一風館
入口
祥子「こんにちは。」
♪~(ギター)
祥子「あ!」
ダイニング
恵達「あ!」
祥子「ごめんなさい。」
恵達「いえ。 あ ひょっとして 姉え姉えですか?」
祥子「はい 差し入れ 持って。」
恵達「あらら。」
祥子「え?」
恵達「姉え姉え 今ね 沖縄に帰ってます。 実家のほうで 出産するって。」
祥子「え? そうなんですか。 なんだ。」
恵達「すみませんねぇ いきなりなんで。」
祥子「ああ 分かるような気がします。」
恵達「そうですよね。」
祥子「あの…。」
恵達「はい?」
祥子「あの… 大好きです。」
恵達「え?」
祥子「いえ。 あ 曲 大好きです。」
恵達「あ ああ ありがとう。」
祥子「いえ。」
恵達「でも 最近 うまく作れなくて 参ってるんですよ。」
祥子「そうなの?」
恵達「うん。」
祥子「でも 私は 好きです。」
恵達「ありがとう。」
祥子「聴いてみたい曲が あるんですけど。」
恵達「え?」
祥子「なんか お姉さんが 一番好きな曲は恵達さんが最初に作った曲だって。『東京に出てきて スゴイ寂しくて どうしよもない時に 電話で聴かせてくれた曲が 一番好きだ』そう言ってたから なんか どんな曲なんだろうと思ってた。」
恵達「ああ あれか…。 忘れてたなぁ。」
祥子「そうなの?」
恵達「うん。 詞も つけないで そのまま。」
祥子「へえ。」
演奏する恵達
おやおや 恵達に 新しい展開かねぇ