翌日
花子「醍醐さんが声をかけてくれて 修和の同級生たちが こんなに お金を送って下さったの。」
英治「醍醐さん 本当に ありがとうございます。」
醍醐「『王子と乞食』の単行本を 待ち望んでるお母様たちが こんなにも 大勢 いらっしゃるという事ですわ。」
花子「皆さんのお気持ちに 必ず応えましょう。」
英治「そうだね。 何年かかっても 必ず やり遂げよう。」
台所
花子「英治さん。 今日からは これで我慢して下さい。」
英治「節約は 大切だよ。 今 僕たちにできる事を 一つずつ やっていこう。」
玄関
花子「こんなに高く買い取って頂き ありがとうございます。」
「いえいえ こちらこそ。」
書斎
<どうしても 会社を再建し 郁弥の夢をかなえたい。 その強い思いが 2人を突き動かしていました。>
<こうして 2人で頑張っていた ある日の事。>
『ごめんください。』
花子「は~い。」
玄関
番頭「嘉納社長からの伝言です。 筑前銀行 東京支店の 内藤支店長が 融資の話を 聞いちゃんなさるそうですばい。」
筑前銀行
内藤「お待たせして すんまっせん。」
英治「これが 出版社兼印刷会社の事業計画です。」
花子「何とぞ よろしくお願い致します。」
内藤「嘉納伝助社長から お話は 伺っちょります。 契約書を。」
「はい。」