連続テレビ小説「あまちゃん」27回「おら、先輩が好きだ!」

回想

(チャイム)

1984年(昭和59年)

菅原「天野君? ねえ 天野君! 交換日記書いだから読んで。」

春子「うっせえ 学校で話しかけんなって 言ってんべ。」

菅原「ああ ごめん…。」

回想終了

大吉「交換日記やってたんだ。 へえ~。」

菅原「あれ? しゃべってませんでしたっけ?」

大吉「いや~ 聞いてないですね。 交換日記は聞いてないですね。」

春子「3日で終わったけどね。 ヘヘヘッ。」

功「ず~っとね 気になってたんだよ。 家出する子は ほかにも いたけどね。 数日たつと 帰ってくるか 補導されるか。 ところが 天野は…。」

菅原「本格的に 行方不明だったですもんね。」

美寿々「捜索願い出せば いがったのに。」

功「いや そう言ったんだけどもね お母さんが『大丈夫です。 腹が減ったら 帰ってきます』って。 頑として 断ったんだよ。」

大吉「まさか 24年も帰ってこねえとはな。」

春子「腹 減んなかったんじゃないの? あっ 先生だって あのころ まだ 独身でしたよね。」

功「え? ああ… そうだね。」

美寿々「若くて きれいな奥さん もらったのよね。」

菅原「20歳年下の 元女子プロレスラーでしたっけ?」

功「元女子アナだよ。」

菅原「ああ…。」

功「適当だな~ 菅原は もう…。 殴るぞ!」

菅原「うわっ!」

(笑い声)

功「いや 北鉄が開通した年に 結婚をして その翌年に 長男が生まれたの。」

観光協会

栗原「足立君 まだ帰らねえの?」

ヒロシ「はい。 何か やりかけちゃったんで。 うっ… よ~し。」

栗原「その焼き肉屋 もう 潰れたよ。」

ヒロシ「え?」

栗原「今 回転ずし。 お先に。」

ヒロシ「えっ? 今 つけちゃった…。 あっ!」

スナック・梨明日

功「遅くに生まれた子だからね。 甘やかしちゃいけないって 意識し過ぎたのが よくなかったのかな…。 高校入った辺りから 完全に心閉ざししてしまってね。 そうなると もう 悪循環。」

功「あいつの物のしゃべり方 目つき 飯の食い方 何もかも気に入らないんだ。 まあ 不思議なもんでね 自分の学校の生徒なら どんな不良だって いいとこ見つけられるのに 我が子の事となるとね。」

春子「いい子ですよ ヒロシ君は。」

功「え?」

春子「いい子です あの子。 まあ どこがって聞かれたら そんなに親しい訳じゃないし そもそも 今の世の中 いい子だからって 得するとは限らないけど とりあえず いい子だと思う。 あっ すいません 何か…。 でも ホントに 悪い子の私が言うんだから 間違いありません。 ヒロシ君は いい子です。 ねっ そう思わない?」

大吉「んだな うん。 ちょっと暗いし 顔色悪いけど それで 何 考えてるか 分かんねえとこもあるし だけど 聞けば ちゃんと答えるし 自分の考え ちゃんと持ってるし。」

功「あっ そう。」

菅原「はい。 真面目で気が利くし 何より パソコンできるのは ヒロシ君しか いないんで うちには もう なくてはならない存在ですね。」

功「あっ そう。」

菅原「ええ。」

功「そうか。」

菅原「はい。」

大吉「足立君頼みだもんな 観光協会は。」

菅原「はい!」

春子「ホント。 ねっ? いらっしゃい!」

美寿々 春子「うわ~!」

ヒロシ「親父…。」

功「ヒロシ お前 いい子らしいな。」

ヒロシ「え?」

功「いや 俺には お前のよさは 全然 分からないけれども 俺の教え子が そう言ってんだから そうなんだろう。」

ヒロシ「何だよ… 酔っ払ってんの?」

ヒロシ「いいから 座って飲め。」

春子「座って 座って 早く。」

ヒロシ「じゃあ バーボン ロックで。」

春子「バーボン ロックね。」

功「ロックなんて 100年早い。 水割りにしろ。」

ヒロシ「いつも ロック飲んでるのに…。」

功「うるせえ ストーブのくせに。 ストーブ。」

春子「ストーブ?」

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