オハラ洋装店
松田「先生! 先生 すいません。」
糸子「うん?」
松田「こっち来て こっち来て。」
糸子「何…? 何や?」
松田「先生!」
糸子「ん?」
松田「どうしても 聞いてほしい話があるんです!」
糸子「うん?」
居間
ラジオ・アナウンサー『皆様 ご機嫌いかがでしょう』。
昌子「あれ?! 何 さぼってるんですか?」
松田「シ~ッ! 先生が『ええ』言うてくれたんや。 離してんか。 行った行った ほら。」
ラジオ・アナウンサー『『中村春太郎』さんです』。
春太郎『皆様 こんにちは。 中村春太郎でございます』。
松田「はあ~!」
<恵さんは 10年来の 春太郎びいきなんやそうです>
春太郎『ところが 実は 生まれは 岡山なんでございますよ。 しかし 若い頃は どうにか ご婦人に もてようと 浪速っ子のまねしたり したもんでしてねえ ハハハハハ!』。
松田「まあ! オッホホホホホ!」
春太郎『いや~ お恥ずかしい』。
オハラ洋装店
松田「先生。」
糸子「ん?」
松田「ありがとうございました。」
糸子「どうやった? 春太郎 また 調子 乗っちゃった?」
松田「もう さすがの春太郎様でしたわ もう ホホホホホ!」
(電話の呼び鈴)
松田「はい もしもし オハラ洋装店でございます。 はい。 はい…! えっ うわさ? 先生と… 周防さんの?」
(ミシンの音)