2001年5月28日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】49話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里はバイト先の「ゆがふ」で、自分が提案したランチ作りに精を出します。雑誌にも掲載されて店は大繁盛しますが、常連客からは心安らぐ場所ではなくなったと反発されます。そのため、店を紹介するテレビの生放送で、恵里はランチを止めると宣言します。落ち込んでいたその日の夜、一風館に大音量が鳴り響きました。肺炎をこじらせた島田がヘッドフォンを耳に当てたまま部屋で倒れていました。恵里は親身になって世話をやきます。
49話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第49回 「暁(あかちち)のアリア」
ゆがふ
兼城「よく撮れてるね?」
恵里が始めた お昼の 営業は 見事に 大当たり。
『ゆがふ』は 連日 大盛況です
一風館
グアテマラ
真理亜「自分で ああいうことが やりたいんだったら 自分で 金ためて 店 出しなよ。」
容子「でも それは。」
恵里「それは 真理亜さんの 言うとおりかもしれないけど 店長だって 喜んでくれてるし。」
真理亜「私には そう見えなかったけど…。 あんなふうに忙しくして もうけようと思って あの店やってる訳じゃないよ あの人は…。」
ゆがふ
店内
恵里「はい お待ちどおさまでした!」
店員「ありがとうございました!」
恵里「(寒気を感じる)お~っ!」
兼城「どうした? 恵里ちゃん。」
恵里「いや なんか 今 寒気っていうか ブルブルってきて…。」
兼城「大丈夫ね? 風邪かね?」
恵里「いや そんなことないみたいです。」
兼城「忙しいからね ここのところねぇ。 大丈夫ね? 昼も夜もでしょ?」
恵里「いえ 店長だって そおうですよ。」
兼城「俺は 大丈夫さぁ 頑丈に できてるのに 子供のころら 沖縄の太陽(てぃだ)浴びて 沖縄の料理で 大きくなったんだから。」
恵里「それなら 私もですよ。」
兼城「そうだよね。 そうか そうか だけどさ 丈夫ってのも 切ないよな。 ホラ よく テレビなんかで 倒れてしまうのがあるさ。]
兼城「あれ あこがれるよねぇ。 カッコいいさぁ。 フラッとしてみたいよ ホントに。」
恵里「え~…。」
客1「俺のチャンプルー まだ?」
兼城「はい! すみません。」
客2「ね まだ できないの?」
兼城「しゃべってる暇もないな。」
恵里「すみません。」
兼城「何が すみません?」
恵里「いえ。」
客3「ね チョット!」
恵里「あ はい! すみません!」
(戸が開く)
恵里「いらっしゃいませ!」
仲間「また いっぱいか…。」
兼城「ごめんね ホントに。」
高良「いつから こういう店に なってしまったかねぇ。」
仲間「また 来るよね 帰ろう。」
客4「行きましょう。」
兼城「ごめんねぇ。」
店前
恵里「あの…。」
仲間「ああ 恵里ちゃんか…。」
恵里「すみませんでした。」
高良「あのさ 言いたくないけどさ 何で こんな店にしてしまった訳?」
仲間「やめろって。 ごめんね。 コイツは 酔っぱらってるから 連れて帰ろうね。」
高良「酔っぱらってなんかいないさぁ 全然 つまらん。」
仲間「何 勝手な事 言ってるか 商売だから 繁盛した方がいい。」
高良「そんなこと 分かってるさ でもさ 兼城さんは もうけなんか どうでもいいって 俺たちが 気軽に いつでも 寄れるような店だからって ウチナンチュー以外は 断ってたのさ。 それが 何で こうなってしまう訳。」
仲間「やめろって。 ごめんね。」
恵里「いえ そんな。」
高良「何が『ゆがふ』か! 何が 楽園だ!」
北栄総合病院
文也「(ため息)」
菊池「なあ 上村。」
文也「ん?」
菊池「お前 よく 平気だったな。」
文也「何が?」
菊池「解剖実習だよ。 皆 ゲッソリ めげてたよ。 平気な顔してるの お前と西宮だけだもんな。」
菊池「成績のいい お二人は 違いますね。 あ メシ食いに行くけど どう?」
文也「いや 俺は いいや。」
菊池「ま 俺たちと 話 合わないもんな。 じゃあね。 …おう メシ 食い行くぜ。」
「行こうぜ」
遥「ねえ。」
文也「え?」
遥「何で 上村は 群れないって いうか いつも1人なの?」
文也「ああ 別に 意味は ないけど。 もともと 勉強できないのに 医大なんか 入っちゃってさ。 寝る間も惜しんで 勉強しないと 追いつかないわけ。 一発で 合格したいしね 国家試験には…。 親に負担も かけるし。」
遥「ふ~ん。 何で そんなに 医者に なりたいの?」
文也「え。」
遥「聞いちゃいけない質問だった?」
文也「え? 何だよ 突然。」
遥「興味あるから 上村に。」
文也「あ そりゃ どうも。」
遥「親が医者って訳じゃ ないでしょ?」
文也「うん 別に。 そっちは どうなの?」
遥「私?」
文也「うん。」
