浪子「和平工作…?」
吉太郎「調べは ついています。 仲間と 大陸を渡る計画をしている事も。」
浪子「龍一… 本当なの!? 仕事で行ってたってのは 嘘だったのかい!」
龍一「ああ そうだ…。 何が悪い!? こんな戦争は さっさと やめさせるべきなんだ!」
吉太郎「では 申し訳ありませんが 家の中を調べさせて頂きますが よろしいですね。 行け。」
憲兵「はっ。」
浪子「あっ な… 何をするんです!」
富士子「お母様…。」
蓮子「大丈夫よ 富士子… 大丈夫。」
吉太郎「あなたは 何をやってるんだ! 蓮子さんや子どもたちの事を 考えたら どうだ? 何よりも まず 守るべき人たちがいるだろう!」
龍一「この国は どんどん おかしくなっていく。 それを止めずに 妻や子どもを守れるか!」
吉太郎「連行せい!」
憲兵たち「はっ!」
蓮子「龍一さん…。」
<宮本家は そんな騒ぎに なっているとは 夢にも思わず 花子は 蓮子を待っておりました。>
村岡家
居間
もも「蓮子さん 遅いね。」
花子「うん…。 どうなさったのかしら…。」
もも「そんなに心配なら 電話してみたら?」
花子「あ… そうね。」
宮本家
玄関
浪子「龍一!」
龍一「離せ。 逃げも隠れもしない。」
吉太郎「よし。」
蓮子「龍一さん…。」
龍一「心配するな。 すぐに帰ってくる。 母さんと子どもたちを頼む。」
憲兵「行くぞ。」
蓮子「主人をどうするんですか?」
吉太郎「申し訳ありませんが お答えできません。 失礼。」
村岡家
居間
花子「蓮様…。」
宮本家
玄関前
純平「お父様…。」
憲兵「おい!」
富士子「お父様!」
浪子「龍一!」
「国賊め!」
「非国民!」
「この売国奴!」
(人々の非難する声)
憲兵「行くぞ。」
純平「お母様… どういう事ですか? お父様は なぜ憲兵に…。」
蓮子「純平…。」
純平「憲兵に連れていかれるなんて お父様は 一体 何をしたんですか?」
蓮子「お父様は…。」
純平「お父様は 国賊なんですか!?」