亜矢美「ありがとう…。 でも… 断るよ。」
咲太郎「どうして!」
亜矢美「だって 私は ゴールデン街で十分だから。」
咲太郎「母ちゃん…。」
亜矢美「その 母ちゃんっつうのもさ もう いい加減 どうにかしてくんないかな。 私は もともと お前の母親でも 何でもないんだからね ハハ。」
咲太郎「えっ?」
カスミ「亜矢美ちゃん 言い過ぎよ。」
亜矢美「咲太郎 いい加減 大人になりなよ。 親孝行だったらさ もう十分してもらったからさ。」
咲太郎「何もしてないよ!」
亜矢美「十分だよ。」
咲太郎「俺は まだ あなたに何も恩を返してない!」
亜矢美「十分してもらったってば。 ね。」
咲太郎「じゃあ これから どこに住むんだよ?」
亜矢美「どこにだって住めるよ。」
なつ「亜矢美さん。 もし よかったら また 一緒に暮らしませんか?」
亜矢美「えっ?」
なつ「あ… 私も もう一人じゃないですけど…。」
坂場「あ… 別に 僕も構いませんよ。 僕がいますけど。」
なつ「考えてみたら 私は この風車に もう10年も住んでたんです。 北海道の柴田家にいた時間と 同じなんです。 亜矢美さんは もう大事な家族です。 亜矢美さんが どこかに落ち着くまででもいいです。 一緒にいて下さい。」
亜矢美「ありがとう…。 全く… なんて あんたたち きょうだいっつうのは 本当に こんな優しいの…。 だ… だけどさ もう いい加減 私を解放してちょうだいよ。 私は 本当に大丈夫だから。 ね。」
カスミ「まあ いいじゃないの。 ゴールデン街だって 亜矢美ちゃんだったら 楽しくやっていけるよ。 そしたら 私も ちょくちょく寄らせてもらうからさ。」
レミ子「私も寄ります。」
松井「俺も入り浸るよ。」
島貫「俺もだ。 ね 社長。」
茂木「ああ。 亜矢美ちゃんには やっぱり俺が 一番似合うんじゃないかい ハハハハハ…。」
藤田「亜矢美の好きにしたらいい。 どこ行こうと そこが亜矢美の店だ。 俺たちのムーランルージュだ。」
茂木「よっ!」
(笑い声)
亜矢美「親分さん… 私が この店をやってこれたのは 咲太郎と なっちゃんが いてくれたおかげです。 だって 本当に… 楽しかったから。」
なつ「亜矢美さん…。」
亜矢美「さあ こっから また始まるんだ。 悪いけど また勝手に 始めさせてもらうわよ。 私の人生ってやつをね! ジャカジャン。」
島貫「よし 頑張れ亜矢美。」
亜矢美「ねえさん歌ってよ。」
カスミ「よっしゃ! ♬『紅いルージュにひかされて』」
亜矢美「フッフ~ 来た来た! 踊っちゃおうかな!」
カスミ♬『今日もくるくる風車』