連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第25話「1946-1948」【第5週】

ラジオ・平川『皆さん なるべく 一家庭で少なくとも2人 できれば親子そろって この時間に参加してくださいね。 それは 一人でやる場合よりも ずっと早く上達します。 それでは 今日も楽しい英語の遊びをやって…』。

安子「はあ…。」

玄関前

安子「よし。 るい 行くよ。」

るい「は~い。 よいしょ。」

2人「よいしょ よいしょ…。」

(クラクション)

るい「(泣き声)」

安子「るい? うっ…!」

るい「(泣き声)」

安子「あ…。 るい! るい。 るい。」

るい「(泣き声)」

安子「るい!」

るい「(泣き声)」

安子「るい!」

るい「(泣き声)」

安子「今 お医者さんに…。」

るい「(泣き声)」

おぐら荘

安子「るい…。 (荒い息遣い) 勇ちゃん…?」

勇「ああ。 義姉さん。」

安子「るい! るいは どこ…! うっ…。」

勇「寝とけ。 左腕の骨が折れとんじゃ。 倒れとるんを 父さんが見つけた。 今 るいを大きい病院へ連れていっとる。」

安子「大けがしたん!?」

勇「落ち着けえ。 命に別状はねえ。 大事ゅうとってのことじゃ。」

安子「あ…。」

勇「水 飲むか? ああ。 商用で ゆうべから 父さんと大阪に来とったんじゃ。 父さんが わしにも 母さんにも黙って 義姉さんの居場所を捜しょうったこと さっき初めて知った。 わしゃあ 怒った。 約束が違う言うて。 何で そっとしてえやらんのんじゃ 言うて。 しゃあけど…。 義姉さん。 父さんの言うとおり 岡山に帰ってけえ。 それが一番ええと わしも思う。」

安子「勇ちゃん…。 勇ちゃんまで そねえなこと言うん?」

勇「その腕じゃあ 菓子も作れんじゃろう。」

安子「ばかにせられな! お菓子くれえ 右腕一本で作れるわ! これまで どねんなことがあっても 乗り越えてきたんじゃ。 今更 甘えるわけにゃあいかん。 逃げるわけにゃあいかん!」

勇「せえでも…。」

安子「るいが おるもの。 るいのためじゃったら どねえなことでも…。」

(戸が開く音)

るい「ただいま お母さん!」

勇「お~。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク