2001年6月30日放送の【 連続テレビ小説「ちゅらさん」】78話のネタバレです。
現在は(2020年12月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
あらすじ
恵里の恋に一役買おうと、おばぁが一風館にやってきました。恵里の勤める病院を訪れ、文也と恋敵の遥に会ったおばぁは、恵里の恋の厳しさを悟ります。おばぁの上京は恵里のためだけでなく、自分の初恋の人を探すためでした。長男・恵尚の奔走もむなしく、その人はすでに亡くなっていました。「恵里は自分が傷つくのが恐くて逃げてるんじゃないか。自分の思いをぶつけてごらん」とおばぁは言って沖縄に帰りました。
78話ネタバレ
連続テレビ小説「ちゅらさん」78話「おばぁの秘密」ネタバレ
ハナ「恵里。」
恵里「ん?」
ハナ「初恋はね 実らんでもいいさぁ。」
恵里「え?」
ハナ「実らん方が いいかもしれんよ。」
恵里「おばぁ…。 どういう意味?」
ハナ「初恋というものは いい思い出さ。 たとえ 実らなくても いい思い出さ。 こうやって年をとっても 思い出すだけで 何か 甘酸っぱい気持になってさ 思い出すだけで その頃に戻れる いい思い出さ。 皆が持ってる いい思い出っさぁ。 分かるね? 恵里。」
恵里「うん。」
ハナ「でも 恵里は 今のままでは いい思い出に ならんかもしれんよ。」
恵里「え?」
ハナ「文也君との事が つらい思い出に なってしまうさ。 おばぁは 今の恵里は あまり 好きじゃないさ。 恵里は 逃げていると思う。 自分が傷つく事が怖くて。『もう自分はいいいさ あきらめたさ』と 逃げているだけだと思うさ。」
ハナ「嫌な思いをする事から 逃げていては幸せにはなれない。 ちゃんと ぶつかってごらん。 恵里。 でないと いい思い出にならんよ せっかくの 恵里の初恋が。」
ハナ「おばぁは あの人を追って 東京に来た時 逃げなかったよ。 ちゃんと 自分の思いを伝えたさ。 だから いい思い出も出来たし おじぃとも 幸せになれたさ。 おばぁは そう思ってるさぁ。」
恵里「うん。」
ハナ「怖いね? その気持 おばぁは 分かるさ。 乗り越えなさい。 恵里。」
恵里「おばぁ。」
一風館
マンデリン
恵達「どう思う? 兄い兄い?」
恵尚「『どう思う』って? 決まってるさ デビューした方が いいに決まってるさ。」
恵達「そうかな?」
恵尚「そうさ ビッグチャンスさ されは。」
恵達「でも ずっと一緒にやってきた 仲間だよ。」
恵尚「お前は もし 仲間1人が売れた時 そいつを 裏切り者だと思うか?」
恵達「そんな事は 思わないけど。」
恵尚「怖いんだろ? 傷つくのが。 傷つく事から逃げてるだろ? お前は。 もし仲間に気を遣って せっかくの チャンスを棒に振ったとするさ。」
恵尚「俺が仲間なら 怒るよ。 失礼だよ それは 仲間に。 選ばれたやつは 前に進むしかないさ。 振り返るのは 失礼というもんさ。」
恵達「兄い兄い。」
恵尚「お前は 俺に言われなくとも 分かっているだろ? でも いいね。」
恵達「え?」
恵尚「恵里も恵達も 何か いいよ! ちゃんと 夢 見つけててよ。 夢に向かって 走っているさ。 俺は いまだ 夢を捜す 人生の旅人だからよ。」
恵達「そういえば兄い兄い 何歳になる?」
恵尚「それは 言わないで。」
恵達「そうか。」
(ドアが開く)
恵里「ただいま!」
恵尚「おう お帰り。」
恵達「お帰り。」
恵里「おばぁ 明日 帰るって。」
恵達「え? 帰るの?」
恵里「うん 帰るって。」
恵達「そっかあ。」
恵里「うん。」
恵尚「俺も 帰ろかね 沖縄に。」
恵里「兄い兄いも帰るの?」
恵尚「うん。 だって 恵里も恵達も東京にいて おやじさんと おふくろ 寂しいよ。 かわいそうさ。」
恵里「兄い兄いには…。」
