北栄総合病院
ナースステーション
奈々子「ホラ!」
聡子「分かってるけど。 やっぱり大事な話は屋上とかかな。」
奈々子「何でですか?」
聡子「大事な話って ドラマなんかだと 屋上でするでしょ?」
奈々子「は? 早く!」
聡子「分かりました。」
聡子「エヘン! あの 古波蔵さん!」
恵里「はい。」
聡子「あのね。」
恵里「田所さん。」
奈々子「あ!」
聡子「あれ?」
田所「どうも。」
恵里「どうされました?」
田所「これ 差し入れです。」
恵里「え?」
田所「じゃ。」
恵里「ちょっと!」
田所「私 態度 悪くて ごめんなさい。 何か そういう性格で 愛想よく出来なくて 感じ悪くて ごめんなさい。」
田所「もう 元気に働いています。 退院してみて よく分かった。『あなたがいなくて 寂しいな』と。 そう感じたの。 実際 いる時は うっとうしかったけど 晴れが 曇りになった感じ。」
恵里「え?」
田所「急に お礼が言いたくなって…。 ありがとう。 休みが取れたら さんざん 話してくれた沖縄に 旅行に行ってみようと思ってる。 あ これ ケーキ。 何が好きか 分かんなかったから ケーキ屋さんに全種 入れてもらった。」
恵里「田所さん。」
田所「本当に ありがとう。 お世話になりました。 じゃ…。 仕事 抜けてきたから。」
恵里「あ! 田所さん! お大事に!」
聡子「これで 一人前かな。」
恵里「え?」
聡子「私が 一人前のハンコを押しましょう!」
祥子「おめでとう! 恵里。」
聡子「何やってんの? 行ってこい! 許すから。」
恵里「え? あ はい!」
奈々子「廊下は 走らない!」
恵里「はい すみません!」
いやいや ついに 結婚かねぇ でも これからが また 一騒動さ
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