イタリア
環は 『蝶々夫人』の公演が行われる イタリアに向かいました。 オーディションには 世界各国から 歌手が集まっていました。
参加者1「何?清掃員が並んでるわ」
参加者2「やめなさいよ 失礼よ!」
審査員「ネクスト。 ジュリア。 プリーズ カム イン。」
参加者の審査が終わった後 オーディション会場に乗り込む環
カフェ
里子「えっ? 『蝶々夫人』のオーディションに 押しかけた?」
環「出ていけって 追い出されそうになったんだけどね その中の1人の人が 1曲だけ いいじゃないですかって言ってくれて 歌ってきた。」
里子「へえ…。 環ちゃんって 意外と大胆ね。」
環「嗣人さんに刺激を受けたの 気付いたら イタリアにいた。」
里子「それで 結果は?」
環「まだ。 ただ… 私は 受ける資格もない人だから。 それに… 廊下で待つ間 ほかの人の歌が聞こえてくるじゃない。」
里子「うん。 やっぱり違う?」
環「声量が まるで違う。 もっと しっかり勉強しないと駄目だ。」
里子「勉強で埋まるかな? ほら 日本人って 繊細なことは得意だけど パワーって面では どうにもならないところ あるから。」
環「そんなことない! 頑張れば なんとかなるよ。」
里子「嗣人さん 個展いつだっけ?」
環「1か月後。 彼 頑張ってる。」
里子「今は 自分のことは置いといて 嗣人さんを 応援してあげた方がいいんじゃない? 大事な時よ。」
フィリップ「ご注文は?」
里子「コーヒー2つ!」
里子「ちょっとお手洗い。」
環「うん。」
フィリップ「君はオペラ歌手を目指してるの?」
環「はい」
フィリップ「芸術の道を究めるなら 他人に惑わされないことだ」
環「恋人は力にもなります」
フィリップ「時にはね…」
嗣人のアパート
オーディションの結果の通知がテーブルに置いてあることに気付く環
環「やった~!」
環の声で目を覚ます嗣人
環「ごめんなさい!」
嗣人「どうしたの?」
環「わ… 私 1次審査 通ったの 『蝶々夫人』の! あっ ごめん… 1次に通っただけなのに。 あなたとは比べ物んびならないけど… うれしかったの!」
嗣人「僕も うれしいよ!」
環「アハハ! ああ…!」