連続テレビ小説「なつぞら」第118話「なつよ、笑って母になれ」【第20週】

後日

なつ「お兄ちゃん…。 亜矢美さん 引っ越したって… どこに行ったの?」

咲太郎「分からない…。」

なつ「お兄ちゃんにも 何も言わずに?」

咲太郎「うん…。」

なつ「カスミさん…。 亜矢美さんは どこに行ったんですか?」

カスミ「さあね… 私にも分からないんだよ。」

咲太郎「そんなことって… ひどすぎるだろ… 勝手すぎるだろ!」

カスミ「まあ しょうがないじゃないか。 それも そうなっちゃったんだから。」

咲太郎「どうして! 俺は 母ちゃんのために 何も してやっちゃいけないんですか!」

カスミ「あんたの結婚を喜んでるからだろ 亜矢美ちゃんが!」

咲太郎「えっ…。」

カスミ「心から喜びたいと 思ってるからじゃないの。」

咲太郎「どういうことですか?」

カスミ「亜矢美ちゃんはね… 光子さんに嫉妬したくなかったんだよ。 そんな自分を あんたに 見せたくなんかなかったの。 ず~っと そういう思いを 押し殺してさ… あんたの母親を 演じてきたんじゃないの…。 分かってあげてよ… 亜矢美ちゃんだって 弱い女なんだから。」

なつ「ずっと前から カスミさんは そう思ってたんですか?」

カスミ「うん そうよ…。 でもね なっちゃんが来てから 亜矢美ちゃんは救われたと思うよ。」

なつ「えっ?」

カスミ「これで 本当に 咲ちゃんと家族になれたと思って…。 だから 楽しかったって言ったの。 その気持ちだけは うそじゃないと思う。 咲ちゃん あんたは 本当に 亜矢美ちゃんの子どもになったんだよ。 純粋に親子でいたいから 亜矢美ちゃんは ここを去ったのよ。 あっ…。 これ 亜矢美ちゃんが この店で 最後に聴いてた曲だね。」

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