2001年6月6日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】57話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
連日、病院のナースステーションに出向き、看護師の聡子に教わりながら、島田を看護する恵里。ある日、退院する子どもを笑顔で見送る看護師たちの姿に心を打たれ、看護師になろうと決意します。少女の頃、小浜島で和也の死に接したことや「命は宝(ぬちどぅたから)」というおばぁの言葉を思い出し、天職を得た気持ちでした。看護大学受験という人生の方向が見え始めたとき、恵里は大学病院の廊下で大人になった文也と再会します。
57話ネタバレ
連続テレビ小説 ちゅらさん 第57回 「太陽(てぃだ)、見つけた!」
一風館
ダイニング
恵里「どう思います? 皆さん。 え? あれ? どうしました?」
容子「いや『どうしました』って 看護婦さんになる? 恵里ちゃん。」
恵里「はい そうです。」
容子「はあ…。」
恵里「ダメですか?」
容子「いや ダメってことはないけど。」
恵里「あ よかった。」
容子「いや『よかった』って…。 でもさ 恵里ちゃん 看護婦さんって なりたくても すぐ なれるものじゃないんでしょ?」
恵里「あ はい。」
容子「何年も 学校行ったりしないとさ。」
恵里「そうですよね。」
容子「『そうですよね』って 知らないの?」
恵里「はい 今 決めたんで これから…。」
容子「ああ そうなんだ。」
恵里「はい すみません。」
真理亜「え~! また 始まった。」
恵里「え? なんです?」
真理亜「まさかとは思うけどさ あんた 島田さん 看病して 治るのを見て 感動して それで『私も看護婦になりたい』と そういう幼稚園児みたいな 発想じゃないわよねえ。」
恵里「そのとおりですけど。
真理亜「やっぱり…。」
恵里「ダメですか?」
真理亜「ダメってことは ないわよ。 あんたの人生だからさ 看護婦になろうが 医者になろうが 総理大臣になろうが ダメでない。」
恵里「そうですよね。」
真理亜「でも あんたさ。」
恵里「はい。」
真理亜「チョット前に あそこの店で 自分が作った料理 食べてくれて 喜んでくれた顔が 忘れられなくて あの店で 料理 始めたんでしょ?」
恵里「はい そうです。」
真理亜「それがさ病人看病すると 看護婦になる? じゃ なに あんたは 歌 歌って 誰かに喜ばれたら 歌手になる訳? どうなの?」
恵里「真理亜さんって…。」
真理亜「何よ。」
恵里「結構 意地悪ですね。」
真理亜「あのね! 私は ず~っと意地悪 ず~っと!」
容子「そうでもないけどね。」
真理亜「何よ? その言い方!」
容子「最初のころは そうだったかも しれないけど 最近は でも 結構 愛をかんじるけどな 私には。」
真理亜「うわぁ~ やめて!」
柴田「あの… 今は 恵里さんが看護婦になるっていう話が テーマなので。」
恵里「そうでした。」
真理亜「だから 何よ。」
恵里「同じなんです。」
容子「同じ?」
真理亜「何が?」
恵里「私が『ゆがふ』で 黒島さんに 料理を食べてもらった時の笑顔 あ 私 病院のナースステーションで 退院していく患者さんを 見たんですけど その時の笑顔と 同じなんです。 ホントに 同じなんですよ。」
恵里「そういう笑顔が 見られる仕事って 最高だなって 思ったんです。 キーワードは 笑顔ですね はい。」
真理亜「何がキーワードだ まったく。」
恵里「それに なんか私 変なんですよ。 私… 何度か 病院に通ってたんですね。 それで ナースステーションに 通ってたんですけど 何ていうのか 知らないうちに 足が向くんです。 なんか 分からないんですけど あそこは 私の居場所だという…。」
恵里「あそこには 私を必要としている 人がいるって そんな気がします。 これは 運命です。 きっと きっと そうなんです。 それに その病院のベテランの看護婦さんにも 『いらっしゃい』って言われた…。」
北栄総合病院
聡子「う!」
一風館
ダイニング
容子「はあ…。」
真理亜「ついていけない 私には 理解不能。」
恵里「そうですか?」
みづえ「運命ねぇ なんか すてきね。」
恵里「そうですよね。」
容子「運命って 言われちゃうとねぇ。」
恵達「また それか。」
柴田「僕は…。 僕は 賛成です。 恵里さん 向いてると思いますよ きっと。」
恵里「え? 本当ですか? そう思います?」
柴田「はい。」
容子「向いてるっていうのは 私も そう思うけどね。」
恵里「え? やっぱりですか? うれしいなぁ。」
容子「うん まあねぇ。」
柴田「いいですね 白衣の天使 ピッタリです。 僕 応援します。」
恵里「ありがとうございます。 白衣の天使か…。 いや 参ったな。あ。」
真理亜「スケベ!」
柴田「え? なんてことを言うんですか そんなんじゃ ないですよ。 僕はですね 北海道の別海町という場所で 育ったんです。」
柴田「家は 牧場でして 母親が ケガで ずっと入院していた…。 町の中央病院に バスで 1時間半ぐらいの所で 冬になると 大変なんです。 でも 子供だから母親に会いたい。」
