ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ちゅらさん」41話「迷子のマブイ(魂)」ネタバレ

2001年5月16日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】41話のネタバレです。

現在は(2020年11月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

あらすじ

アルバイト先の「ゆがふ」の売上金を持って銀行に行く途中、恵里は、初恋の相手・文也にもらった思い出のスーパーボールを公園で落としてしまいました。探しているうちに売上金も盗まれ、途方に暮れる恵里。容子をはじめ一風館の住人の協力でスーパーボールは見つかります。「ゆがふ」の店長は「金はもういいよ」と慰めてくれました。数日後、弟・恵達が「ロックをやりたい」と、恵里の部屋に転がり込んできました。

41話ネタバレ

連続テレビ小説 ちゅらさん 第41回 「迷子のマブイ(魂)」

恵里「ただいま!」

(電話の呼び鈴)

恵里「はい もしもし 一風館です。 あお母さん? うん 恵里。 え? いなくなった? お父さん? また おばぁ? …え? 恵達?」

恵達「姉え姉え。」

恵里「え? あ! え? もしもし チョット 待ってて!」

恵達「よっ! こんばんは。」

恵里「恵達!」

恵達「よろしく。 部屋 どこ? 上?」

恵里「え? あ うん。」

恵達「じゃ 行こうか。」

恵里「チョット… どうしたの? いったい。」

恵達「『どうした』って 出てきたに 決まってるだろ?」

恵里「え?!」

沖縄

古波蔵家

恵文「なんて? 恵里 なんて?」

勝子「分からない。『待って』って。」

恵文「行ったのかね? 恵達は。」

勝子「だから 分からないってば。」

ハナ「しかし うっかりしてたねぇ 恵達を忘れていたさぁ。」

勝子「ええ 恵達は ノーマークでした。」

ハナ「うん。」

恵文「そうだねぇ。 …ん? じゃ 誰を マークしていたわけ?」

恵文「あれ?」

勝子「もしもし? 恵里? うん 来たの? 恵達。」

ハナ「やっぱり。」

東京

一風館

恵里「よく 分からないけど とにかく 夜も遅いし 私が 事情 聞いて 電話させるから。 …うん うん 任せて。 え? 私? 元気だよ。 あ 恵達 チョット 玄関で 待たせてるから うん じゃあね。(ため息)」

