連続テレビ小説「なつぞら」第109話「なつよ、開拓者の郷へ」【第19週】

なつ「じいちゃん。」

富士子「どしたの?」

剛男「無理に違うことを言わなくていんですよ。」

坂場「幸せにします きっと…。」

泰樹「きっとって何じゃ?」

坂場「あっ…。」

なつ「まあ 先のことは 誰にも分からんでしょ。」

泰樹「分からんから約束しとるんじゃ。 その きっとが引っ掛かる。」

坂場「いや あの 実は 堂々と言えない事情がありまして…。」

なつ「ねえ それは まだいいから。」

泰樹「事情って何じゃ?」

坂場「会社を辞めたんです。」

一同「えっ?」

坂場「今は無職なんです。」

泰樹「男にとって結婚は けじめじゃ。 仕事もなくて けじめがつけられるか。」

なつ「働かないと言ってるわけではないから。」

富士子「そうだわ。 何か考えがあって辞めたんでしょ。 ねえ。」

坂場「いえ 仕事に失敗して 責任を取っただけです。」

富士子「クビに近いんでないの? それは。」

剛男「富士子ちゃん。」

砂良「仕事って あの映画?」

なつ「あ… うん。」

砂良「帯広に見に行ったわ 地平と一緒に。」

なつ「どうだった?」

砂良「もう 途中で地平が…。 何か 難しかったみたいで。」

なつ「ちー君 おばちゃんの映画 面白かった?」

地平「つまんなかった。」

照男「地平!」

なつ「いいのさ 正直で いいの…。」

明美「私も見たけど 私は面白かったわ なつ姉ちゃん。」

なつ「明美ちゃんみたいな大学生とかが たくさん見てくれたら いかったんだけど。 会社に大赤字を出させてしまって…。」

夕見子「大丈夫だって 仕事なんか。 すぐ見つかるって。 ね イッキュウさん。」

坂場「はあ…。」

悠吉「そだ 東大出てんだもな。」

菊介「そろばんだって できんだべ?」

悠吉「バカ! そろばんどこの話じゃねえべや。」

剛男「ほら 坂場君は イッキュウさんって 呼ばれてるっていうべさ。 ちょうどいい ここでひと休みだ。」

富士子「したけど 坂場さんのキュウは 永久の久でないの?」

剛男「そういうこと言わないのさ。」

泰樹「休んでる場合か。 仕事見つけて ここに来るのが筋だべ。」

なつ「待って じいちゃん!」

剛男「もう どうでもいいしょや そったらことは! この人は なつが選んだ人ですよ! 結婚望んでるのは ほかでもない なつだべさ! なつの選んだ結婚相手に 文句があるっていうんですか? なつの見る目に狂いはないと 私は信じてます! したって お義父さんの孫でないですか!」

泰樹「うう…。」

夕見子「よし よく言った 父さん。」

明美「私も 父さんに賛成!」

照男「俺もだ。 咲太郎さんも賛成してくれてるんだべ?」

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