ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」39話「迷子のマブイ(魂)」ネタバレ

2001年5月14日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】39話のネタバレです。

現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

アルバイト先の「ゆがふ」の売上金を持って銀行に行く途中、恵里は、初恋の相手・文也にもらった思い出のスーパーボールを公園で落としてしまいました。探しているうちに売上金も盗まれ、途方に暮れる恵里。容子をはじめ一風館の住人の協力でスーパーボールは見つかります。「ゆがふ」の店長は「金はもういいよ」と慰めてくれました。数日後、弟・恵達が「ロックをやりたい」と、恵里の部屋に転がり込んできました。

39話ネタバレ

連続テレビ小説 ちゅらさん 第39回 「迷子のマブイ(魂)」

ゆがふ

恵里「いらっしゃいませ!」

兼城「恵里ちゃん これ 6番。」

恵里「はい!」

客「メニュー」

恵里「はい お待ち下さい!」

恵里は 東京という 都会に暮らし まるで 心の迷路に迷い込んで しまったみたいでした

一風館

恵里「ただいま…。」

恵里「ただいま。」

みづえ「あら お帰り。」

容子「お帰りなさい。」

柴田「お帰りなさい。」

恵里「どうしたんですか? 皆で…。」

みづえ「そんな事 言ってないで あなたも 早く 手伝いなさい。」

恵里「はい。」

みづえ「真理亜さん あなたも ほら。」

真理亜「はいはい。」

みづえ「『はい』は 1つ。」

真理亜「は~い。」

容子「なんか いいわね お母さんみたいで…。」

真理亜「え どこが?」

みづえ「どう?」

恵里「うん おいしいです。 何ていう…?」

みづえ「パエリア。 スペイン料理なの。」

恵里「へえ スゴイですねぇ。 スペイン料理か? 私 初めて食べました。」

真理亜「うわぁ 今の田舎臭かったぁ しかも 昔の田舎者の発言。」

恵里「すみませんね。」

みづえ「おいしい?」

真理亜「え? あ まあね。」

みづえ「そう…。」

容子「いったい 誰が 眠ってた管理人さんを 起こしてしまったわけ?」

柴田「そんな ゴジラじゃないんですから。」

みづえ「恵里ちゃんかしらね。」

恵里「え? 私ですか?」

真理亜「勘弁してよ あんたが来てから 疲れる事ばっかりだわ ホントに。」

恵里「すみません。」

真理亜「相性 最悪だね? あんたと私。」

容子「そうでもないでしょ。」

真理亜「何で?」

容子「さぁね。」

真理亜「その『さぁね』とか言うの やめてよ。 なんか いかにも 謎めいた 深い意味がありそうなさぁ ないくせに…。」

容子「まあ そういうことにしておこう。」

真理亜「ああ 感じ悪いわね ホントに。」

容子「それにしても 真理亜ちゃんさ あんた よく しゃべるように なったよね 最近…。」

真理亜「え?」

容子「恵里ちゃん 来てからよね。」

柴田「あの… 皆さん 僕の事 忘れてないですよね? 会話の中に 全然 出てこない…。」

容子「何 言ってるの? きみは。 別に 忘れてないわよ。 気にも留めてないけど。」

柴田「ああ なるほど。 でも こういうの いいですよね。 考えてみたら 男 僕だけですね。 どうしよう ウフフフフ。」

思いっきり睨みつける真理亜w

柴田「すみません。」

容子「でも この間 ビックリしたよねぇ。」

恵里「え? 何がです?」

容子「島田さんよ どこで 何をしている人か 分からないしさ その人が 突然 登場してきて しゃべるんだもん。」

柴田「そういえば そうですよねぇ。 いったい何者ですか? あの人。」

容子「さあ。」

みづえ「私も 知らないの。」

容子「そうなの? それで 平気なの?」

みづえ「うん だって お家賃は払うし 問題を起こすわけじゃないし まあ いい店子さんよ。」

容子「まぁね あなた 部屋 近くでしょ?」

柴田「いや でも 全然  分からないです。 1回 何だっけな 砂糖を借りにいったことある。 貸しては くれるんですけど 部屋の中を絶対見せようとしない。 こうやって ガードしちゃって。」

恵里「私が あいさつに いった時も そうでした。」

柴田「でしょう? 謎だよねぁ。 どうなってるんだろう 部屋の中。 何か 見せちゃいけないもんでも 入ってるのかな?」

容子「私が『よく しゃべるようになった』って 言ったからって わざと 黙らないで。 子供じゃないんだから。」

真理亜「分かったわよ。」

柴田「なんか 変な物でも 隠してるか…。」

真理亜「死体とか? ありうるわよ。」

恵里「ウソ…。」

容子「あんた ホントに メルヘン作家?」

真理亜「お陰さまで。」

恵里「でも いい人ですよねぇ 島田さん。」

真理亜「だから そうやって 人を 『いい人』とかって まとめるの やめろって。」

恵里「だって いい人だったでしょ。」

真理亜「だからね じゃ聞くけど 悪い人って どこにいるのよ。 あんたにとっての悪い人って…。」

恵里「分かりません。 会ったことないですから。」

真理亜「バ~カ。」

容子「ホント よく しゃべるようになったわねぇ。」

みづえ「ねえ 2週間に1回くらい 週末に こうして 食事をしたいと思うのよ。 メニューと日取りは そこの掲示板に書いておくから。」

容子「へえ…。」

真理亜「そういうの 私 苦手なんだけど…。」

容子「いいでしょ 2週間に1回 こうして おいしいもの ごちそうしてもらえるんだもん。」

恵里「うん そうですよ。」

柴田「助かりますよねぇ。」

みづえ「でも お代は 頂くわよ。」

容子「え?」

みづえ「材料費は お家賃に 上乗せしておきますからね。」

容子「え? じゃ これも?」

みづえ「もちろんよ。」

真理亜「しっかりしてるわ。」

柴田「でも 量は 関係ないですよね。 お代わり ください。」

みづえ「ご自分で どうぞ。」

恵里は 自分の知らないうちに 知らず知らずのうちの 少しずつ 周りの人々の心を 溶かしていったのでございます。

この子には そういう不思議な力が あるのかもしれませんねぇ

沖縄

ライブハウス クロスロード

我那覇「おう どうした? 青年。」

恵達「あ 先輩 どうも。」

我那覇「なんか いい感じで ドヨ~ンとしてるねぇ。」

恵達「え?」

我那覇「いいよ なんか 灰色の青春って感じで ロックぽいねぇ。」

恵達「そうですかね?」

我那覇「そうだよ。 ロックっていうのはさ 心の叫びを 自分の体と音楽で 表現するものさ。 叫びと 言ったって 絶叫もあれば 静かな心の叫びも あるさ。 分かるか?」

恵達「なんとなく…。」

我那覇「女に振られたか?」

恵達「え? いや あの バンドのこと なんですけどね。」

我那覇「ん?」

恵達「コピーっていうか イギリスや アメリカの曲を やってますよね? 英語で…。」

我那覇「おう。」

恵達「なんか それで やってて 自分で こう モヤモヤしてくるんです。」

我那覇「青年。」

恵達「はい。」

我那覇「それでいいのさ。」

恵達「は?」

我那覇「きっと 自分の音楽を やりたくなったんだ。」

恵達「自分の… 音楽。」

我那覇「そうさ。 自分の心を 音楽で表現したくなったんだ。 やりなさい作りなさい 自分の曲を…。」

恵達「え?」

我那覇「しかも 女に振られたんだろ?」

恵達「いや 違いますけど…。」

我那覇「それはね 曲作りにうってつけの精神状態だ。 女に振られたり 女を捨てたり 別れたり… そんな時に いい曲が できるもんさ。」

恵達「そうなんですか?」

我那覇「そうだよ。 俺なんか 曲作りのために 愛した女を 何人も 捨てたもんさ。」

恵達「え? マジですか?」

我那覇「チョット ウソつきました すみません。」

恵達「なんだ…。」

我那覇「恵達 作ってみろ お前の音楽を。 うまいとか下手とか 関係ないさ 作れば それが お前の音楽だ。 もう 恵達に教えるものは ないのかもしれないねぇ。」

ギターを持つ我那覇

我那覇「これが俺の歌さ。」

我那覇「♪『嵐の中で生まれ 風の中で生きる 寝たいときに 寝て やりたい時に やるだけさ 気にするなよ ホンの冗談 何もかも うそっぱち 俺は ホラ吹き 稲妻 パッと光って 消えちまう』。」

古波蔵家

恵文「どうした? 恵達。」

恵達「いや あのさ お父さん いつも なんか こう 適当に ならしてるさ 三線。 どうして そういうふうに なるのかなと思って。」

恵文「適当じゃないさぁ 今の気持ちが 音になって出てるんだよ。」

恵達「気持?」

恵文「そうさぁ 疲れたなとか 寂しいなとか 幸せだなとか いろいろあるでしょう?」

恵達「ああ。」

恵文「それが 自然に ポロンポロンと 音になって 出てくるわけさ 考えなくても…。」

三線を鳴らす恵文

恵文「今のは『恵里は どうしてるかな』って 感じだね。 音楽というのは 恵達 気持ちさ。 『どんな音楽だって 同じだ』と お父さんは 思うわけよ ロックだろうが 島唄だろうが…。」

恵文「なんか 今 お父さんから 重要なヒントをもらってしまったか? うん? 恵達。 重く深いものを 感じたでしょう?」

恵達「おやすみ。」

恵文「あれ? よかったよねぇ 今の? 父親の威厳に満ちてたでしょう?」

ハナ「何が 威厳か バカタレが…。」

恵文「ん?」

勝子「ホント ひと言 余計なのよねぇ 言わなければ カッコ良かったのに。」

恵達の部屋

恵達「♪『ランララ ララ ランララ…』

東京

ゆがふ

恵里「お疲れ様でした。」

兼城「お疲れね 気をつけて 帰ってよ。」

恵里「はい おやすみなさい。」

柴田「おやすみなさい。」

兼城「まだ 元気ないねぇ 恵里ちゃんは…。」

柴田「そうですねえ 何とかしてあげたいなぁ。」

兼城「ええ… ん?」

柴田「何ですか?」

兼城「何で あんたが まだ ここにいるの?」

柴田「う~ん…。」

一風館

恵里「ただいま…。」

(電話の呼び鈴)

恵里☎「もしもし? 一風館ですが…。 え? ああ 恵達?」

恵達☎「ごめん 急に…。 あのさ 俺 初めて 生まれて初めて曲 作った。」

恵里☎「え? ホントに? あんたが?」

恵津☎「ああ でも 全然 自信なくてさ 誰に 最初に聴いてもらおうと 思ったら チョット 姉え姉えのこと 思い出してさ。」

恵里☎「え? 私?」

恵達☎「うん… ほら だってさ もし 姉え姉えが 東京に行ってなかったらさ きっと あの部屋で 聴いてもらったと思ってさ。」

恵里☎「恵達…。」

恵達☎「短いし まだ 詞もできてないけど 聴いてよ。 あ 変なら 変って 言ってよ。」

恵里☎「当り前さぁ。」

恵達☎「じゃあ…。」

恵里☎「うん。」

恵達☎「♪『ランララ ララ ランララ…』」

40話

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