ジャズ喫茶・Night and Day
ホール
ベリー「どないなってんの? ジョーのデビュー。 聞いてえな 東京に。」
木暮「そないに 催促の電話かけられへんて。」
ベリー「もう 私も卒業してまうで。」
木暮「関係あれへんがな。」
ベリー「トミー。 あんた 何も聞いてへんの? はあ…。」
トミー「東京からツアーで来たバンドマンが 言うとったんや。 ジョーのデビューがいつまでも進まんのは 笹川社長の機嫌 損ねたせいやて。」
ベリー「えっ?」
木暮「ジョーが?」
ベリー「何で?」
トミー「娘と交際してるみたいやて。」
ベリー「はあ?」
トミー「しょっちゅう 2人で出かけるんやて。」
ベリー「やっぱり… あの女。 そやから 忠告したったのに。 ホンマ サッチモは ぼ~っとしてるから!」
トミー「ただのうわさや。 浮気みたいな器用なこと できる男やない。」
るい「分かってます。」
竹村家
るいの部屋
<るいは 錠一郎を信じていました でも るいは不安でした。 どうして錠一郎が 電話も手紙もくれないのか どんなに考えても 分かりませんでした>
笹川邸
リビング
笹川「終わりだな。 ご苦労さん。」
錠一郎「社長。 お世話になりました。」
笹川「いつか治ることを祈ってるよ。」
奈々「どうするつもり? これから。」
錠一郎「一度… 大阪に帰って… 木暮さんだけに事情を話すよ。」
奈々「るいさんには?」
錠一郎「どないして会えるんや。 僕と るいをつないでたのは… トランペットやのに。」
ジャズ喫茶・Night and Day
ホール
♬~(ラジオ)
(ドアの開閉音)
(足音)
木暮「ジョー。」
錠一郎「木暮さん…。」
木暮「今夜は休め。 話は明日や。」