連続テレビ小説「なつぞら」第108話「なつよ、どうするプロポーズ」【第18週】

咲太郎「分ったら帰れ。 帰ってくれ!」

なつ「お兄ちゃん!」

咲太郎「黙ってろ! なつが悩む前に帰れって言ってんだよ。」

坂場「なつさんに… 許してもらおうとは思っていません。」

咲太郎「何?」

坂場「昨日のことは 許さなくてもいいんです。 その上で もう一度 話をさせてもらいたいんです。」

咲太郎「回りくどいこと言ってんじゃねえよ!」

坂場「ゆうべ 一晩 あなたのことを思い… あなたを失う恐怖を感じました。 それで分かったんです。 あなたが 今まで どれほどの恐怖を味わってきたか… 大切なものを失う怖さを どれほど味わってきたか…。 そのことを 一晩考えました。 あなたの気持ちになりたくて 考えました。 あなたに 少しでも近づきたくて… 考えたんです。」

坂場「それで 結局 たどりついた答えは…。 あなたのことが… 奥原なつのことが… 僕は 心の底から 好きだということです。 もう遅いかもしれないけど… 心の底から言わせて下さい! あなたが好きです。 あなたのことが大好きです!」

咲太郎「もう遅いんじゃないかな。」

亜矢美「遅くない! まだ生きてるんだから いっくら間違えたっていいの!」

咲太郎「母ちゃん…。」

亜矢美「いっくら失敗したって へっちゃらだよね なっちゃんは。」

咲太郎「なつ…。」

坂場「お兄さん… どうか許して下さい! 妹さんを 奥原なつさんを… 僕に下さい! 結婚することを許して下さい。 奥原なつさんと結婚させて下さい!」

咲太郎「バカヤロー…。 まずは なつの許しを取れ!」

坂場「どうか… 結婚して下さい。 もう一緒に 漫画映画は作れないかもしれないけど あなたの人生を作ります。 一生かけて 一緒に作ります。」

なつ「うん…。 ありがとう。」

坂場「必ず傑作にします。」

咲太郎「普通でいいんだよ 普通で! 気取ったこと言うな。」

坂場「僕と結婚して下さい。」

なつ「はい…。 喜んで。」

咲太郎「なつを幸せにしろよ! 不幸にしたら 絶対に許さねえからな! 覚えとけ。」

坂場「はい。」

川村屋

野上「いらっしゃいませ。」

なつ「野上さん こんにちは。」

野上「まあ 珍しいですね こんなお時間に。」

なつ「野上さん こちら 坂場一久さん。」

野上「会社のご同僚でございますね。 何度か うちに お見えになって頂いております。」

なつ「今度 私の夫になるんです。」

坂場「よろしくお願いします。」

なつ「野上さん?」

野上「ちょっと待って! いや どうぞ…。 あっ… お席にご案内して。 待って… ちょっと ちょっと…! 痛っ… ちょっと!」

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