沖縄

古波蔵家

勝子「(ため息)」

恵文「もしもし? 恵里! お父…。」

勝子「あ ごめんなさい。」

ハナ「で なんて?」

勝子「恵里が ちゃんと話をするから 任せてくれって…。」

恵文「ふんふん。」

ハナ「それは どうかねぇ。」

恵文「何でよ?」

勝子「家出の先輩ですもんねぇ。」

ハナ「そうねぇ。」

恵文「そんな… また 1人 いなくなってしまうわけ?」

東京

一風館
マンデリン

恵達「ドッコイショ! ああ 疲れたね。」

恵里「『ああ 疲れた』 じゃ ないさぁ。 どういうつもり?」

恵達「何が?」

恵里「何で 家出なんか するの?」

恵達「人のこと 言えないだろ? 家出の先輩の くせして。」

恵里「え? あ それと これとは 別さ。」

恵達「何で? 一緒だよ。」

恵里「何で 東京なの? あんたは。」

恵達「俺 音楽 本気で やろうと思って。 そうなると やっぱり 東京かなと。」

恵里「高校は?」

恵達「やめる。」

恵里「え?!」

恵達「必要ないからさ ロックやるのに 学歴は…。 うん!」

恵里「チョット 待ちなさい。 沖縄だって ロックは できるでしょう?」

恵達「まあね 確かに 東京の方が 情報とか早いと思うよ。 でも 沖縄のロックは こう 水準が高いわけさぁ。」

恵里「じゃ 沖縄で やれば いいでしょ。」

恵達「家を出たかったんだよね。」

恵里「え? どこが嫌なのよ あの家の。」

恵達「だから 人のこと言えるの? 先輩。」

恵里「それは いいの チョット置いといて。 何で? 言ってごらん。」

恵達「いや 全然 嫌じゃないよ。 全然 好きだよ 自分の家族。」

恵里「じゃ 何でよ?」

恵達「だから ロックやってくには あの家に いると 緊張感が足りないんだよ。」

恵里「ん?」

恵達「いや だから こう… 孤独な感じとかさ 誰も 俺の事 分かりゃしないんだ みたいな そういうのが必要な訳。」

恵達「でも あそこにいると ダメなんだ 全然ないからさ。 『ま いっか』って 感じでしょ? ダメなんだよね それじゃ…。」

恵里「よく分からないさぁ。」

恵達「いいよ 姉え姉えには 分からなくて。」

恵里「とにかく お母さんに 電話しなさい。 心配してるから。」

恵達「嫌です。」

恵里「しなさい。」

恵達「ヤダ!」

恵里「ダメ!」

恵達「家出してきて 過ぎに『無事です』なんて 電話できる? 自分だって しなかったでしょ?」

恵里「え? …いや だから それは。」

恵達「しかし 狭い部屋だねぇ。」

恵里「悪かったわね。」

恵達「ま いっか もともと 同じ部屋で 暮らしてた訳だしね。」

恵里「え? あんた ここにいるつもり?」

恵達「当たり前でしょう。」

恵里「何で?」

恵達「『何で』って 東京に 姉え姉えが いるのに わざわざ 違う所に行くわけ?」

恵里「あんた 孤独な感じとか 欲しかったんでしょ? そう言ってたぁ。」

恵達「それと これとは 別なんです。 いきなり 1人は キツイでしょ? よろしく お願いします 先輩。 それより 腹へったよ。 何かある? 姉え姉え。」

恵里「ありません。」

恵達「姉え姉え。」

恵里「甘ったれるんじゃないよ!」

恵達「何で?」

部屋から様子を見ている真理亜

真理亜「男?」

モカ

容子「何? え?」

恵里「とにかく お願いします。」

容子「何? 何なの?」

グアテマラ

真理亜「あ!」

恵里「お邪魔します。」

真理亜「え? あんた 誰?」

恵里「ということな訳です。」

真理亜「いや 話は 分かったんだけどさ。」

恵里「どう思います?」

真理亜「いや 何で 私や この人が その話を聞くの? こんな夜中に。」

恵里「はあ…。」

真理亜「しかも 何で ここで?」

恵里「は?」

恵達「何なんだよ?」

恵里「容子さん どう思います?」

容子「あ はい。」

恵達「ん? 何ですか?」

容子「ごめんね コンタクトはずしたから こうしないと 見えないの。 …あら? かわいいわね。」

恵里「そんなこと 聞いてるんじゃ ないんですけど。」

容子「ヤダ 私 どうしよう こんな恰好して…。」

真理亜「あ~あ。」

恵里「何言ってるんですか? 容子さん。」

容子「え? あ すみません。 あの 家出についてよね? ああ… いいでしょ?」

恵達「え? そうですよね。」

恵里「高校やめてもですか?」

容子「だって 恵里ちゃん 言ってた…。 スゴイ才能あるんだって 絶対 売れるんだって…。」

恵里「それは…。」

容子「だから いいでしょ?」

恵里「そうですか?」

容子「うん。」

真理亜「あんたよりも よっぽど いいわよ。」

容子「どういうこと?」

真理亜「やりたいこと ハッキリしてる訳だし そのために 来てるんだからさ。 あんたより よっぽど しっかりしてるし 東京 向いてると思うけど 私は。」

マンデリン

恵達「なあ 姉え姉え?」

恵里「うん?」

恵達「見つかった?」

恵里「何が?」

恵達「いや 東京に行って 自分の やりたい事 ゼロから探すって…。 東京には 自分を必要としてくれる人が いるんだって言った。 見つかった?」

恵里「まだ…。」

恵達「そう…。」

恵里「うん。 全然 まださぁ。」

恵達「そうか…。」

恵里「うん。 全然 冴えないねぇ… 私。 おやすみ。」

恵達「うん。 姉え姉え?」

恵里「何?」

恵達「ごめんね なんか… 俺ばっかり 元気で…。」

恵里「何言ってるの? バ~カ。 そんなことより お母さんに電話。」

恵達「それは ヤダ!」

1F

柴田「男と 朝まで…。」

恵里「あ どうも。」

柴田「どうも…。」

恵里「あの 弟です。」

恵達「どうも…。」

柴田「え? 弟? あ そうかぁ そうなんだ… どうも…。 どうも… ハハハハハ あ ホント きょうだい? あ そう。 じゃ いってきます ハハハハハ。」

恵達「何だって?」

恵里「あ 柴田さん いい人だよ。」

管理人室

恵里「というわけで まだ分かりませんが しばらく 私の部屋にいることに。」

みづえ「そう…。」

恵達「よろしくお願いします。」

みづえ「大変だったわね 戦争の時は…。」

恵達「え?」

みづえ「どこに いらしたの? 大丈夫だった?」

恵達「はい 僕は まだ そのころ 生まれていなかったので だから 大丈夫でした。」

みづえ「そう。」

恵達「はい。」

みづえ「ウフフフフ…。」

ゆがふ

兼城「弟も来た?」

恵里「はい 来ちゃいました。」

兼城「今日は 何してるって?」

恵里「なんか 楽器店とか レコード店とか 行きたい所いっぱいあるみたいで。」

兼城「そうねぇ 今度 連れておいでね。」

恵里「はい。」

兼城「いや でも 悪いねぇ 恵里ちゃん。」

恵里「いえ とんでもないです。 店の大事なお金 なくしたから 私。」

(戸が開く)

恵里「あ…。」

黒島「どうも…。」

恵里「どうも…。」

兼城「あ この間の…。 また 営業前だね きみは。」

黒島「あの すみません。」

兼城「あ?」

黒島「ごめんなさい ホントにごめんなさい。」

兼城「何を そんなに『ごめんなさい』してるわけ?」

黒島「あの… あの… まだ 開店前なのに ごめんなさい。」

兼城「そういうことか…。」

恵里「あ そんなの 全然 気にしなくて いいですよ 営業時間なんて あって ないようなもんですから。」

黒島「ありがとうございます。」

恵里「じゃ 今日は 私のおばぁ直伝の イリチーチャーハン どうですか? 食べてみます?」

黒島「イリチーチャーハン? 食べたいねぇ。」

恵里「チョット 待ってて下さいね。」

黒島「ごちそうさまでした。 おいしかったです。 本当に おいしかったです。」

恵里は 妙な気持ちを 感じていました。 この人の笑顔を見て 何か つかめたような気がしたのです

42話

モバイルバージョンを終了