2001年4月25日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】21話のネタバレです。
現在は(2020年9月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里の東京行き宣言に勝子は怒り、古波蔵(こはぐら)家は大混乱。翌朝、「おじいのところへ行きます」と手紙を残しておばぁが家出。あわてた恵里と勝子は、小浜島のおじいの墓でおばぁを見つけます。家族の心を1つにしようとしたおばぁ…。勝子は恵里の東京行きを許します。翌年、受験で上京した恵里が文也の家を訪ねると、すでに引っ越していました。同じ頃、小浜島に墓参りに来たおばぁは、墓の前で一人の青年と出会います。
21話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第21回 ハイサイ!東京
和也の木
勝子「ここに いたんだ?」
恵里「うん。 ん?」
勝子「ああ 大きくなってる 和也君の木。」
恵里「うん なってる。」
勝子「恵里も 大人になる訳だねぇ。」
恵里「ん?」
勝子「昨日 寝言 言ってたよ 恵里。」
恵里「私? 何て?」
勝子「ふふん。」
恵里「何 何? 何て言ってたの?」
勝子「『結婚しようねぇ 文也君。 必ず 結婚しようねぇ』って。」
恵里「ウソだよ。」
勝子「ウソじゃないよ ホントだよ。 おばぁに 聞いてごらん。」
恵里「ええ ああ 恥ずかしい。」
勝子「ねえ 恵里?」
恵里「ん?」
勝子「東京に行きたいって気持ちの中にさ。」
恵里「うん。」
勝子「文也君と会えるかもって そういう気持ちも 入ってる?」
恵里「そんなこと ないよ。」
勝子「入ってるよ。 寝言 言うぐらいだから。」
恵里「そりゃ ほんの少しは… ねえ。」
勝子「ほんの少し?」
恵里「そうだよ。」
勝子「ウソだよ。」
恵里「ほんの少しじゃなくて…。 少し?」
勝子「どれぐらい? これぐらい?」
恵里「いやいや そんなに…。 これくらいかな。」
勝子「ウソだよ これぐらいでしょ?」
恵里「いや このくらい…。」
勝子「こんなに~?!」
恵里「じゃ これぐらい。」
勝子「これぐらい?」
ハナ「何してるか?」
恵里「あ おばぁ。」
ハナ「『あ おばぁ』じゃないよ。 もう行くよ! 船の時間だよ。」
勝子「あ そうでした。 行こう 恵里。」
恵里「うん。」
和也の木を見つめる恵里
古波蔵家
石垣島で 船に乗り換え 12時間かけて 私達は那覇へ戻ってきました。
お騒がせいたしましたねえ。 12時間の船旅で 勝子さんも恵里も すっかり ヘトヘトになってしまいました。 だらしないねえ 最近の若い者は
恵文「おばぁ。」
ハナ「何?」
恵文「何って 以後 こういうことの ないように してもらわんとね。 分かった?」
ハナ「何が?」
恵文「何がって 全然 反省してないだから。 全く…。 いいかあ? 何にも言わないで いきなり こんなもんだけ残して いなくなっては ダメだということさ。」
ハナ「そうか。」
恵文「おばぁ!」
勝子「文ちゃん もう いいさぁ。」
恵里「そうだよ。 もういいよ お父さん。 こうやって 無事に帰って来たし。 それに 私もさ おばぁのお陰で 小浜に行って よかった。」
恵文「よくない! 全然 反省してない このおばぁは… ほら。」
ハナ「何で 親が いちいち子供に 行き先を言わんと ならんのか? 子供が 親に言わんと ならんのは 分かるけどよ。」
恵文「そういう屁理屈を…。 あのね おばぁ『老いては子に従え』って。」
ハナ「それは 何か?『やまとことば』か?」
恵文「そうさぁ。」
ハナ「それは 間違っているさ。」
恵文「間違いって 昔から そう言うだろが。」
ハナ「だから 昔から 間違っているさ。 正しくはね『老いては 子を従え』うん そうさ。」
