夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第15回)

南雲「こういうこと たまにあるんです。 おっちょこちょいというか…。」

春日「お茶いれますね。」

南雲「いえ お気遣いなく。 すいません。 お隣さんと仲がいいんですね。 あっ 私のお隣さん。」

春日「はい。」

南雲「この間 私 失礼でしたよね。」

春日「え?」

南雲「ごはんに誘ってもらった時。」

回想

野本「今度 ごはん食べにいらして下さい。」

南雲「あの すいません。 ちょっと今 実は手が離せなくて。 あの すいません…。」

野本「あっ すいません お忙しいところ。」

回想終了

南雲「変な感じにしてしまって。」

春日「いえ そんなことないですよ。 むしろ急に誘って ぶしつけだったかと。」

南雲「いえ それは全然…。」

春日「引っ越してきたばかりなのに 不快な思いをさせてしまったかと 思っていました。」

南雲「それは本当に違うんです。 むしろ… むしろ 引っ越してきたばかりなのに 親切にして頂けたことは うれしかったんです。 ただ…。 人とごはんを食べることが ちょっと苦手で…。」

春日「そうだったんですね。」

南雲「そう… なんです。 だから この間は嫌だったとかじゃなくて。 だから 気を悪くさせてしまってたら すいません。」

春日「いえ。 気を悪くなんてしてないです。 あ… お茶は大丈夫ですか?」

南雲「え?」

春日「人とごはんを食べるのが… って。」

南雲「あっ はい。 飲み物なら大丈夫です。 ありがとうございます。」

春日「どうぞ。」

南雲「ありがとうございます。 あっ。 春日さん すいません。 ありました。 私 なくさないようにって この内側のポケットに ふだん使わないポケットに 入れてたみたいで。 すいません。」

春日「よかったです あって。」

南雲「恥ずかしいです。 ほんと こういうとこあって…。 ご迷惑をおかけして… あっ 管理会社さんにも電話しなきゃ。 あっ もしもし 南雲です。 鍵ありました。」

野本宅

野本「よいしょ。」

廊下

南雲「ありがとうございました。」

春日「いえ よかったです。」

南雲「じゃあ 失礼します。」

野本宅

(チャイム)

野本「あっ は~い! 今開けま~す。 あっ… ちょっと待ってね!」

野本「どうぞ。」

春日「すみません 遅くなってしまって。」

野本「ううん 全然。」

春日「手伝います。」

野本「ありがとう。 あ 春日さん ロールキャベツのスープは 何派ですか?」

春日「何派…? う~ん 私は トマトスープのイメージがありました。」

野本「あ ほんと! 私もそのイメージだった。 透明のコンソメスープも 見たことあるなあと思って。」

春日「はい。 あと クリームスープもありますよね。」

野本「ああ 確かに。 そしたら今日は… トマトでいいかな? 牛乳はないから クリームはできなくて。」

春日「はい トマトがいいです。」

野本「オッケイ! じゃあ 春日さん これを一緒に包んでいきましょう。」

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