農連市場
容子「すごいですよね ここは!」
恵文「そうね! もういい? 帰る?」
容子「いえ 面白いです。 ここは! こういう所に 私 東京から お客さん 呼びたいんです。」
恵文「なるほどね! もういい? 帰ろ!」
容子「あ! あっち行ってみましょう!」
恵文「そっちは 余り面白くないよ! 参ったな!」
勝子と目が合う容子
勝子「いらっしゃい!」
恵文「ちょっと 貸してね。」
振り返る容子
容子「ぎゃあ~!」
容子「やだ! もう! 恵ちゃんたら!」
容子「うわ! すごい! こんなのあるんだ 触れない。 うわ!」
容子「あ! 事務所 あっちと 書いてあります。 行きましょう。」
容子「お客様 そうしましょうかね。」
古波蔵家
恵文「ただいま 戻りました。」
勝子「お帰りなさい! 恵ちゃん!」
ハナ「『恵ちゃん』?」
恵文「あれ… あれはね… あの…。」
勝子「今日は ごちそうよ。 どうせ 私は こういうの 平気で触れるし おまけに 平気で!」
恵文「うう!」
勝子「こんな事も出来ちゃうような女ですから。 やっぱり 男の人は こういうの見て『ぎゃあ』とか 言う人が 好きなのかしらね?『ぎゃあ! 触れないわ』」
恵里「お母さん?」
勝子「恵里は黙ってなさい。」
恵文「いや いやいやいや 誤解さ なあ 恵里!」
恵里「え?」
勝子「恵里は 関係ないでしょ。」
恵文「いや 容子さんはね!」
勝子「容子さんていうんだ。 で 恵文さんは『恵ちゃん』て 呼ばれてる訳ね。」
恵文「仕事の手伝いをしてただけさ。 な 恵里!」
恵里「うん。」
勝子「どういう事 恵里?」
恵里「私が お父さんに頼んだの。」
勝子「そう そうなの。 で 私に隠してた訳ね。」
恵里「い いや『隠してた』っていうか…。」
勝子「そんな家なんだ この家は。 隠し事なんて ないと思ってた。 お母さん。」
恵里「お母さん…。」
勝子「いつも そんな隠し事してるんだ。 お母さんに。」
恵里「そんなことないさ 今回はさ たまたま 重なってしまっただけで。」
勝子「ほかにもある訳ね 隠し事…。」
ハナ「恵里…。」
恵里「え?」
ハナ「全部 吐きなさい 楽になるよ。」
恵里「あのさ… 私…。」
勝子「何?」
恵里「私…。 東京の大学に行く。」
一同「え!」
恵文「恵里!」
勝子「何よ それ!」
恵達「俺も あるんだ。 俺 ロック始める。」
恵文「何でよ? 恵里 何で?」
勝子「沖縄の大学 受けるのでは? あ! ひょっとして そのためにバイトしてたの?」
恵里「ごめんなさい。 言いだせなくて 悪いと思ってるさ。 でも… 私は東京の大学に行く。」
起こる時は いろんな事が 同時に起きるものです。 さあ 一体 皆 どうなるかねぇ
恵達を完全にスルーする古波蔵家w