恵里「はい。」
柴田「やっぱり 行くわけです 吹雪の中。その病院には 優しくて きれいな 看護婦さんがいて あ 典子さって 松下典子さんて 看護婦さんがいて 僕が病院に行くと 必ず あったかいココアをいれてくれる…。 僕の初恋の人でした。」
恵里「そうですかぁ。」
柴田「はい 母が退院する時も『いつでも ココア飲みにおいで』って『いつでも 遊びにおいで』って 言ってくれたんですよ。」
恵里「へえ…。」
容子「で 行ったの? また。」
柴田「はい もちろうん 行きました。」
容子「え?」
真理亜「普通 行かないわよねぇ。」
容子「そうよねぇ。」
柴田「え そうなんですか?」
恵里「で 初恋は どうなったんですか。」
柴田「実は その人 結婚していることが 分かったんです。 ショックでした。」
容子「初恋が 不倫だったんだ。」
柴田「そういう言い方をすると なんか。」
真理亜「幸せには なれないわね きっと。」
柴田「そうなんですか?」
真理亜「だいたいさ 疑問なんですけど 何で 私たちは こんな話をするの。 家族でもないのに まるで 家族会議だわこれじゃ…。」
みづえ「いえ 家族みたいなものですよ。」
真理亜「そういうアパートじゃないでしょ?」
恵達「あの すみません 家族なら ここに。」
恵里「恵達!」
容子「あら?」
みづえ「お帰りなさい。」
恵達「どうも ただいま。」
恵里「あんた いつ 戻ってきたの? ずっと そこに居たの? いつから。」
恵達「『看護婦になりたいんです』って 言った時から。」
恵里「あ そうなんだ。 な~んだ ま そういうことなのよ。」
恵達「『そういうことなのよ』じゃない。 本当に 皆さん すみません。」
恵里「何で あんたが謝るの? いいから 部屋へ行こうか。 姉え姉え ホラ。」
恵里「チョット 何よ。」
恵達「いいから!」
恵里「すみません。 お先に。」
北栄総合病院
聡子「うわぁ! …ビックリした。 もう 脅かさないでよ。」
看護婦「主任 肩凝ってますね。」
聡子「そうなのよ あんまり 凝るタチ じゃなかったんだけどねぇ。」
看護婦「年のせいですか?」
聡子「でもさ なんか 普通の肩凝りと 違うのよね。 なんていうんだろ 何かが こう 私の背中に のしかかってるみたいな そんな感じなのよ。 重いのよねぇ 何だか。」
看護婦「エヘヘヘ 背後霊じゃ…。」
聡子「背後霊? やめてよ そんなの。」
看護婦「点滴 見てきます。」
聡子「お願いね。」
背後に恵里が写るw
聡子「ひ!」
恵里「よろしくお願いしますねぇ。」
聡子「え…?」
一風館
マンデリン
恵達「チョット 無理だよ。」
恵里「何で?」
恵達「『何で』ってね 看護婦学校は 結構 入るの 大変なんだよ 難しいよ。 知ってるの?」
恵里「知らない。 そうなの?」
恵達「そうだよ。」
恵里「そうか…。 じゃ 頑張らないと いけないね。」
恵達「いや そうじゃなくて 無理でしょ?」
恵里「何で? 大丈夫さ 姉え姉えはさ ここ一番の集中力は すごいんだ。」
恵達「そう言ってて 大学 落ちただろ。」
恵里「嫌な子だね あんた ホントに。」
恵達「そういうさ 大変だって事も 知らないで どうして 決める訳?」
恵里「何で? だって 『なる』って 決めてから どうやってなるか 考えるでしょう?」
恵達「そう言われれば そうだけどさ。」
恵里「そうでしょう?」
恵達「突然なんだよ いきなりだからさ いつも 姉え姉えは…。」
恵里「そんなの しょうがないさ。」
恵達「(ため息)」
恵里「それで あんたは どうなの? ちゃんと 話してきたの?」
恵達「うん してきたよ。」
恵里「それで?」
恵達「俺の事は どうでもいいの。」
恵里「よくないさ ちゃんと 姉え姉えに 報告しなさい。 どんなふうに 話して 出て来たのか…。 でないと ここに 置いてあげない。」
恵達「ずるいぞ そんなの。」
恵里「何でよ 当たり前さ ここは私の部屋だよ。」
ダイニング みづえと島田
島田「ああ うまい。」
みづえ「そう? なんか 面白いわ 今 このアパート。 昔の東京は こんなだった。 島田さんにも 出ていって もらわないでも すみましたね。」
島田「あ~あ ハハハハ あ どうも ごちそうさまでした。」
みづえ「いいえ。 面白いわねぇ あの子は。」
島田「うん …ただ。 看護婦に ああいう子は 向いてるかもしれない。 ただ 一番最初に 挫折するのも ああいう子なんだな。」
翌日 管理人室
恵里「おはようございます。 昨日は どうも。 じゃ 行ってきます。」
みづえ「行ってらっしゃい。」
北栄総合病院
聡子「お先にね。」
看護婦「お疲れさまでした。」
聡子「あ~ おなか すいた~。」
振り返れば奴がいるw
聡子「ひ!」
恵里「どうも…。」
聡子「あ… 本物?」
恵里「は?」
聡子「いえ 何でもないです。 今日は 何? なんか 余り聞きたくない感じ…。」
恵里「はい。 いろいろ 教えて頂きたい ことが ありまして。」
聡子「ハハハハ 何だろ? ハハハ。」
恵里「よろしく お願いします。」
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