善行「もういっぺん言うてみ もういっぺん言うてみ」
愛「僕のことは 何を言われても構いませんけど 純さんを傷つけることがあったら 絶対に許しません 覚えといてください」
晴海「お父さん」
善行「なんや これは おう 見てみ! のみぐすり 精神科 待田愛 7日分 お前 精神科に通うてんのか?」
純「ちょっと待って 愛くんは 病気なんかじゃないから」
善行「そんなら なんで 薬飲んでんねん」
純「愛くんには 特殊な能力があって」
剛「特殊能力って 何 どういうことやつ?」
善行「これや これが 特殊能力か こらか?」
純「愛くんは 人の本性が見えるの」
剛「え?」
晴海「どういうこと?」
純「相手の顔を見ると その人が 考えてることとか その人が 秘密にしてることとか そういうのが 全部わかっちゃう」
善行「おい! 言うてみ 俺の本性言うてみ? なんや?」
愛「お父さんは…」
善行「ふん」
愛「悲痛な顔をして叫んでます 俺をもっと見ろ 俺をもっと 大事にしろ 俺のことを 愛せ 愛せ 特にお母さんに向かって」
純「そうなの?」
善行「何を言うてねん」
剛「じゃあ 俺のは?」
愛「剛くんは 飴を舐めている子供みたいに おかあさんに甘えています おかあさん また こんなこと 出来るようになったよ 凄いでしょ 褒めて 褒めて もっと見て って」
剛「すげー なんで 分かんの すげー じゃあ じゃあ お母ちゃんのは?」
晴海「私は いいから」
愛「おかあさんは」
晴海「お願いだから やめて」
純「いいから きっと その方が 良いんだよ お母ちゃんのためにも」
晴海「純」
純「おねがい」
愛「おかあさんは 目をぎらつかせて 今にも飛びかかりそうな 野獣みたいです」
純「え?」
愛「それが 今にも破裂しそうで おとうさんと居るのは もう疲れた おとうさんと結婚したのは 間違いだったのかも 知れない って」
晴海「私は… そんな…」
善行「やめ! やめ! お前は お前と一緒におると 家族がみんな 不幸になる 二度とこの家に近づくな お前みたいな やつはな 産まれて こうへん方が良かったんじゃ!」
おじぃ ここまで 親に 言われたら 何も言えないよ
愛「純さん」