書斎
(戸が開く音)
美里「ただいま!」
もも「お姉やん ただいま帰りました。」
花子「お帰りなさい。」
美里「お母ちゃま ただいま!」
花子「あっ… 美里?」
もも「美里ちゃん… 『テルが帰ってきてるかもしれない』って 今日も急いで帰ってきたの。」
花子「そう…。」
庭
美里「テル?」
書斎
<その後も 美里は 毎日 テルの帰りを 心待ちにしていました。>
もも「美里ちゃん。 吉太郎伯父ちゃまが来たわよ。」
美里「伯父ちゃま!」
吉太郎「美里 少し会わないうちに また大きくなったな。」
花子「兄やん いらっしゃい。 久しぶりじゃんね。」
吉太郎「しばらくだな。 みんな 元気そうじゃん。 はい これ 土産だ。」
美里「伯父ちゃま ありがとう!」
もも「てっ… 兄やんが おまんじゅう?」
花子「どうしたの?」
吉太郎「たまには 土産くらい持ってくるさ。 いや… 実を言うと はなに ちょっと頼みがあってな。」
居間
吉太郎「上官のおいっ子が はなのラジオ番組が大好きらしくて。 悪いな。」
花子「ううん うれしい。 はい どうぞ。」
吉太郎「ありがとう。 助かる。」
花子「これぐらい いつでも言って。」
もも「はい。 吉太郎伯父ちゃまが 持ってきてくれた おまんじゅう。」
美里「頂きます!」
花子「うん おいしい?」
(時計の時報)
花子「あっ… 兄やん せっかく来てくれたのに ごめん。」
吉太郎「あっ ラジオ局か。」
花子「美里 いい子にしてるのよ。」
美里「お母ちゃま 行ってらっしゃい!」
花子「行ってきます。」
美里「伯父ちゃま 一緒にお絵描きしましょう。」
吉太郎「ああ。」
花子「もも じゃあ お願いね。」
もも「うん。 行ってらっしゃい。」
花子「行ってきます。」