遥「私は… う~ん 私 生まれた時から 知能指数 かなり高いんだ。」
文也「は?」
遥「だから それを いかせる仕事は何かなと思って 無駄にするべきじゃないでしょ。」
文也「はあ。 とりようによっては 嫌みだよね ずいぶん。」
遥「そう? で どうなの?」
文也「俺? そうだな…。 もうかりそうな 仕事だなあと思って。」
遥「ふ~ん。」
文也「何だよ。」
遥「そういうウソ つくんだ?」
文也「え?」
遥「実は 困ってる人を助けたいとか 思ってたりして。 まあ いいや。 …ねえ。 私たちって 結構 お似合いよね?」
文也「それは どうも 光栄ですね。」
遥「うん 今度誘うから 断らないでね。」
文也「はぁ。」
遥「じゃ またね。」
文也「変な女…。」
文也「医者か…。」
回想
『命(ぬち)どぅ宝』 何よりも 人の命が 一番 大切という事。 和也君みたいな子は 多分 神様に 選ばれたんだねぇ。 この世界 生きている人に 『命が 一番 大切』という事を 忘れさせないように するためにさぁ」
回想終了
文也「青臭い…。」
雑誌をパラパラめくる文也
おやおやおや 神様も意地悪だねぇ そこに 恵里がいるんだよ 文也君。 しかもねぇ… 今 恵里は 弱っているのさぁ。
あんたに会いたくて でも 我慢してるんだよ。 文也君が 見られなかっただけでなく よりによって あの男の目に とまってしまうとはねぇ
恵尚の勤め先
先輩「テッテッテ… あ しんきくさい。 あんたは いつまで食べてんの! さっさと食え
! 仕事が残ってるで!」
恵尚「はい!」
先輩「ふん しんきくさい。」
恵尚「食事くらい ゆっくり とろうねぇ 体に悪いさ… 全く…。 ん? あ~!」
先輩「コラ~! なんて声 出すんだ!」
恵尚「恵里! 今 行くからよ。 待ってろよ! 恵里!」
一風館
グアテマラ
部屋に足音が近づいてくる
真理亜「うわぁ また 来やがった。」
ノックしようとして思いとどまる恵里
廊下
真理亜「はっ!」
容子「どうしたの?」
真理亜「あ 何でもない。」
容子「あ 恵里ちゃん。」
真理亜「何よ。」
容子「心配なんだ?」
真理亜「は? そんな訳ないでしょう。」
容子「そうだよね。 多分 恵里ちゃん お店の事で 落ち込んでるんだよ。 あんたが あんな事 言うからだね。 だから 心配してるんだ。」
真理亜「何 それ? 何 楽しそうな顔 してんの? バカみたい…。」
容子「かわいいとこ あんのよねぇ。 う~ん…。 ま ほっとくか。」
ダイニング
恵里「(ため息)」
あ~あ とうとう ため息まで ついてしまったねぇ
ゆがふ
兼城「ありがとうございました。」
恵里「ありがとうございました。」
兼城「はあ やっと 落ち着いたねぇ。」
恵里「はい…。」
兼城「一服しようか。」
恵里「休んで下さい。 あ コーヒーでも…。」
兼城「いいねぇ 恵里ちゃんも それ 後で いいよ。」
恵里「ええ。店長。 」
兼城「あ? どうした?」
(戸が開く)
恵里「いらっしゃいませ!」
恵尚「ハイサイ ハイサイ ハイサイ ハイサ~イ!」
恵里「あ!」
兼城「ん?」
恵里「兄い兄い…。」
兼城「え?」
恵尚「おう 恵里! もう大丈夫だからよ。 俺が来たからにはよ! ハハハハハ。」
恵里「はっ?」
恵尚「俺に任せておけば 大丈夫さぁ。 ハハハハハ。」
恵里「何が 大丈夫なの?」
恵尚「だからよ…。」
恵里「あ 店長。 あの 私の兄です。」
兼城「兄い兄い? 恵里ちゃんの? 次から次へと やってくるねぇ 古波蔵家は…。」
恵尚「はい! 店長! ハハハハハ。」
兼城「ハハハハハ。」
恵尚「店長 頑張ろうねぇ ハハハハハ。」
恵里「チョット どうしたの? 兄い兄い。」
恵尚「だからよ 俺は この小さな店を 大きな立派な店に しようと やってきた。」
恵里「は?」
兼城「悪かったね 小さくて。」
恵尚「はい 気にしない 気にしない。」
恵里「何で? 何で よりによって。」
恵尚「何 言ってるか 恵里。 ホラ!」
恵里「あ!」
恵尚「お前の『兄い兄い 助けにきて』の メッセージ ちゃんと 受け止めたさぁ。」
恵里「出してないよ そんなメッセージは。」
恵尚「気にしない気にしない ねぇ 店長。」
兼城「ふふん。」
恵尚「何よ 恵里。」
恵里「いいから ホラ。」
恵尚「何よ そんな強く 引っ張って。」
恵里「あのさ 兄い兄い。」
恵尚「ん?」
恵里「気持ちは うれしいけど 今さ そういう事になってないんだよね。」
恵尚「ん?」
藤原「どうも 突然 お邪魔します。」
兼城「どちらさまで?」
藤原「申し遅れました。 私 こういう者でございますが。」
兼城「『関東テレビ プロデューサー』テレビ関係の人ね?」
藤原「はい 私どもの局で 昼間の 生放送番組がございまして その番組で ぜひ このお店から 生中継を させて頂きたいと思い お願いに あがったんですが…。」
恵里「え?」
兼城「は?」
恵尚「来た 来た 来た 来た 来た!」
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