連続テレビ小説「なつぞら」第127話「なつよ、優しいわが子よ」【第22週】

仲「佐藤部長… 格闘技 お好きなんですね。」

佐藤「大好きだ。 いや 絶対いけるよ これ。 この企画 受けるよ。」

なつ「これ 主人公は覆面をしているんですか?」

佐藤「そう! ジャガーの覆面 その名も キックジャガーだ。」

山川「覆面ってのがいいよ。 しゃべる時に 口を動かさなくて済むからね。」

なつ「はあ…。」

仲「いや しかし 格闘技の漫画を 女性の奥原さんに任せてしまうのは どうなんでしょうか? いや 作監なら もっと ふさわしい人間が ほかにいる思うんですけども。」

佐藤「ただの格闘技漫画じゃないんだよ。 キックジャガーはね 孤児院の出身で 孤児たちのために戦ってるんだ。 泣ける いい話なんだ。 君なら この作品の世界観 描けるだろ。」

山川「無理なら無理だと はっきり言ってもいいからね。」

なつ「分かりました。 やらせて下さい。」

仲「なっちゃん…。」

なつ「約束は約束ですから。」

仲「本当に大丈夫なの? 悩んでるんでしょ?」

なつ「それは… なんとかします。」

山川「作画監督は 全ての作画に目を通し 絵の質や キャラクターを 統一しなくてはならない激務です。 意地で引き受けることはないですよ。 契約にしろなんて もう言いませんから。」

なつ「意地ではありません。 覚悟はしてましたから。 期待して頂けるなら 応えてみせます。」

休憩所

なつ「(ため息)」

神地「あっ なっちゃん。」

なつ「神っち…。」

神地「何か 大変な仕事 引き受けたんだって?」

なつ「いや… 仕事自体は 別にいいんだけどさ。」

神地「子どものことか?」

なつ「うん…。 保育園には 全部落ちてしまって。」

神地「預ける先がないのか。」

なつ「うん… それなのに イッキュウさんに相談もせず 新しい仕事を引き受けてしまった。 はあ… 私はバカだ。」

神地「まあ バカだから やってけんだよね こんな仕事。」

なつ「バカな母親は 始末が悪いの…。 私も飲もう。」

坂場家

リビング

坂場「作画監督か。」

なつ「うん。」

坂場「とうとう来たか。」

なつ「ごめんね 相談せずに引き受けて。」

坂場「いや 引き受けることは 子どもを産む前から 分かってたことじゃないか。 しかたないよ。」

なつ「うん そうなんだけど…。」

坂場「なんとかするしかないよ。 そのビラで 誰か見つかるかもしれないし。」

なつ「うん… でも作監なんてしたら 預かってもらう時間も長くなるよね。 ねえ いくらまでなら出せると思う?」

坂場「よいしょ… う~ん… まあ 月6,000円までが限度だろうな。」

なつ「6,000円って安くない?」

坂場「いや それ以上は 君と僕の収入では きついだろう。 それは 純粋な人件費で 経費は別に払うんだから。」

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