北栄総合病院
恵里「容子さん? 今 島田さんは治療中。 心臓病の疑いがあるようです。 心電図をとり 何日かは入院を…。 私 朝まで こっちにいます。 はい。 じゃあ。」
一風館
ブルウマウンテン
容子「みづえさん 島田さんのご家族は?」
真理亜「え? 何で? 死ぬの?」
容子「違うわよ 心臓が悪いかも…。」
真理亜「はあ。」
みづえ「知らないわ 話 聞いた事ないし。」
容子「そうか…。」
容子「恵里ちゃん『朝まで病院にいる』と。」
みづえ「あ そう。 戻りましょう。 主のいない部屋に いつもでもいては いけないわ。」
容子「そうだね…。」
柴田「どこか寂しいな この部屋。」
北栄総合病院
看護婦「大丈夫ですか? 意識は ありましたか?」
恵里「あ どうも…。」
聡子「眠っちゃったから もういいです。」
恵里「え?」
聡子「いいですよ お帰りになっても。」
恵里「居て いいですよね?」
聡子「だって あなたは?」
恵里「朝まで いますから。 目が覚めた時 誰もいないと かわいそうですから。 心細いでしょ。 お願いします。」
聡子「そうね 今から あなた1人で 帰るのも 危ないかもね。」
恵里「ありがとうございます。」
聡子「じゃ どうぞ。」
恵里「はい。」
病室
聡子「同じアパートの人って言ったわよね?」
恵里「はい そうですけど。」
聡子「へえ どういう関係?」
恵里「え? 『どういう』って?」
聡子「愛人とか?」
恵里「『愛人』? 何言ってるんですか?」
聡子「違うんだ。」
恵里「違いますよ。 『同じアパート』って言ってるでしょ! いけませんか?」
聡子「いけなくはねいけど 珍しいと…。他人なのに… ごめんなさい。」
恵里「他人だと 珍しいですか?」
聡子「うん。 まあね。」