花子「ええ…。」
ふじ「徳丸さん また何の用でえ?」
徳丸「今日は おまんとこのブドウ酒 全部 引き取りぃ来ただ。 隠してるブドウ酒 全部 出しちゃあ。」
吉平「てっ! 何で知ってるだ。」
徳丸「軍に供出しろ!」
吉平「てっ…。」
徳丸「敵の潜水艦を探す機械を 作るのに ブドウ酒の成分が必要なんだと。」
吉平「てっ! ブドウ酒で潜水艦を探すだと?」
<てっ。 ブドウ酒は そんな使いみちもあったんですね。」
徳丸「この非国民めが!」
武「ああ 供出するのは 当たり前じゃんけ!」
徳丸「さっさと渡せ!」
吉平「渡せねえ!」
花子「てっ… おとう…。」
ふじ「あんた また ほんなこん言って!」
リン「さっさと出さんと おまんの息子の憲兵だって 捕めえに来るかもしれんよ!」
吉平「決められた分は 供出してるら。 残った分を自分で飲んで どこが悪いだ。 お国のため お国のためって 俺も お国の中の一人じゃん!」
徳丸「なにょう 訳分からんこん言ってるだ!」
徳丸 武「てっ!」
吉平「ああ… うめえ。」
徳丸「まだ いっぺい隠してるずら!」
吉平「ああ。 隠してるさ! ああ… うめえ。」
徳丸「やめちゃあ。 やめちゃあ!」
<この2人の関係は 戦時下でも ちっとも変わりませんね。 ごきげんよう。 さようなら。>