醍醐「蓮子様には 短歌だけではなく小説の才能もあったんですね。」
蓮子「趣味ではなく 仕事として書く事が これほど張り合いのある事だとは 思わなかったわ。」
花子「ねえ もう一度乾杯しませんか。 醍醐さんと蓮様のご活躍に 乾杯!」
2人「乾杯!」
平祐「いやはや ご婦人方は 大活躍だな。」
英治「ええ…。」
平祐「2人とも 頑張りなさい!」
英治「はい…。」
醍醐「一つ 大きな目標を 達成した事だし これからは 仕事以外に 結婚相手を見つける事も頑張るわ。」
蓮子「あなたは 修和の生徒の時から そればかりおっしゃっていたのに。」
醍醐「そうでしたわ。」
蓮子「ええ! そうよ。」
花子「あ~ 楽しい。」
蓮子「ええ。」
花子「久しぶりに 3杯目 飲んじゃおうかしら。」
かよ「お姉やん!」
英治「花子さん!」
蓮子「はなちゃん!」
花子「冗談よ! 冗談よ…。 ねえ 歩ちゃん。 歩! 何やってるの! 駄目じゃない! 壁に描いたりなんかしたら! 歩! かよ叔母ちゃんに ちゃんと ごめんなさいして。 歩!」
かよ「お姉やん ほんなに怒らんでもいいじゃん。」
花子「かよ…。 本当にごめん!」
かよ「ううん。」
村岡家
書斎
花子「歩。 とうとう かよ叔母ちゃんに ごめんなさい言わなかったわね。」
歩「大きい絵 描きたかったんだもん。」
英治「僕から よく言っておくから 花子さんは 仕事しなよ。 ほら 行くぞ。」
(ため息)
花子「もう…。 英治さんは 甘いんだから…。」
<かなり怒っております。>
宮本家
蓮子「楽しかったわね。 楽しすぎて ついつい 時間を忘れちゃったわ。」
浪子「遅い。 私のお夕飯も忘れたの?」
龍一「母さん 腹が減ったなら 自分で作ればいいだろ。」
浪子「家事は 嫁の仕事!」
蓮子「申し訳ありません お義母様! すぐに。」
<こちらも かなり怒っております。>
村岡家
居間
歩♬『パパア ママアのダアリング』
2人♬『パパア ママアのダアリング パパア ママアのダアリング』
花子「どうしたの? その歌。」
英治「歩が作ったんだよ。」
歩「かわい子ちゃんの歌だよ。」
花子「てっ…。」
2人♬『こっちが ママアのダアリング パパア…』
歩「ねえ お母ちゃま。 お話して!」
花子「いいわよ。 歩。 今日は どんなお話がいい?」
歩「『王子と乞食』がいい。」
寝室
花子「『トムは 王子に言いました。 『私は たった一度でいいから 王子様が着ていらっしゃるような 着物を身につけたいと思います』』。」
<花子にとって 毎晩こうやって 歩にお話を聞かせるのが 最高に幸せな時間でした。>
歩「王子とトムは そっくりだもんね。」
花子「そうね。」