ゆがふ
まりあ「ちょっと! そこの ふぬけ!」
恵里「え?」
真理亜「返事をするって事は 自覚あるんだ?」
恵里「何ですか?」
真理亜「酒がまずくなるから ふぬけた顔で 私の視界に入らないで。」
容子「ちょっと…。」
真理亜「分かったら消えて。 客商売でしょう? 店長も 迷惑してるのでは?」
兼城「え? いや…。」
恵里「もう少し。」
真理亜「は?」
恵里「もう少し 優しくして下さい。」
真理亜「バカ? 誰が優しくなんかするか! 沖縄 帰れば? 傷ついた心を 温かく迎えてくれるのでは? 帰れ帰れ! もう戻ってくるな。 本当に 酒まずくなる。 私 帰る!」
兼城「優しい子だね。 真理亜ちゃんも。」
容子「そうだね。 店長 おかわり。」
兼城「はい。」
容子「恵里ちゃん!」
恵里「はい。」
容子「『気持ちは分かる』とは簡単に 言えないしさ。 私は そんなに 1人の人を ずっと思い続けた事 ないしね。 でも 働く女として アドバイスするね。 恵里ちゃんも 看護婦に なろうとしてる訳だから。」
恵里「はい。」
容子「私 仕事で男に負けるの 絶対 嫌なのね。 男女で仕事の能力に差はないと 思うし 負けてるところも ない。 でも 今まで いろんな男女と 仕事をしてきて思う。 一概には言えないけど 女の方が 仕事に プライベートを持ち込む人 多い。」
容子「男で 失恋とかで 仕事に影響を 及ぼす人は 余り見てこなかった。 でも そういう女は 何人も見てきたのよ。 私は 絶対にそうならないように しようとしてきた。 そういう女は 嫌いなのよ。」
容子「そうならないでほしいな 恵里ちゃんには。 甘えてると思うな キーワードは 笑顔でしょ?」
北栄総合病院
スーパーボールを捜す柴田
文也「あの…。」
柴田「え?」
文也「何か捜し物ですか?」
柴田「スーパーボールなんだけど。」
文也「『スーパーボール』?」
柴田「うん。」
バイト 恵里
恵里「ちょうどです。 ありがとうございました。」
サラリーマン「あのさ。」
恵里「え? 私ですか?」
サラリーマン「いつもみたいに『頑張って下さい』と 言わないの? 楽しみにしてたんだけどな 毎朝。 じゃ…。」
恵里「あの! お仕事 頑張って下さいねぇ!」
サラリーマン「ありがと きみもね。」
恵里「ありがとうございます!」
そうさ 恵里 その笑顔だよ!
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