古波蔵家
(電話の呼び鈴)
ハナ「もしもし? …恵里? 勝子さん 市場に行ってる 今。 ああ? 今 どこにいるの? 羽田空港? 新婚旅行は 行かないんじゃなかったか? 那覇に来る? …あ? そう 分かったさ。 準備なあ? 何を心配するか? おばぁに 任せなさい。 うん じゃあね。」
恵文「どうしたの? 恵里 那覇に来るの?」
ハナ「今から来るさ 結婚式をしに。」
恵文「え?!」
恵尚「恵里!」
ハナ「恵尚。」
恵尚「ん?」
ハナ「お前は 勝子さんの所へ…。」
恵尚「あ うん すぐ連れてこようね!」
ハナ「そうじゃないよ。」
恵尚「え?」
ハナ「勝子さんと 昼過ぎごろまでね どっかで 時間を つぶしなさい!」
恵尚「そうか ないしょにするんだ。」
ハナ「そうさぁ。」
恵尚「分かった! すぐ行ってこようねぇ。」
恵文「おばぁ どういうことなんね?」
ハナ「話は あとで。」
ハナ「もしもし? 都留さんね? ハナだけどね 緊急事態さぁ。 ウシンさんも ナビンさんも カベイさんも 集めてちょうだい。」
数時間後
「はい。」
ハナ「はい ありがとうね。」
「はい 座布団…。」
ハナ「はい あっちへ。」
「おめでとう。」
ハナ「はい はい。 終わったね。」
定食屋
勝子「何? どうしたの? 恵尚。」
恵尚「いやいや どうもしないよ。 たまには オフクロさんと 外で 語り合いたいと思ってさ。」
勝子「ん?」
恵尚「ゆっくり 語り合おう。 時間は たっぷりさるさぁ。」
古波蔵家
恵里「ただいま! どうぞ あがって下さい。」
静子「失礼します。」
恵里「ただいま! あ どうも…。」
静子「失礼します。」
文也「突然 お邪魔して すみません。」
静子「あの…。 昨日は いろいろと どうも ありがとうございました。」
恵文「こちらこそ。 お疲れなのに よく 来て下さいましたね。」
静子「いいえ とんでもございません。」
恵文「恵里 お父さんは うれしいさ。」
恵里「うん おかあさんが『那覇に行こう』って言ってくれたわけ。」
恵文「そうですか~ ありがとうございます。」
静子「いえ そんな もう。」
ハナ「それより 悪いけど 今は しんみりしてる暇ないよ 恵里 文也君も 早く着替えなさい。」
恵里「うん。」
文也「え? あ… 僕もですか?」
ハナ「当たり前さ はい アレアレ!」
文也「あ はい。」
静子「じゃ 私も チョット お手伝いしてもいいですか?」
ハナ「あ そうですか。 じゃ こっちへこっちへ。」