醍醐「どうぞ。」
須藤「あれっ? 2人だけ紅茶?」
醍醐「お二人は お客様ですから。」
英治「客扱いは やめて下さい。 皆さんと一緒に 新しい雑誌の立ち上げに 参加させてもらえるだけで うれしいですから。」
梶原「2人とも自由に意見を出してくれ。」
2人「はい。」
須藤「私 紅茶の方が好きなんですが…。」
英治「ああ どうぞ どうぞ。」
須藤「じゃあ これ。」
梶原「じゃあ 表紙から決めよう。」
英治「いくつか 案を持ってきました。」
須藤「これは ちょっと地味だな。 これも少し奇抜すぎるだろう。 これぐらい 目立った方が…。 一つに絞れませんね。」
梶原「そうだな…。 よし! じゃあ 多数決で決めようか。 自分の好きなものを 『1 2の3』で指をさそう。 いいな? 1 2の3!」
醍醐「私も これがいいと思ったんです!」
梶原「そうか…。 女性は 2人とも それか。」
三田「しかし 多数決は多数決ですよ。」
梶原「う~ん…。 よし。 じゃあ 表紙は これに決めよう。」
一同「はい。」
醍醐「でも その拍子に『白い鳩』という 名前は 合いませんね。」
梶原「うん。 雑誌名は 大事だから もう一考しようと思ったんだ。 みんな いい案があったら どんどん出してくれ。」
須藤「動物に こだわらなくても いいと思います。」
はな「あ… あの! 『にじいろ』というのは どうでしょうか?」
三田「虹? 何だか すぐ消えそうじゃないか。」
醍醐「何色なのか曖昧で はっきりしないわね。」
英治「でも その分 想像の余地は あるんじゃないですか? 書店に並んでいたら どんな雑誌なのか 僕は開いてみたくなります。」
梶原「う~ん… 『にじいろ』か。 悪くないな。」
郁弥「う~ん ファンタスティックですね!」
(笑い声)
梶原「ファンタスティックかも。」
英治「すいません。」
はな「村岡さん さっきは ありがとうございました。 まさか 自分の思いついた名前が 採用されるなんて…。 村岡さんのおかげです!」
英治「いい案だと思ったから 賛成しただけです。 失礼します。」
醍醐「村岡さん。 明日も お待ちしております。」
英治「はい。」
醍醐「はなさん。 明日も負けないわよ。」
須藤「お先に。」
はな「ごきげんよう。」
梶原「安東。 雑誌の名前も決まった事だし 一杯やるけど 来ないか?」
はな「あ… 今日は 翻訳の原稿に手を入れたいので ご遠慮致します。」
梶原「そうか。 熱心だな。 じゃあ お先に。」
はな「ごきげんよう。」
三田「お先。」
はな「ごきげんよう。」
<あの人が帽子を取りに 戻ってくるかもしれない。 そう思い はなは わざと 仕事を作って会社に残ったのです。 でも これでは仕事になりませんねえ。>