恵達「言われたくないよ!」
恵尚「そうか。」
ダイニング
みづえ「寂しいわ もっといろいろ お話したかったのに。」
ハナ「みづえさんも 沖縄においで。」
みづえ「沖縄ねえ。」
ハナ「そうよ。」
みづえ「私ね 簡単には考えられなくて…。 沖縄って所。 とてもいい所だとは思うんですよ。 でも あの戦争の事を思うと。 気軽には遊びに行けない気がして。 何だか つらいんですよね。」
ハナ「そうであるねぇ。 でもね 私は みづえさんみたいな 人に 来てほしい。」
みづえ「え?」
ハナ「来てほしいわけさ 沖縄に。」
みづえ「ありがとう。」
ハナ「人に優しいよ 沖縄はね。 悲しい事 いっぱいあったし 今も いろいろあるさ。 でも 悲しい事 いっぱい あったからこそ 人に 優しいんじゃないかと 思う。」
みづえ「そうなんですよね。 行ってみようかしら?」
ハナ「約束よ。 必ずよ!」
みづえ「はい 分かりました。」
ハナ「そうだ! 新婚旅行に いらっしゃい。」
みづえ「え? あら そんな!」
中庭
真理亜「もう!」
容子「おう! 来たわね。」
真理亜「来たわよ。」
恵里「仕事 大丈夫なんですか?」
真理亜「何が『大丈夫ですか?』よ。 うるさくて仕事に なんないわよ。」
恵里「そうか すみません。」
容子「いいでしょ。」
真理亜「何が いいのよ?」
ハナ「真理亜さん 飲もうね。」
真理亜「いただきます。 どうも。」
容子「何 書いてるの?」
真理亜「ないしょよ。」
恵里「気に なりますよね!」
ハナ「読んでみたいね。」
真理亜「絶対 教えません。」
恵里「ケチさあ。」
真理亜「ケチです。」
ハナ「でも あれだね。」
容子「何?」
ハナ「東京の男は 女を見る目がないね。」
恵里「何で?」
ハナ「独身の こんな いい女が4人で 酒を飲んでいるさね。」
真理亜「4人? 1 2 3」
ハナ「4!」
真理亜「は?」
グアテマラ
真理亜の執筆中の原稿を読むハナ
ハナ「『また 会おうね』?」
ハナ「あ! そう!」
翌日
ハナ「お世話になりました。」
みづえ「どういたしまして。」
ハナ「約束よ みづえさん。 お願いしますね。」
ハナ「島田さん 沖縄で待っているさ!」
島田「え? 何の話ですか?」
ハナ「ないしょ。」
島田「おばぁも 元気でね。」
恵尚「じゃ おばぁ。」
恵里「おばぁ!」
ハナ「ん?」
恵里「兄い兄いを よろしくね。」
ハナ「うん 分かった。」
恵達「頼むね 兄い兄いを逃がさんでよ。」
ハナ「ああ 逃がさんさ。」
恵尚「恵達!」
恵達「サンキューね。」
恵尚「おう!」
恵里「おばぁ。」
ハナ「何ね?」
恵里「ありがとうね 本当にありがとう。」
ハナ「恵里。 恵達も ちばりよ!」
恵達「うん。」
恵尚「じゃ 行こうね。」
みづえ「お気をつけて。」
上村家
(ノック)
文也「はい。」
静子「コーヒー飲む?」
文也「ありがとう。」
静子「どう? 病院の方。」
文也「来週から待望の内科。」
静子「う~ん。」
文也「それで内科に看護婦で恵里がいる。」
静子「恵里ちゃん? そうなの?」
文也「まさか 一緒に仕事する事に なるとは 思わなかったな。」
静子「そうよね。」
文也「なんか 不思議な縁だよね。」
静子「そうね。」
北栄総合病院
ナースステーション
患者「つめ切りを貸して下さい。」
祥子「はい。」
文也「おはようございます。」
文也「おはようございます。」
遥「おはようございます。」
聡子「あ! 今日からね。」
文也「はい 今日から内科に来る事に なりました。 上村文也です。 どうぞ よろしくお願いします。」
(拍手)
遥「西宮 遥です よろしくお願いします。」
(拍手)
恵里 いよいよ 勇気を出す時が きたよ!
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