恵文「何か それは。 ああ もう いい! つまらん。 せっかく たまには おばぁに ビシッと説教できると 思ったのにさ。 ああ つまらん…。」
ハナ「恵文 よく聞きなさい。 お前は 幾つになっても 私の子供さぁね。 どんなに年とっても 私の親にだけは なれないさねぇね。 分かったか?」
恵文「分かりましたでございます。」
ハナ「ならいいさ『老いては 子を従え』いいねぇ 気に入った。 勝子さんも 分かったかね?」
勝子「はい おばぁを従えるつもりは 毛頭ございません。」
ハナ「なら いいさ。 じゃ そういうことで。」
恵里「チョット待って。 大事な話が残ってるさぁ。」
ハナ「ああ そうだったね。」
恵文「何?」
恵里「え~ というわけで いろいろ ありましたが 私 古波蔵恵里 お母さんとおばぁの賛同を得まして 東京の大学を受験させて 頂きたいと 思いまして その ご相談をと…。」
恵文「チョ チョ チョット 待ってよ。」
恵里「え?」
恵文「何でよ 何で 勝手に賛成してからに。」
勝子「だって いいでしょ? 受けるだけ 受けさせてみれば…。」
恵文「ダメだよ ダメダメ 絶対反対だ お父さんは。」
恵里「何で?」
恵文「何でもさぁ 絶対反対!」
恵里「お父さん。」
恵達「反対は お父さんだけか…。 愛だよねぇ。 ハッハッハ。」
恵文「恵達 黙れ!」
恵達「はいはい。 ハッハッハ。」
恵文「恵達!」
恵里「何が おかしいか? 恵達。」
恵達「いや 何でもない 気にしないで。」
恵里「お父さん お願い。」
恵文「ダメ!」
ハナ「恵文。」
恵文「ダメ!」
勝子「文ちゃん。」
恵文「ダメ!」
恵里「あのさ お父さん。」
恵文「ダメ!」
勝子「怒るよ!文ちゃん。」
恵文「ダメ!」
勝子「まだ 東京に 行ってしまうと 決まったわけじゃないよ。 受けるって 話だからさ。」
恵里「ん?」
勝子「受かると決まった訳じゃないし。」
ハナ「そうそう 全然 決まってないし。」
勝子「そ 琉美子ちゃんは ともかく 恵里が 受かる可能性は 決して高くないんだから。」
恵里「ん? あの…。」
恵文「でも 万が一 受かっちゃったら どうするのさ。」
ハナ「ないない。」
恵里「ん?」
勝子「その時は その時で いい。」
恵里「チョット 待ってよ。 何でよ 最初から 落ちるみたいに。」
勝子「だって つい最近まで 全然 勉強してないんだよ 恵里は…。 皆 ずっとずっと勉強した人と 一緒に受けるんだよ。 大変な事さ それは。」
恵里「分かってるさぁ そんなの。」
恵達「でも 最近の姉え姉えの勉強は スゴイよ。」
恵文「どっちなのさ?受かるの? 落ちるの?」
恵里「受かる。」
ハナ「落ちる。」
恵文「分かった おばぁの言葉を信じる。 だから 落ちるという前提で 受ける事は 許す事にするさぁ。」
勝子「よかったね 恵里。」
恵里「何ね? それは…。 普通さ 受験生のいる家では『落ちる』とか『すべる』とか そういう言葉を使わないぐらい 気を遣うんだよ。」
恵文「何で?『落ちる』とか『すべる』とか言うと 落ちるの?」
恵里「そうだよ。」
恵文「そうか『落ちる すべる 入らない 転ぶ こける 倒れる』か…。」
恵里「もう お父さん!」
ハナ「じゃ そういうことで。」
勝子「チョット 待って下さい。」
ハナ「まだ 何か あるか?」
恵達「俺の事かな?」
勝子「恵文さんの女性問題について まだ そのままに なっていましたので。」
恵文「あら あれが もう 置きっぱなしでいいという事に。」
勝子「なってません。 説明して頂きます。」
恵文「分かりました。 ご説明いたしましょう。 浮気とか そういうんじゃないさ 恵里に紹介される前に お客さんとして あの人を 乗せたことがあるわけ。」
恵里「え? そうなの?」
