休憩室
祥子「大丈夫?」
恵里「うん。 ああ 情けないねぇ。」
祥子「そんなことないけど。」
恵里「情けないさぁ。 自分でも このままじゃ いけないと思う。 仕事な訳だから… 命 扱ってる仕事だし…。 分かってるんだけどさ… ああ 何 オロオロしてるんだろ 私…。」
祥子「好きだからでしょ?」
恵里「え?」
祥子「う~ん 私が同じ立場でも 普通じゃ いられないと思うな。 でも…。 上村先生 チョット 恰好いいよね。」
恵里「え? ホントに? やっぱり そう思う? ヤダ もう…。」
祥子「は?」
恵里「やっぱり そう思うよねぇ。 当然だよねぇ だって 子供のころから 文也君はさあ。」
祥子「何 うれしそうな顔してんの? 自分の男でもないのに ノロケないで。」
恵里「祥子ちゃん 一応 私 年上だけど。」
祥子「関係ない 同期だから。」
恵里「はい。」
祥子「もう… しっかりして。」
恵里「すみません。」
本当にねえ しっかりしないとね 恵里
一風館
マンデリン
一方 恵達も ウジウジして 悩んでいたのでございます。
この姉と弟は 不思議だねぇ。 絶好調の時も 一緒 絶不調の時も一緒…。
そして ウジウジと悩んでいるのも 一緒。 まるで 双子だねぇ
恵里「ただいま…。」
恵達「お帰り。」
恵里「ただいま…。 どうかした? 恵達。」
恵達「え? あ 別に…。 そっちこそ どうかしたの?」
恵里「私? いや 別に…。」
恵達「そう? …あ そうだ。」
恵里「ん?」
恵達「これ これ 来てたよ。」
恵里「ん? あ?『結婚しました~』?」
(ノック)
誠「恵里!」
琉美子「恵里!」
恵里「琉美子 誠…。」
琉美子「新婚旅行さぁ ね?」
誠「おう。」
恵達「新婚旅行? ここに?」
琉美子「は?」
恵里「え?」
琉美子「まさか… 明日 成田から行くの カナダに。」
恵里「あ そうなんだ。」
琉美子「ね?」
誠「おう。」
恵里「ていうか 何? おめでとう!」
琉美子「ありがとう。」
恵里「驚いたさぁ もう。」
琉美子「そういう事になったわけ ね?」
誠「おう 捕まってしまったさぁ。」
琉美子「何て?」
誠「いや 何でもないです。」
恵里「はいはい 座って座って。 遠慮しないで 誠も 早く。」