かつ枝「アキ 起きろ この野郎 こら こら!」
弥生「何だ おめえ 耳まで真っ赤でねえか。 風邪か?」
アキ「怖え夢見た。」
弥生「どんな夢だ?」
アキ「弥生さんになる夢だ。」
花巻「夢で いがったな。」
天野家
アキ「ねえ ばっぱ ヘルメット潜水って知ってる?」
夏「ああ 南部もぐりか。」
アキ「そうそう! うちの高校にも 潜水土木科っていうのがあって 今日 見学したの。 かっこよがった~。」
夏「そりゃあ そうだ。 南部もぐりは 男の花形。 北の海女は 女の花形って 昔から 人気あってよ。 おめえのじい様も 潜水土木科出身だ。」
アキ「じぇ! そうなんだ。」
夏「もしかして おめえ やりたぐなったのか?」
うなずくアキ
夏「おめえには無理だべ。」
アキ「何で?」
夏「何でって やっと ウニ一個取れたばっかりで おめえ 海の底で 力仕事は無理だべ。 そんな 甘いもんじゃねえ。 でも まあ じい様は喜ぶだろうな。」
アキ「何だよ~ さっきから。 やらせたいの? やらせたくないの? どっち?」
夏「おら 知らねえ。 …つうか 面倒くせえ。 母ちゃんと相談して 決めろ。」
アキ「え~? ねえ ばっぱ!」
夏「あ~ うるせえな おめえは もう!」
<そのころ スナック梨明日に 珍しいお客さんがやって来ました>
スナック・梨明日
功「ハッハッハッハッ! いや~ 分かんないもんだ。 北高一のスケバン天野が スナックのママとはね~。」
春子「やめてよ 先生 人聞きの悪い。」
美寿々「そんなに悪かったの?」
菅原「いや~ それは もう…。 スカート ズルズルの マスクして かばん こったに潰して 学校さ通ってたもんな。」
春子「はあ もう恥ずかしい…。 もう やだやだ 飲んじゃう 飲んじゃう!」