恵文「あの人 泣いてたよ タクシーの中で。その時は 何でだか 分からなかったけど きっと 那覇に来て 仕事が うまくやれずに 悔しかったと…。」
恵文「悔し泣きっていう感じだったさ。 沖縄の人はね 横のつながりを大事にするよね。 それは お父さん 大好きさ。 でも その代わり 容子さんみたいな人には チョット こう 入るところが ないんじゃないかなと思うわけ。」
恵文「その時に 思ったさ。 この人は 沖縄を嫌いで 帰ってしまうんじゃないかって。 なんか そういうの 寂しいさぁ。」
恵里「うん。」
恵文「でも 何してあげられる わけじゃないしさ。 そしたら 恵里が 紹介してきてさ いろいろ 顔を利かせてほしいと言うわけさ。 何とかしてやろうと思ったさぁ あの涙を見せた この女性によ 最後は 沖縄を好きになって 帰ってもらおうと思ったわけさ。」
勝子「そう… 分かった。」
恵文「うん。」
勝子「スケベな気持ちは どれぐらいあった?」
恵文「え? そんなのは…。」
勝子「どれぐらい?」
恵文「いや どれぐらいって ほ~んの チョットかな…。」
勝子「これぐらい?」
恵文「いや そんなには ない。 これくらい…。」
勝子「ウソは やめようね 文ちゃん。 怒らないからさ これくらいかな?」
恵文「いやいや そこまでは…。 これくらいかな。」
勝子「こんなに?」
恵文「え?」
ハナ「何をしている 夫婦で。 アホらしい…。」
恵文「じゃ ま そういうことでな。」
勝子「あ 恵達 あんた 何か 言ってたわね 何だったけね?」
恵達「絶対言わない!」
玄関の方から声が聞こえる
誠「こんばんは。」
恵文「あれ? 島袋君かねえ。」
ハナ「いやいや あの男は もっと間の悪い時に 来るさぁ。」
誠「こんばんは。」
恵里「ん? 誠?」
玄関
恵里「誠… 何 それ? スーツ?」
誠「おう 似合うだろ? な。」
恵里「ハハハ…。」
勝子「キャプテン どうしたの? あがれば?」
誠「いや 恵里 チョット 外で話そう。」
恵里「え?」
恵文「お 親の前では 話せないようなことか?」
誠「はい お父さん。」
恵文「え お父さん?」
恵里「チョット ないよ そんな話…。」
誠「すみません チョット 恵里 借りましょうねぇ。 なんなら そのまま 頂いても いいんですけど…。」
恵文「おい チョット…。」
ハナ「誠の 悲しい片思いだねぇ。」
勝子「え?」
恵里と誠
恵里「何?」
誠「受かったぜ 野球のテスト。 ギャラクシー電気に 1発合格。」
恵里「え? ホントに? やったさあ 誠!」
誠「それでさ 約束のキスをしようと 思ってさ。 な しよう 恵里。」
恵里「チョット… してないさぁ そんな約束は。」
誠「あれ? してないか?」
恵里「してないさ バカ。」
誠「そうかぁ。」
恵里「あ でも よかったさぁ。 いつ行くの? やっぱり 大阪?」
誠「すぐ行くさ。 卒業式には 戻ってくるけど…。」
恵里「そう。」
誠「野球 野球の生活が 待ってるさぁ。」
恵里「そうかあ 誠の… 旅立ちだねぇ。」
誠「1番に恵里に知らせにきたわけよ。」
恵里「ありがとう。」
誠「恵里 ウチの会社 結婚したら 社宅もあるし 結構いい家だから 考えてみるか? ん?」
恵里「どうして そういうバカを言うか。」
誠「分からんかなぁ 愛情表現が 下手なわけよ。」
恵里「あ あのさ…。」
誠「はい?」
恵里「琉美子にも 教えてあげて。 心配してたから。」
誠「おう 分かった。 じゃあな…。」
恵里「うん。」
恵里「おめでとうね 誠! 頑張れ!」
誠「おう!」
誠「せっかく 恵里 借りてきたから 朝まで 借りとこうか? しばらく そういうこと できないよ。」
恵里「バ~カ。」
誠「いつか 野球でプロになったら 俺が お前のこともらってあげるよ。 それまで 守っとけ!」
ボールを恵里に投げる誠
恵里「守るって? 何をよ このバカタレが~!」
恵里「頑張れ 誠…。 私も 頑張るさぁ。」