リビング
池月「(小声で)そして ここが さっきミワさんもいた リビングとダイニング。 八海さんは ここで過ごされることも多いから。」
ミワ「(小声で)はい 分かりました。」
キッチン
池月「そして ここがキッチンね。 今は 一駒さんが1か月の献立を作って その日に担当する人が 3食作ってるんだけど ミワさん 栄養士の資格 持ってるんだよね?」
ミワ「はい…。 『ウッフ・フリ ・シェル・リ・ドゥ・サトウハム ソテー』。」
池月「じゃあ 来月はミワさんにお願いしようかな。」
ミワ「いや 一駒さんの献立がいいと思います。」
池月「足りない食材は 前日までに買い足しておく。 八海さんは ロケでいない時も多いし 予定も急に変わったりするから 必ず朝 藤浦さんに確認すること。」
ミワ「分かりました。」
池月「ここに アレルギーとか 八海さんの好みが書かれてるから 目を通しておいて。」
ミワ「はい。」
<これは…>
回想
ミワ「八海氏が しめじアレルギーで 蕎麦と刺身が好きだということに ギャップを感じ より一層 八海 崇が好きなった。」
回想終了
<うん 知ってる。 でも 私なんかの料理を 八海サマに食べてもらうなぞ 恐れ多すぎる…>
控え室
池月「洗剤とか掃除道具とか 切れそうになったら補充する。」
ミワ「はい。」
池月「一とおり こんなもんかな。」
ミワ「はぁ… 思った以上にハードルが高い。 今のところ 庭掃除ぐらいしか できることがない>
池月「じゃあ 今日は私 ここで終わりだから あとはよろしくね。」
ミワ「え… えっ いきなり私一人ですか?」
池月「ふふ… 大丈夫 大丈夫。 一つだけ残して あとは全部 私がやっといたから。」
ミワ「ありがとうございます。 その 一つっていうのは…。」
池月「リビングの清掃。」
ミワ「リビング。 あっ さっき 八海サマがいらっしゃった…。」
池月「そう。 あの部屋を清掃するの。 簡単でしょ?」
ミワ「あ…。」
池月「Bon Courage!(幸運を)」
ミワ「えっ 何て? ボンクラ?」
リビング
ミワ「失礼します。」
<八海サマ…。 私は今 この瞬間 天に召されても 悔いはございません>
八海「お掃除ですか。」
ミワ「はい。」
八海「よろしくお願いします。」
ミワ「それでは お掃除を始めさせて頂きます。」