夜ドラ「ミワさんなりすます」(第2回)

<エリート家政婦としての仕事 美羽さくらとしての振る舞い… 考えなければならないことは 山ほどあるけど 今 私の思考を支配しているのは この空間に 八海 崇と二人きりという 圧倒的な事実!>

八海「趣味なんですよ。」

ミワ「えっ… はい。」

八海「ボトルシップ。」

<知っています。 役作りのため 精神集中するために ボトルシップ作りに 没頭されていること。 ファンにとっては常識です>

ミワ「すてきですね。」

八海「ありがとうございます。」

<八海サマが… 私なんかと会話してくれている!>

<ダメだ。 ここで涙なんか流したら ファンだとバレてします!>

<私は罪深きなりすまし。 この愛を伝えることはできない。 せめて何か 八海サマのお役に立ちたい…>

(ドアを開く音)

藤浦「終わりましたか?」

ミワ「ああ はい。」

<たとえ ここでダメになったとしても 八海サマと同じ空気を吸えただけで 幸運だと思わなきゃ>

藤浦「あれ?」

ミワ「えっ あっ 何か…。」

藤浦「ボトルシップのプレート くすみが取れてる。」

八海「え?」

藤浦「ミワさん 何かした?」

ミワ「あ… はい。 あの たまたま これを 控え室で見かけたもので…。」

藤浦「除光液?」

ミワ「はい。 ふだん 私も フィギュアの汚れを落とすために これを使っていて…。」

八海「おお。 新品みたいになっちゃいましたね。」

<もしかして くすみは 年季を感じさせるための味? あえて そのままにしてた!? ああ 私 なんて余計なことを!>

回想

藤浦「あなたには 前任の家政婦と同等か それ以上のパフォーマンスを 期待していますので よろしくお願いしますね。」

回想終了

ミワ「あ… あの…。」

八海「いいですね。」

ミワ「えっ?」

八海「除光液なんて思いつきませんでした。 すばらしい。」

ミワ「あ… ありがとうございます。」

<助かった!>

八海「(せきこみ)」

ミワ「あっ ごめんなさい。 換気します。」

藤浦「大丈夫ですか?」

(窓を開ける音)

(ボトルシップの割れる音)

ミワ「あっ…。」

<終わった…>

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