マンション
野本宅
野本「やだ もう。 送信取り消します!」
矢子『駄目 駄目!』。
野本「矢子さん どうすればいいですか。」
矢子宅
矢子「うん またね。 おやすみ~。」
野本『おやすみなさ~い』。
矢子<あのころは アセクシュアルという言葉に 出会えていなかった>
回想
矢子「私からも どうぞ。」
真奈「え~ ありがとう。 うれしい。」
矢子「私も。 ありがとう。」
真奈「うん。」
真奈「可菜芽はさ…。 私のこと 本当に好き?」
矢子「好きだよ。 本当に。」
真奈「じゃあ 何で嫌なの? 何で触れてくれないの? 手もつないでくれないの? キスだって こないだも避けてたでしょ。 つきあって3か月もたつのに。」
矢子「ごめん。」
回想終了
<私には どうにもできなかった。 相手に自分の気持ちを どう説明すればいいのかも 分からなかった>
(通知音)
野本『春日さんからお返事がきて、 バレンタインの日約束できました! 矢子さんありがとう』
矢子『よかったね♡』
<好きって気持ちだけでは どうにもならないこともある。 それでも それぞれの形で いい未来があるって…>
矢子「信じたい。」