皆が寝た後仕事場で作曲作りをする裕一
コロンブスレコード
廿日市「『福島行進曲』。」
裕一「はい。 地元で新聞記者やってる 友人が書きまして…。 あっ もともと 作詞家志望で かなり才能のある男なんです。」
廿日市「ふ~ん…。」
裕一「歌い手は 今 東京帝国音楽学校で 声楽の勉強してる 僕の友人 佐藤久志に頼もうかなって…。」
廿日市「ちょっと黙ってて。」
裕一「あっ はい。 す… すいません。」
廿日市「そうねえ…。」
杉山「私は とてもいい曲だと思いますが。」
廿日市「えっ そう?」
杉山「横浜に地方小唄の話は 結局 流れてしまいましたし ほかのレコード会社が まだ目をつけていない 東北方面の地方小唄なら 話題にもなりやすいかと。」
廿日市「あっ そう… じゃあ これで作ってみようか。」
裕一「えっ?」
録音室
こうして 裕一の初めてのレコードが吹き込まれることになりました。
裕一「あっ… 今日は よろしくお願いします。」
杉山・小田「よろしくお願いします。」
杉山「スタジオへ ご案内します。」
ただし 歌うのは久志ではなく 廿日市が連れてきた女性歌手。 無名の学生を いきなり器用するのは さすがに難しかったようです。
小田「いつでも始められるよ。」
裕一「では…。」
川野三津代「♬『胸の火燃ゆる宵闇に 恋し福ビル引き眉毛 サラリと投げたトランプに 心にゃ金の灯愛の影』
上京して2年 ついに裕一はプロの作曲家デビューを果たしたのです。
デビューまで長い道のりでした。裕一さんの下積み時代はとても長いものになりましたね。
音さんと吟さんの絡みは8話のやりとりを思い出しましたw