おでん屋
鉄男「本当に あいつは いいやつなんですよ。 裕一のおかげで 俺 自分が やりたかったこと思い出せたんです。」
山根「へえ～。」
鉄男「正直 不安もありますけどね。 今しかねえと思って 飛び出してきたけど 世の中 そう甘くはねえだろうし。」
鉄男「食いぶちも見つかんねえ 金も大して持ってねえ。 この先 どうなることやら。」
山根「うん…。」
鉄男「すいません 愚痴言って」
山根「構わねえよ。」
鉄男「おやっさんの話も聞かせて下さいよ。」
山根「俺か？ いや 別に… 話すようなこともなあ…。 あっ そうだ。 にいちゃん ひとつ 相談があるんだけどな。」
古山家
裕一「おはよう～… あっ。 お… おはよう おはよう。」
音「おはよう。」
裕一「最近の音… う… 運動選手みたいだね。」
音「腹筋は声楽の基礎だからね。」
裕一「うん。 あ～ おいしそう。」
音「裕一さんも やる？」
裕一「えっ？ いや いい 遠慮しとく。」
音「今夜も自主練だから 遅くなるかも。」
裕一「うん… あっ 僕も 今夜ね 木枯君と食事の約束してんだ。 何か 紹介したい人いんだって。」
音「誰？」
裕一「さあ？」
音楽学校
音「いたたた… 腹筋やりすぎたかな。」
女生徒Ａ「今日は 私が言うね。」
女生徒Ｂ「今日は 私が渡すね。」
女生徒Ｃ・D「頑張って！」
女生徒Ａ「『椿姫』楽しみにしてます！」
女生徒Ｂ「あの これ みんなで作ったお弁当です。 お稽古のあとに よかったら。」
久志「ありがとう。 みんなの応援のおかげで頑張れそうだよ。」
4人「ああ～！」覇王色だと・・・
音「あっ…。」
久志「おはよう。」
音「おはようございます。 久志さん 放課後 少しお時間よろしいですか？」
女生徒Ａ「いくら ヒロインだからって 抜け駆けは規則違反です。」
音「いや 私は ただ 練習がしたいだけ。」
女生徒Ｂ「久志さんは みんなの久志さんなのよ！」
久志「みんなの その気持ち うれしいよ。 ただ 公演には必要なことなんだ。 我慢して。 ねっ？」
4人「ああ～！」
自主練中の2人
久志「もうちょっとリラックスして いくよ。 せーの。」
カフェー パピヨン
一方 裕一は 夜の社交場へと出かけていました。
木枯「あっ 裕一 こっち。」
木枯「こちら 高梨一太郎さん。」
この人との出会いが裕一の暗～い作曲人生を変えることになります。
裕一「初めまして あの 古山裕一と申します。」
高梨「あなたが古山さん？」
裕一「はい。」
高梨「やっと お目にかかれました。」
裕一「えっ？」
木枯「あっ 座って。」
裕一「あっ うん。」
久志さんの4人を一瞬でひれ伏しちゃう能力が凄いですねｗ