夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第19回)

春日宅

南雲「明るい…。」

野本「こういう時 ろうそくって大事ですね。」

春日「災害用に まとめて買ってあって。 携帯のライトは 充電が なくなってしまうので消しましょう。」

野本「あ はい。」

南雲「野本さん。 春日さんは 本当に頼れる人ですね。」

野本「そうなんです。」

春日「いえ そんな。 復旧のめどを 確認したほうがいいですよね。」

南雲「じゃあ 私が。」

春日「え いいんですか?」

南雲「役に立ちたいんです。 ずっと家にいたので 充電も100なので。 私がかけます。」

春日「では… すみません。」

野本「ありがとうございます。」

南雲「あ もしもし。 あの すいません…。」

野本「あの 春日さん そういえば バレンタインの日…。」

春日「はい。」

野本「もしかしたら 少し残業になりそうで ごはん食べてから 集合みたいな感じになっても大丈夫ですか。」

春日「野本さんの無理のない形で大丈夫です。」

野本「ありがとう。 楽しみですね。」

春日「野本さん 寒くないですか?」

野本「あ うん ちょっと寒くなってきたね あっ でも大丈夫だよ。」

春日「これ よければ着て下さい。」

野本「え? あっ ありがとう。 じゃあ…。 あ… あったかい。」

春日「あっ。」

野本「え?」

春日「あの… 糸くずが。」

野本「えっ あっ… え?」

春日「失礼します。」

野本「あっ。」

春日「すみません。」

野本「ううん ありがとう。 あっ 南雲さん 電話すみません。 どうでしたか?」

南雲「あ はい マンション内の 配線トラブルのようで 対応中みたいです。 2~3時間ほどで復旧するとか。」

野本「そうですか。」

春日「2~3時間なら よかったですね。」

南雲「あ じゃあ 私は戻ろうかと思います。 ごはん食べてる途中だったので。」

野本「そしたら 私も一緒に出ます。」

南雲「え… あっ はい。」

春日「ろうそく 持っていって下さい。」

南雲「ありがとうございます。」

野本「ありがとう 助かる。」

廊下

春日「何かあれば 連絡取り合いましょう。」

南雲「はい。」

野本「はい。 あっ ろうそく ありがとう。 じゃあ おやすみなさい。」

春日「おやすみなさい。 南雲さんも おやすみなさい。」

南雲「春日さん。 ちょっといいですか?」

春日「はい。」

南雲「あの 勘違いだったら 申し訳ないんですけど…。」

春日「はい。」

南雲「春日さんと野本さんは その… つきあってらっしゃるんですか?」

春日「え…。」

南雲「違ったら すいません。 さっき何だか 二人を見てたら そんなふうに感じて。」

春日「私と野本さんが… ですか。」

南雲「はい。」

春日「つきあってないです。 つきあってないですが…。 でも 確かに私は… 野本さんのことが 好きです。」

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