光子「手紙には 梅への感謝とか励ましとか 編集者さん 紹介してあげるよとか 書いてあったんだけど。」
安隆「ふ~ん よかったじゃんか~ 持つべきものは友だな!」
光子「幸せな人ね…。」
安隆「えっ?」
光子「フフッ。 こ~んな形の 頭につけてる人に 『幸せ』って言うのもなんだけど。 同い年よ? 梅が 文学を教えてあげとった子よ?」
安隆「うん。」
光子「その子が 日本で1番すごい 新人賞を取ったの。」
安隆「うん。」
光子「どう思う?」
安隆「友達だろ? うれしい!」
光子「私… 安隆さんの そういうところが好き! 最近は 小説も書いとらんし 話も ろくにせんし 正直 お手上げ。」
安隆「俺 話してみるよ。」
光子「本当?」
安隆「うん。」
梅 帰宅
梅「ただいま~。」
光子「お帰り~!」
安隆「恨めしや…。」
梅「お父さん?」
安隆「恨めしや…。」
梅「お父さんでしょう?」
安隆「怖くないんか?」
梅「怖くないよ。」
安隆「お前 動じんな…。」
梅「幽霊なんて 文学じゃ ありふれとるよ。」
安隆「アハハ… 久しぶり。」
梅「お帰り。」
安隆「フッ フフ…。」
2階の様子を伺っている光子
光子「ああ…。」