなたは きっと変わる事ができる』。」

廊下

茂木「はなさんの通訳は どうでしたか?」

富山「完璧からは 程遠いですが まあ 意味は つかめていたんでは ないでしょうか。」

茂木「そうですか。」

はな「蓮子さん! ありがとう! 私 今朝は すっかり諦めていたんです。 学校に残れるなんて 夢みたいです! 本当に ありがとう!」

蓮子「正直 驚きました。 あなた 英語だけは 大したものね。」

はな「ああ… さっきは 夢中だったんです。 校長先生の言葉を ひと言も漏らさずに ちゃんと お伝えしなくてはと。」

蓮子「十分 伝わりました。」

はな「そうですか。」

蓮子「でも はなさん。 何か 勘違いなさってるようね。」

はな「えっ?」

蓮子「私は あなたに お礼を言われるような事は 何もしておりません。 本当に退学になりたかったんです。」

はな「は…?」

蓮子「うちの者たちは 私を やっかい払いするために ここの寄宿舎に入れたんです。 あの人たちの思いどおりになって たまるかと つまり 復讐してやろうと 思ったんです。 あなたのためなんかじゃ ありません。」

はな「あっ 待って下さい。」

醍醐「はなさん!」

はな「ご心配をおかけしました。 また 皆さんと一緒に 学べる事になりました!」

醍醐「本当? よかった~! 本当に よかったわ!」

畠山「でも よく退学にならずに 済みましたね。」

はな「蓮子さんのおかげなんです。」

醍醐「葉山蓮子様?」

はな「ええ。 校長室に来て 何もかも お話しして下さったんです。」

醍醐「あの方とは あまり関わらない方が よろしくってよ。 彼女は 葉山伯爵のご令嬢で嫁いだけれど もめ事を起こして 離縁されたんですって…。」

校庭

綾小路「葉山様は この学校に たどりつくまでに いろいろとあったみたいですよ。」

富山「いろいろ?」

綾小路「離縁して自暴自棄になって 夜な夜な 芸術家の男たちを はべらせて遊び歩いていたとか 浴びるように お酒を飲んでいたとか もう 耳を覆いたくなるような うわさばかりです。  清らかな うちの校風には なじむのは難しいでしょう。」

廊下

はな「あっ 先にいらして。」

蓮子の部屋

はな「蓮子さん。 お食事の時間です。 食堂で待ってますから。」

食堂

茂木「イエス・キリストの 御名によって アーメン。」

一同「アーメン。」

茂木「さあ 頂きましょう。」

一同「頂きます。」

回想

蓮子「私は あなたより 8つも年上なんです。」

はな「それが どうしたんですか? あなたは いつも 周りの人に守られて 何も傷ついた事ないんでしょう。」

蓮子「私は 16の時…。」

回想終了

畠山「はなさん どうかなさったの?」

はな「あっ いえ…。」

茂木「いらっしゃらないわね。」

(戸が開く音)

醍醐「珍しい方がいらしたわ。 一度も 食堂に いらっしゃらなかったのに どういう風の吹き回しかしら。]

醍醐「はなさん。」

はな「蓮子さん! 私の隣 空いてますから どうぞ。」

白鳥「茂木先生 私が。」

蓮子「ありがとう。」

白鳥「何ですって? 『ありがとう』? 目上の私に向かって その言葉遣いは 何ですか! 『ありがとうございます』と 言い直しなさい!」

白鳥「ちょっと あなた! 何なさってるんですか? 聞いてるんですか? いつも いつも そのような態度をとって…。」

茂木「白鳥さん。 お席に戻りましょう。」

白鳥「あなたも そうですよ。 お世話係なんだから しっかりして下さい!」

茂木「白鳥さん。 頂きましょう。」

白鳥「はい…。」

<生まれも育ちも まるで違う2人が この先 生涯の腹心の友になろうとは まだ 神様しか ご存じありませんでした。>

甲府

♬~(ラッパ)

<そのころ 甲府の町では…。>

武「てっ! 何百人いるでえ。」

徳丸「武。 これで がとう景気がよくならあ。」

武「甲府連隊 万歳!」

徳丸「万歳!」

<甲府の軍隊がやって来た事で 人々の運命は 大きく変わっていくのでした。 ごきげんよう。 さようなら。>

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