古波蔵家
恵里「ただいま!」
恵尚「ただいま! ただいま。」
勝子「お帰り。」
ゴーヤマンの売り上げを見て溜息を吐く勝子
恵尚「何で 売れないのかねぇ? おかしいねぇ。」
恵里「そうだよねぇ いきなり200も売れたかと思うと サッパリだねぇ。」
恵尚「難しいねぇ 商売っていうのは…。」
忘れていらっしゃる方も いるかと思いますが 売れた200個というのは 勝子さんが 親せきに頼んで 買ってもらったものでございました。 はい…
勝子「あの… その 200個なんだけど…。 (恵文を見ながら口パク)あんた。」
恵文「(口パク)俺? 嫌だ。」
ハナ「恵文 話って何ねえ? 早く言いなさい。」
恵文「え? あ いや 俺は何も。 え~とねぇ う~ん。」
恵尚「分かった!」
恵文「え?」
恵里「何?」
恵尚「広告だね 広告。 宣伝が大事さ やっぱり。」
恵里「あ そうか そうだねぇ。」
恵尚「テレビで コマーシャルでも流すか?」
恵里「そうだね それ いいかも。 誰が やるの?」
恵尚「そりゃ やっぱり プロデューサーの おやじさんさぁ。」
恵文「え? 俺が テレビに出るの?参ったな こりゃ。」
恵達「いくらかかると思ってんだよ。」
勝子「ダメ! お金なら ありません。」
恵尚「そうかぁ コマーシャルが ダメなら 新聞は?」
恵達「それだって 結構するんだよ。」
勝子「ダメ! お金は ありません!」
恵尚「え~ おばぁ~?!」
ハナ「おばぁも スッカラカンさぁ。」
恵尚「広告も ダメかぁ。」
電話が鳴る
恵尚「チョット… 俺が出る。 土産物屋から 追加の注文かもしれんよ。」
恵尚「もしもし? 古波蔵です。 はい ゴーヤーマンを 100個。 は… 100個まるまる 返品したい? 邪魔って いや チョット待って。 もしもし? もしもし?」
恵里「返品なの?」
恵尚「バカだね 久茂地の土産物屋 後悔しても 知らんからよ。 人気が出ても 置いてやらんさ。」
再び電話が鳴る
恵尚「もしもし? は… 返品? いや チョット もしもし…。」
恵里「また 返品?」
恵尚「うん。」
恵達「もう入らんよ この家には ゴーヤーマン…。」
恵里「兄い兄い…。」
恵尚「ハハハハハハ 大丈夫 大丈夫。 全然 心配ないからよ ハハハハハハ。」
島袋「こんばんは! 島袋です~! どうも! 残りの3000個 運んできました! あれ?」
ハナ「間の悪い男だねぇ あんたも。」
島袋「は?」
恵尚「ハハハハハ… はぁ…。」
夜
ハナ「でも 親せきというものは ありがたいもんだねぇ。」
勝子「そうですねえ。 恵尚には やっぱり 黙ってた方がいいですかねぇ」
ハナ「であるねぇ。 きっと 傷つくさぁ。 ゴーヤーマン買ったのが ほとんど親せきだけけと分かったら。」
勝子「そうですねぇ。」
ハナ「黙っていて いいこともあるさぁ。」
勝子「ええ… すみません 本当に…。」
ハナ「何で あんたが 謝るの? 私の孫だよ。」
勝子「はい。」
ハナ「それにしてもねえ 食べ物であったら よかったかねぇ?」
勝子「そうですねぇ。 でも 腐らないだけ ましかもしれない。」
ハナ「であるねぇ。」
話を聞いてしまった恵尚